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人はそれをうつけと言う

作者: 篠原司

欲しいものがあった

だから左足を捨てた

でもそれだけじゃ足りなくて

右足も渡した

それでもまだ足りなくて

今度は左手を失った


そうまでして望んだのに

まだ足りないと突き放された

だから残った右手も差し出した


やっと近づいたそれを前に

もう掴む為の手がないことに気がついた


人は言う

お前は莫迦だと

本末転倒もいいところだと


その通りだと思った

へこんだ 嘆いた 絶望した


でも

ふと気付いた

やる前に諦められるのなら、所詮はその程度のものなのだと


やってする後悔と、やらずにする後悔

人はいつだって前者を称賛するくせに

決まって後者を選択する



欲しいものがあった

だから左足を捨てた

でもそれだけじゃ足りなくて

右足も渡した

それでもまだ足りなくて

今度は左手を失った


そうまでして望んだのに

まだ足りないと突き放された

だから残った右手も差し出した


やっと近づいたそれを前に

もう掴む為の手がないことに気がついた


これは愚行ではなくて

だからといって快挙でもない

ただ、それしか手段を思いつけなかっただけ


人は言う

お前は莫迦だと

本末転倒もいいところだと


その通りだと思う

僕は莫迦で、無謀で、考えなしだ


でも

これが僕なのだと、声を大にして言ってやりたい


やってする後悔と、やらずにする後悔

人はいつだって前者を称賛して

決まって後者を選択する


僕は、やって後悔したのだと

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