第6話 姉ちゃんVS那月さん
2人はしばらく俺を睨みつけた後、お互いを睨み始めた。俺が姉ちゃんの事言ったら後が面倒くさそうだし(主にクラスメイト)、那月先輩がなんでいるのか分からないし。仕方ないよね?
「私は優希の姉で、七瀬詩織っていうの。今日は優希と一緒にお弁当を食べようと思ってきたのだけれど」
姉ちゃんはそう言って弁当をプラプラとしていた。
「誰とは言わないけどこのクラスと、あと1-4のクソ野郎共が優希を傷付けたからね」
姉ちゃんはそう言って神楽坂さんを睨んだ。
なんで言っちゃうんだよ……。ほら、クラスメイトがヒソヒソし出してるじゃん。
「それを言うなら私だって! 昨日優希くんが傷付けられてた現場を見てたの。だから元気付けようと思って来たの!」
見られてたのかよ。うーん、昨日は一方的にやられてたからな。なんか恥ずかしいな。
「というか、だとしてもなんであなた優希の所へ?」
そう。接点ないと思うんだけど。
俺が頷いていると、
「それは、前に優希くんに助けて貰ったことがあって」
マジでそんなことした覚えないんだけど。
「あの……」
「ふーん。それがどうしたの? だからってわざわざ来なくてもいいんじゃなの?」
「それは、その……、別にいいじゃないですか! あなただって「氷の玉砕姫」なんで呼ばれてるのに弟にはこんなに優しいんですか? ブラコンじゃないですか!」
「おーい」
「それがどうしたの? 私、優希のこと大好きだもの。別に良いでしょ?」
教室がザワついた。
「ちょっと……」
ダメだ、聞こえてない。
このまま行くともっと大変なことを言い出しそうだったので(主に姉ちゃん。風呂の事とか言われたらたまったもんじゃない)、2人の手を掴んで外に出ようとすると、
「キャッ」
「優希ったらもう……」
とかなんか言ってたけど、そんなこと構ってられない。さすがにこれ以上目立ちたくない。
思ってたより大人しく着いてきてくれたので、そのまま屋上に連れていった。
うちの学校は昼休みは屋上を開放しているのだ。
幸い、あまり人が居なかったので、目立たない奥の方のベンチに2人を座らせた。
「とりあえず姉ちゃんの方はいいとして、那月先輩。なんで俺のとこに?」
「その、私の家、昨日優希くんが、蹴られたりしてたところの近くにあって。外見てたら優希くん達がいたの。
そのまま見てたんだけど、その、怖くて出て行けなくて。ごめんなさい。止めてればあそこまで酷くはならなかったかもしれないのに……」
そうだったのか。でも肝心なとこ分かってなくない?
「別にそれは大丈夫ですよ。でも、教室で言ってた俺が那月先輩の事を助けたって言うのはどういう事ですか?」
「あれ、覚えてないかな?」
「すいません、全く覚えてません」
「そう……」
なんか申し訳ないな。ちょっとしょんぼりしちゃってるし。
「あのさ、2人が良ければだけど、とりあえず昼ご飯食べない? 時間無くなっちゃうよ」
「「うん!」」
元気の良いことで。
「あと、良ければ那月先輩にさっきの話聞きたいんですけど、、大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫」
そう言って3人で弁当を食べ始めると、那月先輩は話し始めた。
☆☆☆
???side
教室に行くと、もう1人優希くんのところに女の人が来た。制服を見た感じ3年生だと思う。(この学校では学年ごとに制服が違うんだよね)
ちょっと口論しちゃったけど、優希くんが手を掴んで私たちの事を引っ張って行った。男の子に手を繋がれるなんて初めてだ。
屋上に行き、優希くんの話を聞くと、どうやらあの事について覚えていないらしい。ちょっと寂しいな。
でも、優希くんがあの事について聞いてくれたから、ちょっと嬉しいな。これで何か思い出してくれるといいんだけど。
そう思い、私、中野那月は話し出した。
???sideは中野那月さんでした。次話、那月視点になります。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。




