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興味を持ってくださりありがとうございます。


この小説は、チョコミント青梗菜・ザベスのソロアルバム「宇宙ビィーム」と連動した作品となっております。

「宇宙ビィーム」を聴いていただけるとより楽しめる作品になっておりますので、是非お聴きください。(詳細はあとがきにて)

「僕のこと、みんな奇妙なものを見る目で見てくるんだ」



そう言った彼は、心底悲しそうだった。

私はそんな目を向けられることを知っていた。

その苦しさも、どうしようもなく深い悲しみも、わかる気がした。


彼の手をそっと握ってみた。

とてもあたたかかった。



私はつとめて明るく「友達になろうよ!」と言うと、彼は怯えたような表情の後、少しだけ笑ってくれた。




その日から、私たちは友達になった。



"超能力"という言葉に、妙にワクワクしてしまう自分がいた。

なんだろう。とても懐かしい感覚すらある。

それがなぜだかはわからないままだった。



彼は超能力を使えるという以外は普通の男の子だった。

数学が得意で少し体育が苦手、ギターが好きな普通の男の子。



公園の遊具をステージにして、二人でコンサートを開いたりもした。

私の好きなJUDY AND MARYをアコースティックに弾いてくれた時は、とても感動してしまった。

夜の闇が私たちを包み、街灯がスポットライトとなって、彼だけを照らしていた。



ギターを弾く彼の笑顔はまぶしくて、キラキラとして、綺麗だった。

この時間が、永遠に続けばいいなと、そんなことを思ったりした。



雨の日は真ん中に穴が開いた、山型の遊具の中でいろんな話をした。

雨が私たちとそれ以外を遮って、世界に私たちしかいないんじゃないかと思わせてくれるから、特に雨の日が好きだった。



ある風の強い日は、落ちていた傘を広げて、空を飛んだ。

上空から、たくさんの家に明かりが灯っているのが見え、その明かりひとつひとつに知らない人の生活があるんだなと思うと、とても不思議な感じがした。

とても素敵な、夜の空中散歩だった。


そうやって、彼と私は、超能力を使った遊びも、そうじゃない遊びもした。

このままずっと一緒に居られると思っていた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回の投稿は12/25(土)です。


ザベスのソロアルバム「宇宙ビィーム」に関する情報はこちらからご覧いただけます。


https://choco-bok.jkjm.jp/zabeth/

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