第11話 分からない感情
結構纏まりが無い感じで進んでしまいました。読みづらかった方、すいません。
これから纏められるように意識していこうと思います。
誰も手が空いてないので、仕方なく自分で対応することにした。
「いらっしゃいませー。3名様でよろしいですか?」
できるだけコイツらを知らないように振る舞おうと意識したのだが、やはり無駄だったようだ。
「あれ? 優希じゃん。こんなとこでバイトしてんの?」
「そうですね、ではお席にご案内します」
「ちょっと、もうちょっと話聞きなさいよ」
「すいません。今は仕事中ですので」
話を長引かせないように、とにかく早く離れられるように。その一心で空席に向かった。
「こちらになります。ご注文が決まりましたら、ボタンを押してお呼びください」
それだけ言って俺はすぐそこを離れた。
店員としては全く良くない行動だろう。でも、本当に関わりたくないんだ。他のどの感情が湧いてこなくても、この感情だけは溢れ続けていた。
とりあえず水とウェットティッシュ、箸やフォークを人数分持ち、もう一度あの席に向かった。
「水をお持ちしました」
そう言って水を配っていると、鳳くんに話しかけられた。
「なぁ、優希。なんでこんなとこでバイトしてんだ?」
「特にこれといった理由はありません」
次に神坂さんが、
「同じ学校の人って優希だけ? 居たとしても優希みたいな人に話し掛ける人なんて居ないか」
「・・・」
頷いたら負けだと思った。
次に神楽坂さんが、
「なんで無視するの? 酷くない?」
「そうだよな、絵里。おい! 優希! 無視すんじゃねぇよ!」
「他のお客様のご迷惑になるので、大きい声を出すのは控えてください」
「いい加減にしろよ! お前!」
さすがに冷たくあしらい過ぎたのだろうか。水をかけられてしまった。あーあ、床ビチャビチャだよ。
やはり何も感じない。
「申し訳ございません。同じ学校の人はいません」
「そうだよ、最初からちゃんと答えてればいいんだよ!」
そう言って今度は水の無くなったコップを投げてきた。プラスチックでよかったなー。ガラスだと割れて後片付け大変だもんね。
周りがざわつき始めた。確かにこれって事件じゃない?
そんな事を考えていると、後ろから物凄い禍々しいオーラを感じた。ヤバい、これ。
誰だろうと思って後ろに振り向くと、伊井野先輩が立っていた。
顔こそ笑顔なものの、全身からオーラが漏れ出ている。先輩、近くの席の子、怖がってますよ。
「すいません、当店でそのような事はおやめ下さい」
「いやー、すいません。ついこの人の対応に腹が立ってしまいまして」
「だからといって許されることではありません」
「じゃあ何、俺たちが全部悪いって言うのか?」
急に鳳くんの口調が変わった。後ろの2人も頷いてやがる。
「確かにうちの店員にも非はあったかもしれません。しかし、水をかけた挙句コップを投げつける理由にはなりません」
「・・・チッ、行くぞ!」
そう言って鳳くん達は僕や伊井野先輩を突き飛ばして店を出ていった。
俺のせいで他の人にも迷惑が掛かってしまった。これには俺もなんと言えばいいのか分からない感情が出てきた。正確には、以前なら言えたのだろうが、今は全く分からない感情だ。
「伊井野先輩、すいません。俺のせいで・・・」
「本当だ。相手は大切なお客様だぞ。もっと丁寧に扱いなさい。・・・とはいえ、君も何か理由があっての事だろう? 本当に嫌な時は頼ってくれてもいいんだぞ」
「・・・すいません、もし次があったら気をつけます」
「・・・あぁ。とりあえず、大丈夫かい? 怪我とかしてないか?」
「えぇ、大丈夫です」
元幼馴染たち、通報されるかもしれない事するなんて。
俺の中で、残っていたアイツらへの気持ちがどんどん無くなっていく。もはやアイツらがどうなろうと俺の知った事では無い。
結局その後19時くらいまで働いて、その日はバイト先を後にした。
家に帰ってからも考えたのだが、いくつかの感情がほとんど完全に抜け落ちてしまっている。なにか、大切な感情を忘れてしまっている気がして、どうも落ち着かなかった。
とりあえず、明日以降はこの感情について考えていこうと思う。
ちょっと変だったかもしれません。アドバイスよろしくお願いします。次話からは、もう少し日が進んでいきます。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。
R6.3.7 皆様、いつも誤字脱字の報告ありがとうございます!




