今度は私の番
「床が光れば転移の合図です」の続編です。
「はあ、本当に貧乏くじを引いてしまった」
今日もケガ人に手をかざし、治療を施す私の後ろに立つと、端正な顔立ちの金髪の青年が額に手を当て、わざとらしく首を大きく横に振る。
振り返らずともそれが分かり、イラッとする。
「治療しかできない。しかも一人ずつ。非効率だ。あの女のように広範囲に魔法が使えれば、一度で済むというのに」
「だったら自分で一度に治療すれば?」
「は? 自ら聖女の役割を放り出すとでも言うのか? お前に我らへの忠誠心はないのか⁉」
そんなのある訳ないでしょう。
そう言いたいが、ぐっと堪える。
そう答えればこいつらに、どんな報復をされるか分かったものじゃない。口答えすれば、地味な嫌がらせを受けることになるのは、もう分かっている。
前回はトイレを利用しようとすれば、誰かが先に飛びこみ使えず、城内を走り回ることになった。ギリギリセーフで惨事は免れたけれど、一歩間違えれば一生の恥となる所だった。
そんな地味だけど確実なダメージを与える嫌がらせをしてくるので、最近は口答えをしないようにしている。
「まったく……。そんなに文句を言うなら、住まいを使用人部屋に移動させるぞ」
エミコ先輩が聖女として覚醒した話を聞いた数日後、私はそれまで与えられていた豪華絢爛な部屋から、半分ほどの広さとなった部屋へ引っ越しとなった。
それでも一流ホテルのスイートルームかと言うほど豪華だったけれど、なにかあるたび、さらに半分狭くなった部屋へ移され、どんどんグレードが下がっている。
まあそれでも十分すぎるほど広い部屋だし、ベッドもふかふかだし。天蓋は邪魔だったから、むしろ無くなってスッキリしているし。今の部屋でも文句はない。むしろ実家の部屋より広くて素敵だもの。これで十分よ。
だけどさあ。ケガの治療ができる治癒魔法を使えるのは、城内に……。いや、この国内では私だけなのよ?
それなのに自分たちで追い出しておきながら、エミコ先輩を残して、私を追い出しておけば良かったとか言うなんて、どれだけ自分勝手な奴らなのよ! ああ、腹がたつ!
しかも人を勝手に異世界へ召喚し、ケガ人の治療をしろと命令して、一体何様な訳? 一生家族とも会えなくさせておいて、ちょっと酷くない? 逆にあんたたちが私に忠誠心や感謝を示しなさいよね!
「本日のお食事でございます」
最初は食べきれないほど並んでいた料理も、今は適量。いや、むしろ少し物足りないほどになった。
思えば戦争中なのに、食べきれないほど料理を並べるのがおかしい。いまだに国王や王子たちは食べきれないほど食卓に料理を並べ、残しているし。いくら戦地から離れた場所とはいえ、戦地近くでは食う物に困っている人もいると聞くのに……。やっぱりこの国の王族は、ヘンだ。もっと国民のことを考えろ。
労働の対価として、今日も私は料理を残さず平らげた。
先輩がいたころはちやほやしてくれた王子たちも、最近は私を見下す言動ばかり。貢物もなくなった。すっかり『聖女』の私が治療するのが当たり前。
『聖女』なんて特別な呼び方をしておきながら、結局は王の部下の一人として扱われている日々。
「……先輩が羨ましい」
ベッドの上、枕に顔を沈め呟く。
この国では聖女として覚醒しなかった、私と一緒にこの世界へ召喚された会社の先輩エミコさんは、今は別の国の城で楽しく暮らしている。しかも護衛付きとはいえ、町へ出かけることも許可されている。
町の人たちも先輩へ感謝の心を持って接し、良い人間関係を築けているようだし……。絶対あっちの国の方が、こっちの国より素敵。
そんな先輩の使う魔法は音楽魔法と呼ばれ、歌うことでその曲に合ったテーマの魔法が発動し、その効果範囲は国全体にまで及ぶことがある。ただし一日中魔力が尽きることがない私と違い、一日三曲までと限定だけど。
一体どちらが聖女として優秀なのか。
そんなことは分からない。
だけど私がいるこの国では、優秀なのはエミコ先輩だと思われている。
◇◇◇◇◇
「なんだ、結局商売は上手くいかなかったのか」
「はい。聖女エミコが働いた店として宣伝しましたが、両親が彼女を邪険に扱っていたらしく……。その噂が広まり、逆に窓ガラスが割られたり、ボヤ騒ぎが起きたり、風評被害にも合い、店を畳むことになりそうです」
この城内で、数少ない私をまともに扱ってくれる彼が寂しそうに、同僚へそう語っている。
風評被害ねえ……。その噂もどうせ、半分くらいは真実じゃないの?
こんな王族が君臨している国だからか、民も似たような者が多いし。
軽傷なのに自分を先に治療しろと叫んだり、治癒されても後回しにしやがって、恨んでやるからな。とか文句を言われたりすることは当たり前。素直に『ありがとう』と言ってくれる人の方が少ない。
「聖女エミコを、読み書き計算もできないバカ女と罵っていた姿を、近所の人や客が大勢見ていましたし……。自分の両親ながら、情けない……。この世界の常識を知らない人なので、その点も教えるよう頼んでおいたのに。世界が違えば文字や常識も異なると、なぜ理解してあげなかったのやら……」
ケガ人を治療しながら、聞こえてきた会話で気がつく。
そうだ、私もこの世界の常識を知らない。
この世界に召喚されてから一度も城外へ出たことがないし、なにも教わっていない。もし追い出されたら……。
生きていけない。
◇◇◇◇◇
「これは要求よ! 聖女の力を欲するのなら、私にこの世界についての知識を与えなさい! この要求を呑んでくれないのなら、私は今日、ケガ人の治療を拒否する!」
毎朝迎えに来る城仕えの男に腕を組み、仁王立ちで告げる。
男はすぐに上の者へ報告を行ってくれた。
「話は聞きました。どうぞこちらへ」
それから珍しく王子が恭しい態度で現れると、広い城内を歩かされる。
「ねえ、どこへ連れて行くの?」
「………………」
前を歩く王子は答えない。
急に不安になってきた。要求したことで彼らを怒らせ、新しい嫌がらせを受けるのかもしれない。それとも本当に使用人部屋へ引っ越しとか?
「どうぞ」
木製の扉の前に立たされ、開けるように促される。
恐る恐る王子を見ると、最初の頃のように優しい笑みを浮かべてくれる。
それでも不安は拭えず警戒しながら、ゆっくりと取手を持つと回し、扉を開く。途端に眩い光が入ってきて、目を細めた瞬間……。
どん!
背中を蹴られ、扉の向こうへ私は倒れた。
「な……っ⁉」
倒れたまま振り向くと、王子がまさに上げた足を下ろしている所で、私を見るその目はとても冷たかった。
「役割を果たそうとしない奴など必要ない。どこへでも好きな所へ行け」
そう言って扉は閉められた。
見れば扉は壁と繋がっており、左右は永遠に続くかと思われるほど長く続いている。向かいは森なのか、沢山の木が生えているだけ。
城から追い出された……。
顔を青くしながら立ち上がると、慌てて何度も扉を叩きながら叫ぶ。
「ね、ねえ! もうなにも要求しないから! ちゃんとケガ人の治療も行うから! だから中に入れて! こんな所にほっぽり出されても、私、生きていけない! 死んじゃうじゃない!」
返事はなかった。
どれくらいの時間繰り返したか分からない。叫び続け、咳が出てきた。喉も乾いたが、水はない。せめて木々の葉に露でもついていれば、それで喉を潤おせたのに……。
扉を背に、ずるずるとその場に座りこむ。
……どうしよう。どうやってこの世界で生きていけばいいのか分からない。先輩に助けを求めたいけれど、通信道具は室内にあり、今は手元にない。どこに行けば通信道具があるのかも、分からない。
詰んだと思ったその時、地面が光り始めた。
この光……! 先輩とこの世界へ召喚された時と同じ、あの光……!
追い出されたことで、私も先輩のように別の国へ召喚されるのかもしれない! なら先輩のように、いい国へ行けますように!
祈りながら、ぱかん! と開いた地面に落とされ尻餅をついたその国は、戦争相手の隣国だった。
密偵を放っている隣国は、すぐに私が誰なのか分かったらしく、名前を呼ばれた。
「聖女リサ⁉」
驚きながらも私を召喚できたことで、隣国の人たちは喜んだ。
「これでケガ人の治療ができなくなり、あちらの兵士は戦場に復帰するのに日数がかかることになる。これを機に攻めるぞ!」
士気を高めた彼らは、雄叫びをあげる。
それから始まった隣国での生活も、結局はケガ人の治療ばかり。
ただ最初の国と違い、文句を言われることはない。それだけでも心の負担は減った。
だけど不満がある。始終護衛や控えの者がついていることだ。
「え? それで今は戦争相手の国にいるの?」
エミコ先輩に連絡を取れば驚かれた。
「そうなんですよー。やっぱりあの国、酷いですよ。ちょっと要求しただけで追い出すんですから。本当、自分勝手ですよねぇ。だから私、今いる国に協力すると決めたんです! ぎったんぎったんのボロボロにしてくれと、王様にも頼んだんですよぉ」
こうやってエミコ先輩と話している時も、常に誰かが側にいて話を聞かれている。まあ別に聞かれて困る話はしないけれど、落ちつかない。
一人になれるのはトイレのみ。だけどある程度の時間こもっていれば、すぐにドアをノックされ、所在を確かめられる。とにかく落ちつくことができない。
トイレタイムくらい、放っておいてほしい。音も聞かれたくないし、臭いだって……。文句は言わないけれど、女心が分からない国の人たちで残念な面があり、改善してほしい。
戦争が終結に向かいそうだと聞いたころ、久しぶりにエミコ先輩と連絡を取った。
先輩は風邪をひいているのかマスクをし、この日は筆談だった。
こちらの国へ来てから、やっと私も文字の読み書きを教えてもらえているから読めるけれど、なんでこっちの世界の文字? 先輩、日本語を忘れたの?
そう突っ込もうとした時、気がついた。
所々文章だけでなくイラストも描かれているが、そこに日本語が書かれていることに。
『戦争が終われば、すぐに逃げろ』
声へ出さずに読む。
時々こほこほと先輩は喉を鳴らすが、いかにも嘘っぽい咳だ。
逃げろって、どういう意味……?
「や、やだなー、先輩。私まだこの世界の文字、全部は分からないんですよぉ。だから日本語で書いてくれると嬉しいかなー、なんて……」
瞬間、通信が切れた。
なぜ⁉
見れば私の側に控えていた人が、通信を切っていた。
「聖女エミコはお体が優れないようなので、長く付きあわせては良くないでしょう。控えるべきです」
正論だ。
だけど先輩からの逃げろというメッセージを思うと、この発言には他の意味が含まれているようで、怖くなった。
先輩は逃げろと言うけれど、始終護衛や控えがついているのに、どうやって?
恐怖と不安に襲われながら、ついに戦争は終結した。最初に私たちを召喚した国が負けたのだ。
「……貴様! 衣食住の恩を忘れ、敵に寝返っていたのか!」
連行されてきた王子が私を見るなり、そんなことを言う。
はあ? 自分で蹴っ飛ばして追い出しておきながら、なに言ってんの、コイツ。あいかわらず理解できない。
「ほんのちょっと反省させるつもりが、まさか逆手に取り、寝首を掻くとはな! それでも聖女か‼」
「どこへでも好きな所へ行けと言ったのは、アンタじゃない!」
堪らず言い返す。
「聖女リサから聞いている。ただ治癒魔法を使わせるだけで、この世界についてなにも教えていなかったそうだな。その上で追い出すとは、死ねと言っているも同然だぞ。自分たちで召喚しておきながら、神に使わされた者を無下に扱うとは……。そんな国だから、滅びるのだよ」
玉座にゆったりと腰を下ろしている王様は、勝ち誇ったように言う。対する王子は悔しそうに口元を歪める。
多分負けたことが悔しいだけで、私に対しては反省していないんだろうなぁ。そんなことをぼんやり思っていると、王子の口から驚きの発言が飛び出した。
「聖女についてお前らにとやかく言われたくない! この人肉者どもめが!」
「え?」
思わず、間の抜けた声を出す。
今この王子、なんて言った……? 人肉者? それってつまり、人間が人間を食うということ……?
「聖女の血肉を食らえば、強大な力を入手できると迷信を信じている愚か者どもめが! 直にお前らも滅ぶだろう! この野蛮人どもめ!」
なにを、言って、いるの……?
体が震えだす。
先輩が言っていた、戦争が終われば逃げろという意味は、これなの? 戦争が終われば聖女は必要なくなるから、その血肉を食らうと言うの……? それって私が今から殺されて、食われるということ……?
その場にいた勝者国の全員が、無感情な目を私に向けてきた。
びくりと、体を大きく震わす。
聖女だから守られ護衛がつけられていたのではない。私が逃げ出さないよう、監視していたんだ。だからあの時、先輩が紙に書いてなにかを私に伝えようとしたと察し、通信を切ったんだ。
じり、じり……。
視線から逃げようと後退すれば、とんと、なにかに背中が当たった。
恐る恐る振り向くと、そこには私の頭一つ分以上も身長がある護衛騎士という名の監視人が立っていた。
彼もまた感情のない目で、私を見下ろしている。
騎士というだけあり帯刀しており、まだ抜刀されていないそれを見て、叫ぶ。
「ひ……っ」
あまりの恐怖に腰が抜けてしまった。
「……戦争に勝利した今、聖女の魔法は必要ない」
玉座から王が放つ言葉が広間に響く。
それを聞き、自然と嗚咽を私は漏らし始めた。
「今度はその力、別の形で我々のために使わせてもらおう」
息を荒げ呼吸を乱す私に、監視人が大きな手を伸ばしてくる。
捕まったら殺される! 食べられる! 逃げなくてはと思うのに、体が恐怖でちっとも動かない! 嫌だ! 勝手に召喚されて、好き勝手に国の都合や感情に振り回されて、挙句に殺されて食べられるなんて、絶対に嫌だ!
その時、床がまた光り始めた。
「しまった‼」
誰かの叫び声が聞こえると同時に、床がぱかん! と割れ、私は落ちた。
◇◇◇◇◇
「間に合いましたか……」
大きく肩を揺らす青年が、尻餅をついた私を見下ろしていた。
「聖女エミコに連絡を! 聖女リサを無事救出できたと!」
老けた男性が叫ぶ。
ここは一体……?
よろよろと立ち上がろうとすれば、青年が手を貸してくれる。
「安心して下さい。ここは聖女エミコが暮らす国の同盟国の城内です。貴女を新しく召喚した国の迷信を知った聖女エミコが、同盟国に貴女の救出を願い出たのです。上手くいくかは賭けでしたが、助けることができ、本当に良かった」
「先輩が……?」
「リサ‼」
すぐに通信道具が運んでこられ、そこにエミコ先輩が映しだされていた。
「良かった、無事で……」
目を潤ませながら先輩は言う。
それを見て、本当に助かったんだと実感が湧く。そして床にへたりこむと、また泣き始めた。
怖かった……。本当に怖かった……。本当に私、殺されるかと思った……。
二度目に召喚された国に、聖女の血肉を食らえば強大な力が宿るという迷信があると知った先輩は、すぐに動いてくれたそうだ。
聖女は一度召喚されると、その国に必要ないと言われるまで、その国に縛り付けられ、別の国に召喚されることはない。
だからあの国が私を必要ないと言うのは賭けだったそうだが、頼みこんだ同盟国が、戦争が終結したと一報が飛びこんできた時からずっと、私を召喚するよう術を展開していたそうだ。
そして落ちたのが、三度目のこの国。
「こう言ってはなんですが、現在我が国は特に聖女を必要とする事態にはなっておりません。貴女が治癒魔法を使えば医師の仕事が減り、彼らの生活に支障が出るでしょう。ですから不測の事態が発生した時のみ、貴女の力をお借りしたい」
「はあ……」
命が助かったのだ、文句はない。
『聖女』ということで他国の者から狙われる危険性があるので、私は騎士団団長の家へ養子として迎えられた。
その家は男系家族で、義母となった奥様と数人の女中以外女性はおらず、三人の息子を含め使用人も誰もが筋肉を鍛え、常に誰かが家に滞在し私を守ってくれている。
「リサの力を使わないことが、その国では幸せを意味していると思うわ」
通信道具の向こうの先輩に言われ、そうかもしれないと思う。
私の治癒魔法が必要な時は、それだけケガ人が多く発生した時だから。そんな事態、起きない方がいい。
あれから例のカニバリズムの国は、私を返せと騒いだ。
先輩の時もだけれど、どうして自分たちで必要ないと言っておきながら返せと騒ぐのか、理解不能。
だが多くの国が、迷信から神が遣わせた聖女を食らうとは、神に対する侮辱だと声を上げ反対してくれた。
しかも迷信で、確証はないらしい。
それを指摘すれば、それを確かめるためにも食らいたいと言い出し、他国を唖然とさせ、より非難が集中することになった。
そして制裁措置として輸入等の取引を各国が停止したりし、戦には勝利したものの、カニバリズムの国はダメージを食らうことになった。
エミコ先輩は過去、プラシーボ効果で力を得た人がいたのではないかと推論する。そうであってほしいし、今後それを確かめようとしないでほしい。というか、人間が人間を食べないでほしい。
結局周辺国からの痛めつけにより私を諦めたカニバリズムの国は、敗戦国を手中に治め、それで満足する道を選んだ。勝っても周りから疎外されれば、国として弱体化するという知恵はあったようだ。
そして先輩と私を最初に召喚した国は滅び、王族は皆、処刑された。
実際に処刑された場面を見た訳ではない。滞在終盤は剣呑な空気となっていたし……。それでも同じ城内で暮らしていた人たちが亡くなったと思うと、なんだか胸にポカリと穴が開いた気分。
そんな時はいつも、最初の頃の優しくしてくれた彼らの姿が思い浮かぶ。
「大変です! 火事が発生し、火傷を負った者が多数! 至急聖女様のお力をお貸し願いたい!」
「分かりました!」
迎えに来た騎士と義理の弟と一緒に、屋敷を飛び出す。
この力は私の命を救ってくれた、この国へ捧げよう。
そして私がしてもらったように、誰かの命を救うため、私は全力で駆けた。
お読み下さり、ありがとうございます。
もともと続編は考えておりませんでしたが、嬉しいことに続編希望の感想を頂け、ちょっと考えてみるか。
と思ったら、意外とすぐ浮かびました。
リサも三度目で、やっと平和に暮らせる訳ですが……。
ちょっとお調子者な面もあるので、二度目のカニバリな国の王様へお願いしたり、あらら、な点もある子です。
ちなみにカニバリな考えは、聖女に対してだけで、普段からではありません。
ただ昔からそういう迷信を信じていると有名な国、という設定です。