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興味を持ってくださりありがとうございます。
この小説は、チョコミント青梗菜・ザベスのソロアルバム「宇宙ビィーム」と連動した作品となっております。
「宇宙ビィーム」を聴いていただけるとより楽しめる作品になっておりますので、是非お聴きください。
「宇宙人なんているわけないじゃん」
「嘘つきだ、嘘つきだ!」
私は学校で、クラスの仲いい友達にそう言い放たれた。
先日聞いた声について、彼女たちだけに話したその矢先だった。
仲のいい友達は、仲のよかった友達になり、それ以外の子からも避けられるようになった。
それから、そのクラスではどうやら、私は宇宙人の仲間ということらしかった。
友達から避けられることは悲しかった。
けど、それよりも自分が宇宙人としてクラスに存在していることが、とても誇らしかった。
「私は宇宙人の仲間だから、宇宙人の声が聞けるんだな」と納得すらした。
あの子たちは普通の人間で、私は宇宙人の仲間なのだから、避けられても仕方ないかと思っていた。
独りには、少し慣れてしまっていた。
そんなある日、私は久しぶりにお父さんとお出掛けをした。
休日にお父さんが家にいることがほとんどないから、お父さんとのお出掛けはとても珍しい。
ドリーム、という近所のリサイクルショップへ連れて行ってくれた。
ここはソファや机、ゲーム機、おもちゃ、色んなものがお店に並んでいて楽しい気持ちになるから好きだった。
「好きなものをひとつ買ってあげるよ」
くたびれた、でも優しい笑顔でお父さんはそう言った。
私は今でも時々、その時のお父さんの笑顔が夢に出てくる。
私は、ウルトラセブンの光線銃を手に取って、お父さんに渡した。
お父さんは困惑して、「これでいいのか?」と私に何度も確認してくれた。
その度に私は大きく頷かなければならなかったから、帰る頃には首が少し痛くなってしまった。
買ってもらった光線銃を大事に抱えた私の横で、お父さんの顔は夕陽に照らされてキラキラ光っていた。
泣いてるような、笑っているような、そんな面白い顔をしていた。
運転しているお父さんはかっこよくて好きだ。
このまま、夕陽に向かって車が飛んでいかないかな、そのままずっとのぼっていって、宇宙に行けないかな、そんなことを考えながらお父さんの横顔を見ていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回の投稿は11/6(土)です。
ザベスのソロアルバム「宇宙ビィーム」に関する情報はこちらからご覧いただけます。
https://choco-bok.jkjm.jp/zabeth/