59 はいっ、せーの!
残り二人にも触ると、彼らはすっかり大人しくなって、しょんぼりと座り込んだ。
「で、だ。話を聞いてほしい」
ようやく俺は城で知ったことを伝えることが出来た。初代国王が遺したノート。魔王と女神。俺が死ななくても済む可能性――
うんうんと頷きながら聞いていた三人は、話が終わった途端に揃って言った。
「なるほど……わかった。やるか」
「ええ、そういうことならどうにかできそうね」
「せやな! 女神なんぞ知らんし」
思いのほか乗り気だ! 助かった!
「どうやって女神を引きずり出すんだろうな」
「そこはほら、神官ちゃんたちがどうにかしてくれるんじゃない?」
「女神召喚魔法ってのもあるからな、最悪それで引っ張り出すこともできるで」
「あら、さっすがピットちゃん! 天才魔法使いね!」
「へへーん、せやろ~」
「戦場に引きずり出せたらこっちのものだな。あとはいくらでも」
「そうねぇ、いかようにもできるわね」
というかむしろこっちが進んで女神様を殺しに行きそうな雰囲気まであるぞ。相討ち、相討ちな? 魔王との相討ちを目指すんだぜ?
と、盛り上がっているところに、
「あ、あのう……」
「そのう……」
「すみません……」
か細く割り込んできたチビ神官たちの声。
三人がぎろりとそちらを向く。
「この期に及んで女神を死なせるわけには、とか言うんじゃないんだろうな」
「腑抜けの女神様とセイリュウちゃん、どっちのほうが大事なのかしら?」
「せやせや! 邪魔しよったら容赦せんで!」
「「いえいえいえいえ! 違うんです!」」
チビたちはぷるぷると首を振った。申し訳なさそうな顔で、体を縮こまらせて。
こいつらがこんなに神妙な顔つきになるなんて……嫌な予感がしてくる。
「実はその……」
「たいへん、申し上げにくいのですが……」
「あのですね……」
嫌な予感しかしない。いや、これはもはや予感って言うか確信だ!
そして神官どもは口を揃えて、
「女神様は」「三年前に」「お亡くなりになって……」
……。
「「はぁあああっ?!」」




