目は口ほどに物を言う
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
こういう、目が卑しい子が大好きなんです。
長い黒髪、人より大きめの丸眼鏡、纏う衣類は黒ずくめ。まぁパッと見、優等生だろうな。という風貌に反し、目だけは卑しく、厭らしく、常に貪欲だった。
人はよく言う。『目は口ほどに物を言う』と。そのせいか、目だけは常に彼女の本性を物語っているように思えた。そう考えると、彼女が持つ巨大眼鏡も、単純に欲を隠すフィルターに他ならないのかも知れない。
そんな彼女はスカート姿で立膝を付き、捲れ上がった柔な太腿を晒す。手には大判のコミック。表紙は……男にとっては名状し難い生々しい一幕が描かれていた。口には棒付きソーダアイス。溶けかけて蜜が滴るのを、スカートで受け止めている。
「男の前でBL嗜む腐女子ってなんなの?」
「私のような者を腐女子って言ったら、世の腐女子に喧嘩売ってるよ。私はただ綺麗な生き物が、ぐちゃぐちゃになるのを見るのが好きなんだけ。それに異性愛、同棲愛は関係ないね。BLでもGL何方でも、ぶっちゃけ何でも良い。それに何時も攻めと受けのどちらかに感情移入しながら読むから。格好良い攻めなら襲われたい。可愛い受けなら襲いたい」
そう言って、コミックをくるりと反転させて生々しい場面を指でなぞる。体を容赦なく弄り回し、前後不覚になるまで坩堝に叩き落とされた後の場面。これが男女だったら盛りそうなものだが、男同士だと嫌悪感が全面に出る。だが気を取り直して。
「で、襲われたいと?」
持っている漫画を閉ざして横に置く。押し倒したかったけれども、口に入っている棒付きアイスが邪魔をして出来ない。半ば苛立ちを込めて軽蔑と侮蔑混じりの視線を与えると、その卑しい目をどろりと溶けさせて、身を震わせた。歓喜の震えだった。
今の言葉の通り、筋金入りのサドであり、マゾでもあるのだ。この女は。
「んーん。気持ちはあるけど焦らした方が良いからね。いや、爪立てるのも悪くないか。あぁでも……うーん……」
そう言って、溶けて滴るアイスに舌を這わす。絶対に歯を立てず、口でしゃぶる。その様に、この間の出来事を思い出して、体が熱くなるのを感じる。
誘って、落ちて、啼いて、二転三転する表情。あの時に思ったのだ。誑かしているようで、此奴は本気なのだと。
「……っふふ。私の事、淫乱だと思ってる? 君から言われるのは、褒め言葉だから歓迎するよ」
そう言って、喉奥までアイスを突っ込んでそのまま引き抜いた。木の棒だけを遠くに放り出し、腰周りに手を引っ掛ける。今したことをやってやるという様に。
オマケ 癖が出るからさぁ
全てが終わった後、女は別の味の棒付きアイスを食べていた。前と同じ様に舌先で可愛がり、唇を押し当てて、しゃぶっている。
「是が非でもアイスに歯を立てないんだな」
「歯立てて欲しい?」
そう言って、口腔をだらしなく開く。切っ先の尖った、鮫のような綺麗な歯並び。『噛み付いたら痛いけど』と歯が物語っている。
「……いや。いい」
「これでも普段から気を使ってるんだけど」
そう言って誤魔化す様に唇で隠し、悪戯っ子の様に舌先を出した。
あぁ、やっぱり本気なんだ。
以下、何でも許せる方向け
いいですか?
作者自身も恥ずかしくて死にそうな言葉が並びますよ。
ハイライトが無くて、目が死んでる子が好きなんです。
ハイライトが分かりにくい子も同様です。
言わば、レ○○目が好きなんです。
まぁ、目と口に特徴がある子は皆大好きです。
まぁ、そんな性癖は置いといて。
誑かしている様に見えて、割と恋人に対しては本気です。
ただ中身が変態的全振りなだけです。
そしてその性格は本人も理解してそうですね。
『淫乱だって思ってる?』って自分で言ってますし。
だから相思相愛になったら、喜ぶなら何でもしてあげたいし、日常生活でもかなり気を使ってると思います。
アイスの食べ方がその一例。
オマケは『癖が出るからさぁ』という意味です。
大切な腐女子の定義について
この子を『腐女子』と定義すると、世の腐女子の方々に殴られそうなので、腐女子の様で腐女子ではないとさせて戴いてます。
BLをただ好む子が腐女子じゃないんですよ。
その男性同士の恋人の絡みを見るのが好きなのが、腐女子なんです。
『壁になって見守りたい。私は関わらないでいい』というのが腐女子です。
でもこの子は思い切り関わってますし、相手方が気に入らないなら潰す気です。そんな読み方でBL読んでます。
『お前どけよ。私の方がもっと良くしてやるわ』精神です。
図々しいですね。でもその強かさが好きです。