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興味を持ってくださりありがとうございます。


この小説は、チョコミント青梗菜・ザベスのソロアルバム「宇宙ビィーム」と連動した作品となっております。

「宇宙ビィーム」を聴いていただけるとより楽しめる作品になっておりますので、是非お聴きください。(詳細はあとがきにて)

――――ビーっ



ウルトラセブンの光線銃は、音を立てて光った。

その音の先に、ひとりの男の子が立っているのが見えた。

知らない男の子だった。



「それ見せて」



そう言った男の子は私の元に来て、ウルトラセブンの光線銃を指差した。

私は自慢したかったので、その男の子に光線銃を貸してあげた。

男の子はまじまじと光線銃を見てから、嬉しそうに「ウルトラセブンごっこ、やろう」と言った。

私はびっくりして、一呼吸置いた後に、強くうなずいた。


まず、"ウルトラセブン"を知っている子がいることに驚いた。

今、クラスで流行っているのは"ウルトラマンティガ"なのだ。

かくゆう私は、お父さんが大事にしていたウルトラセブンのビデオを何度も見ていたので、ウルトラセブンに首ったけになってしまい、さらにクラスで話が合わなくなっていた。



そんな私の前に現れた、ウルトラセブンが好きな男の子。

私は、好きなものを一緒に好きと言える仲間が出来て、とても嬉しかった。



男の子と話すのは、久しぶりだった。

お父さんがいなくなってからは、ほとんどお母さんとしか話をしていない。


独り以外で遊ぶのも久しぶりで、とても楽しかった。

ウルトラセブンと宇宙人を交代ごうたいでやって、いっぱい倒したり倒されたりした。




泥まみれになって帰ってきた私を見たお母さんは、少しびっくりした顔をした後に、「早く顔を洗ってらっしゃい」と嬉しそうな声で言った。

私もきっと、笑っていたと思う。

誰かと遊ぶのはこんなに楽しかったんだ、ということを思い出した。



それから暫くは、名前も知らない男の子とウルトラセブンごっこをする毎日だった。

光線銃をもっとかっこ良くしようと、男の子が持ってきたキラキラのシールを貼って、世界に一つだけの光線銃が出来た時、二人とも誇らしげだった。



一度、"宇宙人は悪者かそうじゃないか"で言い合いになったことがあった。

いろんなことを話し合ったけど、結局は私が主張する「宇宙人は悪いやつだけど、時々いいやつもいる」という意見で合意した。



宇宙人が存在することを認めた人は、その男の子が初めてだった。

私と同じ考えの彼は、私と同じで宇宙人なんだと確信した。

私は宇宙人の仲間に会えたことがとても嬉しかった。






だけど、その男の子はある日を境に姿を現さなくなった。


すごく悲しくなって、1日中部屋に閉じこもって泣いてしまった。

そんなことは初めてだったので、お母さんはとても心配そうにしていた。



日が暮れかかった頃、天井を見つめていた私はふと、あの男の子はUFOで宇宙に帰ってしまったんだと気づいて、その時から涙がぴたりと止まった。



私にもいつかUFOが迎えにきてくれるんだと、最近読んだ「シンデレラ」を思い出していた。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回の投稿は11/13(土)です。


ザベスのソロアルバム「宇宙ビィーム」に関する情報はこちらからご覧いただけます。

https://choco-bok.jkjm.jp/zabeth/

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