第4話 反抗期の妹の思い
今回、視点数が多くなってしまいました。読みづらかったらすいません
部屋に戻ってから、ベッドの上で仰向けになって、俺は元幼馴染について考えていた。
幼馴染だとは思われていなかったようだし、元幼馴染と言った方が正しいだろう。
こちらとしても二度と関わりたくないのだが、違うクラスの神坂さんと鳳くんは何とかなるにしても、同じクラスの神楽坂さんについてはどうしても関わらざるを得ないこともあるだろう。今からでもクラス替えをしたいくらいだ。
「(こういうのは友達に頼るべきなのか? ……でも瀬川と石崎を巻き込む訳には行かないよな)」
そんな事をブツブツ呟きながら考えていると、突然部屋のドアが勢いよく開かれた。
体を急いで起こしてドアを見ると、妹の七瀬莉子が立っていた。
中学二年生の莉子は、絶賛反抗期中。俺と父にだけ異様に冷たいのだ。父に関してはただ無視しているだけだが、俺に対してはたまに口が悪くなる時がある。
だからこうして部屋にやってくることなんてほとんど無いため、突然ドアが開かれたことよりも、莉子が訪ねてきたことに驚いてしまった。
学校では凄い明るいんだって。莉子の友達から聞いたんだけど。
「どうした? 莉子」
「……」
俺は莉子にそう尋ねるが、莉子は無言でこちらを見つめて来るだけで、何も言わない。
俺、なんかやらかしました? 服とかも別々に洗ってるよ?
「……優希兄大丈夫なの?」
「ん? 俺か? ほら、めちゃめちゃ元気だぞ!」
そう言って、マッスルポーズをとると、莉子からの物凄い冷たい視線が突き刺さった。絶対零度。めっちゃ睨まれてる。
「そうじゃなくて、詩織姉に優希兄のこと聞いたの」
「なんだ、その事か。別に特に思うこともないな。学校でどうしようか面倒臭いなってくらいだ」
「……そう。ならいいけど」
……聞いたのか。でもまぁ、もういいんだ。最低限説明はしたので、これで帰るだろう。そう思っていたのだが、
「……あの、なんかあったら私にも言ってよね、優希兄」
「……! あぁ、分かった。また、何かあったら話に行くよ」
莉子がデレた。莉子がこんなふうに言ってくれることは、ここしばらくなかったので、なんだか嬉しくなってニヤニヤしていると、
「……キモっ」
と、小さな声で言って、莉子は部屋から出ていった。やっぱりツンだった。
最後のヤツはちょっと堪えた。シンプルに「キモイ」と言われるのは、その言葉の短さにしてはダメージがデカい。
その後も部屋でゴロゴロしていると、隣の部屋からバタバタと音が聞こえてきた。そして、何かが落ちるような音が聞こえてきた。
姉ちゃんの部屋だな。
この家、古いわけじゃないけどちょっと壁薄いんだよね。
何バタバタやってるんだろう。
その後は姉ちゃんの部屋から音が聞こえることは無かったが、今度は莉子の部屋から叫び声に近いような何かが聞こえてきた。
莉子の部屋の方がベッドから近いからよく聞こえるんだよね。
何事かと思っていると、特に何かあった訳では無いらしい。
小さく「お兄ちゃん……」と聞こえた気もするけど気のせいだろう。こんな事言ったらまたなんか言われるかな?
☆☆☆
莉子side(妹)
あぁぁぁ、私のバカバカバカ!なんでお兄ちゃんに冷たくしちゃうの?
別にお父さんはどうでもいいけど、お兄ちゃんは別!
いつも私に優しくしてくれるし、お兄ちゃんは知らないと思うけど私たち兄妹じゃないんだよね。
自分では気付いてないと思うけど、お兄ちゃんちゃんとしたら結構イケメンだし。
そんな人といつも一緒に暮らしてるんだもん、ちょっとくらい好きになってもいいでしょ?
はぁ……、なんで冷たくしちゃうんだろ。反抗期ってやつなのかな?
「お兄ちゃん……」
無意識で私はそう呟いていた。
☆☆☆
詩織side(姉)
まさか優希と本当の姉弟じゃなかったなんて。
なんで教えてくれなかったの? お母さん。私もう少し早く知ってれば……。
弟と思ってたからあんな事やってたのに。
弟じゃないってなるともう、エッチなことやってるみたいな事じゃない?
自分では分からないが、きっと私は今茹でダコみたいになっているだろう。恥ずかしい……。
私はベットの上を転がりながらそう考えていた。床に落ちちゃったからちょっと痛かった。
☆☆☆
???side
優希くんのために何ができるかな?
……うーん、明日教室に行ってみようかな? 傷ついてたら慰めてあげたいし、嫌がられないといいんだけど。
多分大丈夫だよね!
私はそう思い、明日、優希に会いに行くことにした。
評価・いいね、ありがとうございました!励みになります。次話、???が登場すると思います。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。
私は学生なので、平日の投稿頻度は落ちると思いますが、頑張ります。