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1-3

「弾種、徹甲装填!」


「徹甲装填よし!」


「フォイアー!」


ティーガーⅡの88mm砲が火を吹き、砲弾がⅢ号戦車の車体側面を貫いた。Ⅲ号戦車は轟音と共に炎上した。その直後、後方から砲撃音共に爆発音がした。見ると炎上したティーガーⅠがいた。


「エンドラー、お前狙われてたぞ」


ウィットナーの声がヘッドフォン越しに聞こえた。


「ありがとうございます」


「副隊長がやられたらなんにもならんぞ」


「じゃあ、隊長はやられてもいいんすか?」


ウィットナーの言葉にマーズと思わしき人物が言った。


「んでそうなんだよ」


「だってそんな感じの言い方だったから」


「んな訳あるか!」


「とりあえず今は戦いましょうよ。 車体前方機銃掃射」


エンドラーは二人にそう言うとすぐに自車の通信手に言った。ティーガーⅡの車体前方機銃が火を吹き、敵歩兵に銃弾を浴びせた。さらに後ろから砲弾が飛んで来て土嚢で作られた防衛陣地を吹き飛ばした。ティーガーⅡは速力を緩めることなく入り口に置かれた75mm対戦車砲を踏み潰しながら村に入った。入るとすぐにエンドラーとウィットナーは左右に分かれ、後に続いて来た兵員輸送車 ハノマークも左右に分かれ歩兵を降ろした。


「エンドラー、そっちは頼んだ」


「了解!」


「ケイ曹長、そっちの小隊を2つに分けて俺とエンドラーの方にやってくれ」


ウィットナーは歩兵隊の援護に当たっていたエンジェルスの隊長 ケイラー・ワイナーズ部隊最先任上級曹長に言った。ケイは愛称で、ケイラーはアメリカ軍の女性戦車長である。


「オッケー。少尉には私とライザーが着くね、副隊長さんには残りの2両が」


ケイラーはウィットナーとエンドラーに報告しながら自分の小隊に指示を出した。ウィットナーがそれを聞いていると


「おっと、おいでなすった」


マーズが言った。ウィットナーがペリスコープ越しに前を見ると正面から戦車が現れた。


「徹甲弾装填・・・ ぐっ!」


ウィットナーが言い終わると同時に車体を衝撃が襲った。正面の戦車 Ⅳ号戦車が彼らに向かって砲撃をしてきたのだ。Ⅳ号戦車は砲身が長砲身だった。そのためF2型以降の型であることがわかった。Ⅳ号戦車は初期型からF型までが短砲身だったがF2型から長砲身になった。しかし、破壊力が上がった長砲身75mm砲でも厚さ100mmもあるティーガーⅠの車体前面は貫けなかった。


「この距離なら貫かれることはない、大丈夫だ!」


「装填よし!」


「撃てぇぇ!」


放たれた88mm弾砲弾はⅣ号戦車の車体前面を貫きⅢ炎上した。ティーガーⅠの88mm砲 アハトアハトは2000mから約100mmの装甲を貫ける。厚さ100mmもないⅣ号戦車の車体前面装甲は簡単に貫くことができる。


「このまま前進だ。」


ウィットナーのティーガーⅠとエンジェルスの2両は先程撃破したⅣ号戦車の脇を通り、村の奥へと進んで行く。

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