42/201
スプートニク・ショック19
結論から言うと私たちは別れることになった。具体的な理由はない。性格の不一致。方向性の違い。あえて言葉にすればそんなバンド解散のような理由だ。なんとなく軽音部っぽいな……。そんな陳腐な感想を覚える。
もちろん例の食事会がきっかけになったのだけれど、あくまでそれは引き金でしかなかったように感じる。いつかどこかで引かれるはずだった引き金がたまたまあのタイミングに引かれた。私たちの関係にはそんな時限爆弾のような必然性があったのだと思う。
歪んだ愛を育んできた彼氏と別れた。それは前向きに捉えれば抑圧からの解放と言えるかも知れない。仕方ないのだ。私は冷たい女で惣介は歪んだ男。どう足掻いたって私たちに明るい未来はない。
惣介と別れた翌日。私は軽音部を退部した。さすがに元彼と同じサークルになんて居たくない。これからの私たちの関係はもっと他人行儀なものにしたいのだ。赤の他人。たまたま大学が同じなだけの顔見知り。そんな関係に早く戻りたいと思う。
だから私は軽音部から最も遠い場所に行くことにした。物理的距離も心理的距離も遠い……。そんな場所へ――。




