第27話 「1万円」の満足度 解説つき
【まとめ】仕事の姿勢を見ている人は見てる
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ケンタは、図柄デザインの製作であらためて事前説明と契約条件の重要性を学んだ。
サービスだから適当に、ではなくサービスだからこそ見直し回数や時間上限について数字で決めておく必要がある。(※1)
ケンタは翌日、気を取り直すと残りの作業に臨むことにした。
住所データの印刷と、年賀状図柄データの印刷である。
年賀状図柄の印刷については、1時間もかからずに終わった。
家庭用プリンターにセットして印刷するだけだからだ。
最後に住所データを印刷しようとして、ケンタはエクセルにデータをコピーして
年賀状アプリにデータを入れようとして戸惑うことになった。
「CSVシーエスブイってなんだ?」
年賀状アプリはエクセルデータを取り込む際にCSV形式で取り込む必要がある。
しかしケンタはエクセルについては情報の授業で習ったので知っていたが
シーエスブイとやらについては、全く知らなかった。
知らないことは、ググればいい。
ケンタの世代は大体そうしている。
その行動方針には、良い点もあれば悪い手もあるのだが、
情報関係の知識については、ググればいい、は大体正しい。
郵便年賀状のサイトや、各種まとめサイトに年賀状のデータを移すやり方について、親切に教えてくれているところも多い。
ケンタは他のサイトを見ながら見よう見まねでデータを移すことに成功した。
ケンタは意識していなかったが、ケンタがブツブツ言いながら難しげな操作を
して何やらしているのを、両親は少し感心しながら眺めている。
ケンタがやったように見よう見まねで何となくネット情報を活用する、という
ことが高齢者世代には苦手である。
PCを正しい知識に基づいて正確な操作で動かさないと、何やら大変なことが起きる、という認識があるらしい。
ケンタは、そのあたり実にいい加減で、失敗したらやり直せばいいし、何かあったら再起動すればいい、としか思っていない。
このネットやITに対する皮膚感覚の差が、今回のケンタの「1万円」の仕事の価値の源泉なのかもしれなかった。(※2)
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【解説】
※1)どの程度までサービスを行うか。会社では契約書の中に項目で決めています。
「SLA」と呼ばれることもあります。
※2)価値は何から生まれるのか。ケンタはITをどのぐらい使いこなせるのか
肌感覚の差で価値を生み出していた、と言えそうです。




