第12話 勉強会をしたい
ちょっとずつ修正とかしていく予定です。投稿頻度は1日1話くらいにしていこうと思います。
あのバイトの日の後、俺はどこかが変わってしまったらしい。(他の人からするとおかしいらしい)
家に帰ってから家族全員に心配されたし、莉子にはなんかもっとキモくなったとか言われた。なぜだ。何も変わってないと思うぞ。
次の日学校に行くと、先に来て談笑していた石崎と瀬川に心配された。よりいっそう目が死んでるらしい。
後から思ったんだけど、石崎と瀬川って前そんなに2人で話してたっけ? 仲良くなったなら何よりだ。
昼休みには、教室にきた那月にも心配された。物凄いオロオロしてた。みんなしてどうしたんだろう。
あの日から1ヶ月くらい経った。梅雨も本番で、ほとんど毎日雨が続いている。
ファミレス以来、アイツらが俺にちょっかいを掛けてくることは全くない。たまに視線を感じる時があるが気のせいだろう。
相変わらず昼休みには姉ちゃんと那月と一緒に弁当を食べている。
変わった事と言えば、最近、弁当を作るのが遂に当番制になった。
いつも俺が作っていたので、姉ちゃんが作れるのか不安だったが、杞憂だったようで、普通に美味しい弁当だった。作る度に上手くなってるから、さすがだね。
那月も結構上手で、一つ一つの味だけ見れば、お店で出しても恥ずかしくないレベルだった。
しかし、見た目だけはどうにもならないようで、玉子焼きがスクランブルエッグに近い状態だったのはびっくりだった。
それでも、昨日食べたのなんか、随分上手になっていた。
俺たちは今日も弁当を食べていた。屋上は雨が降っていて出れないので、階段で食べることにした。
弁当を食べていると、姉ちゃんが嫌なことを思い出したようだ。
「そういえば、もうすぐ期末テストよね」
「あ、そうですね〜。詩織先輩って勉強得意ですか?」
「姉ちゃんはいつも学年1位だよ・・・、なんで俺は・・・」
「えー! 学年1位!? 凄っ」
「ふふふ、そうでしょう? そういうあなたは?」
「私ですか? だいたい10位前後です。優希くんはどうですか?」
「・・・聞かないでくれ」
なんで二人共そんな頭良いんだ。こっちが恥ずかしくなる。
ちなみに、うちの学校は一学期の中間が無いので、今回が初めてのテストだ。
「あ、優希はね、中学の時はだいたい70位くらいだったのよ。・・・100人中」
「なるほど、どうりで言いたがらないわけです。・・・ねぇ、詩織さん、こういうのはどうですか?」
「ふんふん、なるほどね」
姉ちゃん、勝手に言わないでくれよ・・・。恥ずかしいじゃんか。凄い悪い訳でもないけど、2人と比べると。ね。しかもなんかコソコソ話してるし。
結局何を話しているのか聞き取れなかった。でも、二人共楽しそうな雰囲気だ。
「ねぇ、優希。勉強会しない?」
「え? 勉強会?」
「そう。優希も赤点取りたくないでしょ? 赤点だと夏休み補習なのよ」
「そうですよ、優希くん。私、みんなで夏休み遊びたいです! そのためには赤点回避しないと。それに・・・、ね? 詩織先輩」
「えぇ、そうね。那月」
「うーん・・・」
遊びに行くのは別にいいんだけど、わざわざ勉強会する必要あるかなぁ・・・。勉強したくないなぁ。
「ダメ?」
くっ、やめろ! そんな目で俺を見るな!
美少女がうるうるした目で見上げてくるだと? そんなん耐えられる訳ないじゃん。
「分かったよ、分かったから」
「ホント? それじゃあ一緒に夏休み遊んでくれるの?」
「あぁ、いいぞ」
「! ーーっ、やった!」
やっぱり勉強メインじゃなかったか。まあいいけどさ。
「その代わりさ、俺も友達誘っていいか?」
「えぇー、大丈夫?」
「あぁ。というか友達も含めて夏休み遊びたいんだ。だけどソイツら全く勉強できないんだ。特に変なことしてくるとかは無いと思うし、ダメかな?」
「いいんじゃない?」
「え、姉ちゃんいいのか?」
「えぇ、またクソ野郎だったらいけないからね(優希の友達を一度見ておきたいしね)」
本音と建前が逆だぞ。というか、アイツらみたいなやつだったら、今も友達なんて続けている訳が無い。
「そ、そうか」
「・・・まぁ、詩織先輩が言うなら」
「ありがとな。じゃあ、空いてる日聞いてみるから、また後で連絡するよ」
「うん。分かった。」
☆☆☆
とりあえずその後は世間話をしている間に昼休みが終わった。相変わらず教室に戻ると男子たちの目線が痛い。
5限目が終わったあとの休み時間、俺は2人に昼休みの話をした。
「えー? 大丈夫なの? 私たちが行っても」
「そうだよ、俺たちが行って気まずくならないか?」
「・・・」
大丈夫、と断言出来ない。姉ちゃんとか、冷たい雰囲気のままかもしれないからな。
「ちょっと、その沈黙は何?」
「いや、なんでもない。多分なんとかなるだろ」
「適当だな! 別に勉強教えてくれるだけならありがたいからいいんだけどさ・・・」
「うん。2年と3年の有名人と一緒に、っていうのはね・・・」
まあ、そうだよな。俺もそっちの立場なら絶対不安だわ。
「大丈夫だろ。二人共、お前らが思ってるより話しやすいと思うぞ。那月も姉ちゃんと仲良さそうだったしな」
「名前呼びって・・・、はぁ。お前、意地でも呼ぶつもりか?」
「もちろん」
「分かったよ。行くから」
「翔太がそういうなら私も行こうかな」
しまった、つい下の名前で言ってしまった。というか瀬川、石崎の事下の名前で呼んでるし。
「よし、それじゃあ空いてる日教えてくれ」
「いつでも空いてるぞ」
「私も」
コイツら暇だな。まぁ俺も同じか。
とりあえずいつでもいいそうなので、那月にそう連絡しておいた。
1分もせずに返信がきたのでびっくりした。
『了解です! 詩織先輩にも聞いたんですけど、いつでもいいそうなので、次の土曜日でいいですか? 場所は優希くんの家に10時。詩織先輩に許可は取ってあります。他の人達にも一応聞いておいてください!』
俺の許可は? 俺の。
「返信きたぞー、次の土曜日に俺の家に10時だとよ」
「ん、俺はいいぞ」
「私も〜」
「OK。後でうちの住所教えるから、自分たちで来てくれ」
「えー・・・、まぁ、いいけど」
那月にもう一度連絡すると、今度も1分以内に返信がきた。
『了解です! 楽しみにしてますね!』
何も起きないといいなぁ、そう思って俺はスマホを閉じた。
4800ポイント行きました! ありがとうございます。
次話、勉強会です。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。