浜松町 どこの郷土料理?
メニューが読めるのに、どんな物か想像できない。
この不思議な感覚を私は楽しいと感じたのです。
友人にコミュ力のお化けみたいな人がいます。
私の自宅で忘年会など開く時に「誰か誘いたい人がいたら連れてきて」などと言っていたら、「昨日飲み屋で隣に座ってた人と話しが合って。もっと話したいので誘った」などという事がありました。
共通の知り合いで……ってつもりだったのですけどね。まぁ、面白かったのでヨシ!です。
この友人の誘いで「春の野草テンプラ会」なるものに参加したことがあります。
山にテンプラ道具一式持っていって、つくしやゼンマイ、ご近所の農家のビニールハウスからシイタケなどを採取して揚げて食べる会です。ビールが進む。
このテンプラ会に初顔合わせの人が居まして。
どういう繋がりなのか聞いてみたら、また案の定だったのですが。
この方、南米の方でムスリムでした。
素揚げは食べるんですが、なぜかテンプラは口にしない。なぜか聞いてみたら、テンプラの衣作るときにビールで粉を溶くとサクサクになると、ビール入れていたんですよ。それを知って「お酒が入っているから避けた」と言うことなんですね。
それを聞いた主催者の方は、じゃあこっちあなたたち用ね~と、水で溶いたテンプラササッと作ってくれました。
会社の同僚に、日本の豚と地元の豚は違うからセーフとトンカツ食べるムスリムとかいるので、ビールも平気なんじゃ無いかと聞いてみたら。
「神様は、日本まで見てないだろうから平気って言う人も居る。でもそれはその人の考え方。私は神様はいつも見ていると思うので、どこでも飲まないものは飲まないし、食べないものは食べない」
そしてムスリムの食事制限というかハラールという物についていろいろ教えて貰いました。ラマダンとかいう断食も日が暮れたら飲み食いOKなんだとか。
そして、「飲まないのも食べないのも、その人の自由でその人の選択。だけど、宗教的な理由でお酒をパスしたらお酒の入ってないメニューを勧めてくれる様なことするのは日本くらい。だから日本にすんじゃった」との事。
リップサービスもあるだろうけど、宗教と戒律、個人の判断と、お持てなし精神と、おばちゃん的これ食べなよムーブについていろいろと面白い話ができました。
あ、私は産地直送の春の野草テンプラに加えて豚肉モリモリ食べてました。
「農家の言う「採れたて」はレベルが違いますね」
「それ、スーパーで買った豚肉だけどね」
なんていう酔っ払いの会話もありまして。
さて、ここから本番ですが。この方が飲食店をやっていると言うことでショップカード頂いたので行ってきました。
コートジボアールの郷土料理。
どこ? 歴史でも世界史でもあまり触れない国じゃなかろうか。
やたら細長いチリという国の隣あたりでした。
まず驚いたのが、メニューが読めない。
読めるけど理解できない。なんなの、エグシのフーフーって。
「すみません、これって何ですが?」
「エグシを……フーフーにしたもの」
うん、わからん。
いろいろ行ったお店の中で、最も異世界感を感じたのがここです。
話を聞き込むと、エグシ豆という豆を使った煮込みスープなようです。
他のメニューもどんな料理法なのか、材料はなんなのか、判らない。
これは楽しい!
そう思ったのは私だけ。だだ下がるテンションの中、サラダと焼き物とスープと一通り注文しました。ビールも読めないビールですが、これはまぁわかる。
フーフーも食べてみると山盛りのマッシュポテトに辛くないカレーかけたような、なかなか美味しいメニューでした。他のフーフーも食べたい。
そして一番の目玉。ワニの串焼きハバネロソース掛け。
ワニ堅い! ワニ白身! ワニ淡泊!
ぶっちゃけ、おいしくない。
店員さんにいろいろ聞いてみると、面白い話が聞けました。
「ウチの国、ワニ居ないけどね」と。
「郷土料理だったんじゃないの?」
「日本人のお客さん、変わったメニュー無いのってみんな言うから、オーストラリアから仕入れた。カンガルーもあるよ?」
日本人を代表しまして、申し訳ございません。
でも、違うそうじゃないとも思いました。
その郷土料理の中で、日本では珍しいものある?って、みんな聞いてたと思うの。
でも、これもまた、お持てなし。
なお、「チリ」だと、思っていたけど
地図見たらコートジボアールの隣はマリでした。
南米じゃなくて南アフリカですね。