表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/89

第7話 私のヒーロー

日間ランキング7位!ありがとうございます!

 ☆☆☆


 那月side


 ー3年前ー



 私は父親に襲われそうになった。

 結果的にお母さんがすぐ帰って来たので襲われることは無かったのだが、その一件で、お母さんは離婚してしまった。


 私もお母さんも二度とあの人を見たく無かったので、引っ越す事にした。とても遠い街にだ。



 そして今、私はその街に来ている。


「大きい街だなぁ」


 第一印象はそのくらいだろうか。駅前は人がごった返していて、周りの建物は背の高いものばっかりだ。今までいた町は娯楽施設なんでほとんど無いような所だったから、こういう場所は初めてだ。


 お母さんは仕事の関係で今日は来れないそうなので、私は1人で家に向かわなければならなかった。


 私は結構な方向音痴なので、地図を見ても全く分からない。ちなみに、スマホのアプリを使っても迷ってしまう。なんで私一人で来たの?


 そんな事を思っていてもどうしようもないので、とりあえず家に向かう事にした。迷ったら誰かに聞けば大丈夫だよね! そう思い、私は家に向かい始めた。



 ー10分後ー



「……ここ、どこぉ?」



 結論から言えば、私は完全に道に迷っていた。


 しかも、ネオン街でだ。(簡単に言えば、夜のお店が沢山並んでいたのだ)空も暗くなって来ていて、さすがに不味いな、と思い始めていた。


 誰かに声を掛けてみようか、とも思ったが、通りにいるのは男の人ばっかりで、なんだか怖くなってしまって声を掛けれなかった。女の人もなんだか雰囲気が良くない人が多くて、あまり近寄れなかった。



 結局誰にも話せないまま、私は迷い続けた。結果的に1時間くらい歩いただろうか。私はもっとマズイ所に来てしまった。


 ビルとビルの間の細い道。暗くて人気もない。(何故だろうか。誰かに見られているような気がする)ずっと地図とスマホばっか見て歩いてたので、入ってしまったことに気付かなかったのだ。


 どうしよう。戻る道も分かんない。


 ……怖い。


 誰か助けてくれる人は居ないのだろうか。

 そんな事を考えて歩いていると、後ろから突然声を掛けられた。



「ねぇねぇ、こんなとこでなにしてんの? 良かったらさ、イイことしない?」


 何? この人。私は怖くて声が出なかった。


「なんか反応してよー。何も言わないなら肯定って事でいいの?」


 私は怖くなってへたりこんでしまった。


「まぁいいや」



 そう言って男は私を脱がし始めた。

 ……嫌だ。やめて。

 そう思っても声が出なかった。


 あと下着だけという所で、男はマジマジと私の体を見てきた。気持ち悪い。ニヤニヤとした顔に吐き気がする。



「じゃあ、脱がせちゃうぞ? いいんだな?」



 そう言って男は私の下着に手を掛けようとした。


 その時だった。



「おいアンタ。何してんだ? 見た感じそれ、犯罪だろ」



 突然横から声が聞こえてきた。



「君には悪いけど、動画撮って証拠押さえたからな」


「……ちっ、いいとこだったのによぉ!」



 そう言って男は少年に殴りかかった。少年はそれをいとも簡単に躱し、その男を投げ飛ばした。凄い。


 男は無理だと分かったのか、すぐに逃げ出した。


 助かったの? 私。……いや、まだ分からない。この少年が私に……。そんなことを考えていたのだが、



「大丈夫か? 早く服着ろよ?」



 と優しく声を掛けてくれた。良かった。そんな安心感で私は泣き出してしまった。



「っ! ごめん! 俺が見てたの嫌だったよな。後ろ向いてるから、着替えて」


「っあ、あの、そうじゃなくて、なんか、安心したら、その……」


「そうなのか? でもとりあえず後ろ向いてるから着替えて」


「あっ…うん。分かった」



 良かった。やっぱりいい人も居るんだ。私はそう思いながら、服を着た。この人のおかげで、私は男嫌いにはならなかったのだと思う。


 ちなみに動画を撮ったというのは嘘だったらしい。とっさの判断だったみたい。


 服が着終わった事を伝えると、なんと道案内してくれるという。とりあえず通りまでらしい。私、また迷うよね? 絶対。


 申し訳ないなと思いつつも、事情を説明し(迷子になっていた理由だけだ)、家まで送ってもらうことにした。


 なんと、彼、七瀬優希くんの家から結構近いらしい。そのまま優希くんに送って貰うことにした。


 ちなみに、優希くんは抜け道するためにあの道通ってたんだって。いいなぁ。方向音痴じゃないって。


 そのまま20分程歩くと、私の家に着いた。前写真で見せてもらったんだ。



「ありがとう。送ってくれて。私一人じゃ来れなかったと思うから……」


「いいですよ、別に。でも今後気をつけてくださいね? 次迷ったらどうなるか分かりませんよ?」


「そうだね。頑張って道覚えるよ」


「頑張ってください。それでは」



 そう言って優希くんは帰ってしまった。しまった。連絡先くらい聞けばよかったかな。


 家に入って、私はさっきまでの出来事を振り返っていた。


(優希くん、かっこいいなぁ。ヒーローみたい。また、会えるといいな。)


 私はそう思い、その後はそのことについて考えるのを止めた。



 ☆☆☆


 那月side



 この街に来てから1週間くらい経ったあと、私は別人のようになっていた。私が私じゃないみたい。


 あの後、次優希くんに会った時に、恥ずかしくないように、と思い、思い切ってイメチェンしたのだ。(なんでそんな風に思うのかな? よくわかんないや)


 今までの私とは全くと言っていいほど変わってしまった。次会っても優希くん私の事分からないかもな・・・そうは思ったが、次あった時のためには、「可愛い自分」と言うのを作りたかったのだ。



 そのまま時は過ぎ、高校2年になった。


 あれから優希くんを見掛ける事はあったけど、話しかけられなかった。週一くらいでは見かけてたのに。


 そう思い、ぼーっと外を眺めていた時、優希くんは公園に来て、そして……。私はようやっと決心して、優希くんに会いに行く事にしたのだ。

那月の事に優希が気付かなかったのはイメチェンしてたからなんですね。次話、屋上での会話の続きからになります。


誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 上も下も三年前になっていますが 下は(現在)なのかなと
2023/08/01 13:22 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ