第9話 昼休みの教室
神楽坂視点です。
少し遡って、優希たちが教室を出ていった後。
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神楽坂side
「・・・ねぇ、なんで中野先輩が?」
「しかも優希くんのお姉さんが『氷の玉砕姫』?」
といった感じで、みんながヒソヒソしだした。
その中に、
「というかさ、優希くんのお姉さんが言ってた、うちのクラスと1-4の誰かが優希くんを傷付けたってやつ。あれホントなのかな?」
「中野先輩も現場見てたみたいなこと言ってたよね」
まさか見られてたなんて・・・。にしても優希のやつ、なんでお姉さんに言ってるの?ホント最悪。
「ホントじゃない? 今日優希くん、朝1人で来てたし」
「だとしたらさ、それって誰の事だろうね?」
「優希くんの知り合いで、うちのクラスと4組にいる人って・・・」
え、なんかみんなこっち見てるんだけど。なに? これ。
「あのさぁ、神楽坂さん。」
「ん? どうしたの?」
「優希くんにさぁ、なんかしたのってーー」
「おい! とりあえずこの話止めよう・・・」
よかった。石崎くんが止めてなかったらめんどくさい事になってた。でもなんで? 石崎くん関係ないよね?
「あいつが来る前にこの話するのは止めよう・・・、あいつから何があったかは聞いたんだ。ちなみに、瀬川も知ってるぞ」
「えっ」
まずい、反応してしまった。みんなに見られてるし。もー、こうなったのも全部優希のせいだ!
「はぁ・・・、もうみんなわかってると思うが、神楽坂さんと、4組の鳳くんと神坂さんが、優希を傷付けたやつだ」
「えっ!? いやいや、私はやってないよ」
「・・・そうか。まぁいい」
「どうせ優希が帰ってきたらわかる事だ」
まぁ、大丈夫でしょ。優希に私たちを裏切る事なんて出来るわけないよね。蹴ってた時だって何もして来なかったし。
その後、ピリピリした雰囲気のまま昼休みは進んだ。誰一人として口を開く人はいなかったけど、何故か私に対する視線が多かった気がする。1番前の席だから分かんないんだよね。
そして、昼休みが終わる頃、優希が戻ってきた。
☆☆☆
優希side
え、なにこれ。みんな無言なんだけど。怖いよ?
「あのさ、優希」
え、神楽坂さんが話しかけてきたんだけど。
「私、優希に酷いことしてないよね?」
「は?」
何を言ってるんだ? 昨日やった事を忘れてるのか? あれが「酷いこと」以外のなんだって言うんだ。
「お前なーー」
言ってやろうと思ったのだが、チャイムが鳴ってしまった。さすがに授業の妨害までして言うつもりは無い。そもそも関わりたくすらないのだ。
その場では言うことが出来ず、その日はそのまま帰ることになった。
まだまだ終わりません。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。




