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TAKE TIME WORLD  作者: areafa krain
14/20

第14部

42編

しばらくして胡桃ちゃん達が

中級ボス討伐に成功した事を耳にした。

俺は飛び上がるほど嬉しかったが、

自分にまだ喜ぶのは早いと言い聞かせた。

だから、未来の世界で麗華ちゃんが

一人で居るのを見た時は本当に驚いた。


俺の予測は苗字とキーパーソンに

関係があると思っていたが、

どうやらもう一つ要因があった様だ。

それは未来のキーパーソンである

麗華ちゃんの場合は未来に悩みや問題を

抱えて苦しんでいるという事だ。

幸いにも事前に

未来の彼女達に接触しており、

それぞれの居場所は知っていたので、

俺は美春ちゃんに麗華ちゃんの悩みを

解決してくれる事を託したのであった。

美春ちゃんを選んだのは彼女の底抜けの

明るさで麗華ちゃんの悩みを

吹っ飛ばしてくれ、

かつお母さんになっていたからだ。


しかし、俺のサポートは

あまり効き目が無かった。

結局未来の魔王幹部に

捕まって攻撃されたが、

彼女は俺の心配をよそに自分の力で

彼女の心に合った

劣等感を打ち破ったのだ。

これには俺も感嘆した。


その後も雷太くんや美春ちゃん、

胡桃ちゃんが見事に自分の悩みを

解決して魔王幹部討伐に

成功した事を知った。

俺は彼女達が戦う度に

(たくま)しくなっていく姿に

親心の様な気持ちで

嬉しくも暖かい目で見る様になった。


しかし、俺が散々苦戦したラスボスとの

戦いが彼女達には最後の難関として

立ちはだかっているのであった。

ラスボスは俺の時は攻撃パターンとして、

過去のラスボスは攻撃力が高く、

何度も瀕死になりかけて

回復が追いつかなくなる事もあったし、

未来のラスボスは逆に

魔法攻撃を連発してきて

何度も吹っ飛ばされた。

火魔法は燃えるような暑さだったし、

風魔法はそのまま身体ごと

吹き飛ばされるかと

思うぐらい強い物だった。

一番厄介だった現在のラスボスは

物理防御力も魔法防御力も高くて、

まるで歯が立たなかった。

その上、素早く攻撃と魔法攻撃を

連発してくるので避けるだけで必死だった。


俺の十数年かけて準備してきた

入念な調査によると、

ラスボスの攻撃パターンや

弱点は変わっていないらしい。

しかし、今回はモンスターが

強敵化していることや

俺の時の様に一人で万能な力が

あるわけでも無いので、

それぞれの得意分野を

活かした連携プレーが必要だろう。

勿論、俺が助言する事は簡単だが言うのと

実際にやるのとはまるで違うのだ。

彼女達がその事に気付いて

いかに早く連携プレーが

出来る様になるかが見物である。


43編

私達は遂に全ての

魔王幹部討伐に成功した。

「やったー!後はラスボス達だけだよ!」

「ラスボス達だけって…。

それが一番厄介だろ。」

「そうよ!今までよりも格段に強いわよ?」

「そうだね。油断は禁物だと思う。

事前にラスボス達の攻撃パターンや弱点を

把握しておかないとちょっとやそっとじゃ

勝てないし、簡単に壊滅すると思うんだ。」


「流石は胡桃ちゃん。

もうそこまで気付いたか。」

(この声は…。)

「時生さん‼︎‼︎」

「久しぶりだねぇ。

胡桃ちゃんの言う通りさ。

ラスボス達は俺の時に戦った時は

尋常じゃなく強かった。

俺の今のレベルでやっと

倒せたくらいだからね。

勿論、情報は提供するさ。

それを活かすも殺すも君達次第だね。 

それに今回の戦いは

今まで通りの戦い方じゃ到底勝てっこ無い。

一筋縄ではいかない戦いだ。」


「時生さん、いつもありがとうございます。

今まで通りの戦い方じゃ駄目という事は

どういう事ですか?」

「それは君達がこれから 

ラスボス討伐に向けて

強くなっていくにつれて、

分かっていく事さ。

逆にこの事に気付かなければ

そこで君達は死ぬ事になるだろう。」

(そこまで厳しい戦いになるとは…。

私達に出来るのだろうか。)

「不安かい?

でも、困難を乗り越えた君達なら

出来るはずさ。健闘を祈っているよ。」

そうして、時生さんはありとあらゆる情報を

惜しみなく教えてくれて去っていった。


「時生さんって何者なんだろうな。」

「いつも突然現れて突然去っていくよね。」

「でも、私達がいつも困ってる時に

来てくれるわよね。本当に良い人よ。」

「麗華が人を褒めるなんて珍しいよね。

もしかして…。」

「なっ!何も無いわよ!

でも感謝はしているわ。

貴方達だって同じでしょ?」

「まあな。時々厳しい時もあるけど 

何だかんだ俺達の事見ててくれるもんな。」


「胡桃ちゃん、ラスボスの情報

貰ったんでしょ?皆で共有しようよ。」

「えーと。過去のラスボスは攻撃力が高く、

何度も瀕死になりかけて回復が

追いつかなくなる事もあっただって。

未来のラスボスは逆に魔法攻撃を

連発してきて何度も吹っ飛ばされた。

火魔法は燃えるような暑さだったし、 

風魔法はそのまま身体ごと

吹き飛ばされるかと思うぐらい 

強い物だったらしいよ。

一番厄介だった現在のラスボスは 

物理防御力も魔法防御力も高くて、

まるで歯が立たなかった。 

その上、素早く攻撃と魔法攻撃を

連発してくるので避けるだけで

必死だったって。」


「…。。。」

「皆どうしたの?黙り込んじゃって。」

「いや、時生さんでも苦戦したのに

俺達なんかで勝てんのかなって。」

「今の私達のレベルや

実力じゃ即死だよね…。」

「私達はまだまだ

強くならなきゃいけないって事ね。」

「とりあえず俺達のレベルは

今、50過ぎだから最低でも

60〜70は必要だろうな。」

「でも時生さんの時より

強くなっているって言ってなかったっけ?

それならレベル80は欲しいかもよ?」

「はー。果てしないレベル上げの日々ね。」

「地道にやってくしかないよ。

ラスボスを倒したら

私達の街は平和になると信じて

頑張ってやって行こうよ。」

「そうだな。それしか無いよな。」

「はーい。頑張るぅ。」

「全く仕方ないわね…。」

こうして私達のさらなる強化への道のりは

長い長い物となるのであった。


44編

「デビルズクライ!」

「地割れ!」

百花繚乱(ひゃっかりょうらん)!」

「フォーアトリビュート

五連撃からの回転斬り!」

「グギャァァァァァ!」


「ふぅ…。今ので100体目かー。」

「やっとレベル60くらいになったね。」

「何か今の技だけじゃラスボス討伐の

決め手に欠けるよな。」

「確かにスキルは色々習得してるけど、

必殺技みたいなのは

まだ習得してないわよね。」

「うーん。今までの個人だけの攻撃じゃ

通用しない相手も居るかもね。」

「胡桃ちゃん、どういう事?」


「合体技とか習得したら良いんじゃ無い?

相性の良い技同士を同時に発して技を

融合させるみたいな感じかな。」

「技を合体かー。

どんな技と相性が良いんだろう?」

「色々試してみようか。

皆が習得してる技ってどんな感じだっけ?

私はファイアソード、アクアソード、

ウインドソード、アースソード、

フォーアトリビュート、五連撃、

突き、回転斬り、ジャンプ斬りかなー。」

「俺は()ぎ倒し、地割れ、仁王立ち、

アイアンボディだな。」

「私はアンデットカース、リバイブ、

スモールヒール、ノーマルヒール、

ラージヒール、デビルズクライかな。」

「私は癒しの舞、不動の舞、

花鳥風月、演舞爛漫(えんぶらんまん)百花繚乱(ひゃっかりょうらん)ね。」


「何か俺だけ技が少ないような…。」

「これから強い技覚えるんだよ!多分…。」

「多分かよ…。とりあえず片っ端から

試してみよーぜ。」

私達は合体技を完成させる為に片っ端から

技の組み合わせを試し続けた。


「仁王立ちからのアイアンボディ!今だ!」

百花繚乱(ひゃっかりょうらん)!」

「おおー。俺が敵を大勢引き付けてる内に

麗華が敵を一層か。」

「これは集団で来る敵に

効果がありそうね。」

「私達も行くよー!デビルズクライ!」

「フォーアトリビュート五連撃!」

「やったー!防御力が高いモンスターを

一撃で倒せたよ!」


「いいねー!やっぱり合体技は強いなー。

色々試すのも良いけど、ラスボスの攻撃

パターンと弱点を頭に入れて合体技を

作ってみるのも良いかもね。」

「過去のラスボスは攻撃力が高いから、

雷太の防御力が必須になってきそうだね。

後は物理防御力は強いけど

魔法防御力が弱いから

美春もキーパソンになりそうかな。」

「じゃあ仁王立ちからのアイアンボディで、

美春がデビルズクライとかこれから習得する

魔法攻撃で合体技を作るのはどうだ?」

「お兄ちゃん、良いね!似たような

モンスターで早速試してみようよ!」


「仁王立ちからのアイアンボディ!」

「デビルズクライ!うーん…。一撃では

倒せないね。やっぱり私の魔法攻撃技が

増えないとダメかなぁ。」

「その内レベルが上がると、

使える技も増えるさ。」

「だと良いんだけどー。」

「じゃあ今度は未来のラスボスだね。

未来のラスボスは魔法攻撃を

連発してくるから、

魔法防御力が強い私と麗華が出番かな。

物理防御力も弱いらしいよ。」

「それなら私の状態異常で足止めしてる内に

胡桃が攻撃を連発すれば

良いんじゃ無いかしら。」

「それは良い提案だね!

試してみようか。」


演舞爛漫(えんぶらんまん)からの不動の舞!」

「フォーアトリビュートソード

五連撃からの回転斬り!」

「結構イケるわね。」

「この作戦は良さそうだね。

問題は現在のラスボスか…。

最大の難関だね。」

私達は現在のラスボスの攻略方法を

(ひね)り出そうとしていた。

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