第15話 転んでもただでは起きずに「1万円」を稼ぎたい 解説つき
【まとめ】契約は大事!
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ケンタは、母の失敗から事前説明と契約の重要性を学んだ。
人の心は移ろいやすく、お金が絡むと人情は簡単に忘れさられる。
それに自分に交渉力がないのもいけなかった。(※1)
学費、クリスマス、正月の小遣いと、親から見ると出費の続くイベントの最中に、更なる小遣いが欲しいとの要求が通る可能性は低かったのだ。
ケンタは考える。そもそも、自分は交渉や言い方を考えていなかった。(※2)
お金が節約できるんだから、いいじゃないか。という気持ちが発言に表れていたのを母は敏感に察したのだろう。
小遣いが欲しい、と言い分はいかにも幼なかった。
将来に備えてビジネスの経験を積みたい、という言い方はどうだろうか。
いずれにせよ、母との交渉は一旦、撤退した方が良い。(※3)
なに、チャンスはまだある。そもそも「1万円」を稼ごうと思ってから
実際に自分が実際に手を動かしたのは数十分に過ぎない。
アルバイトに換算すると500円にもならない。
稼ぐ方法を考える、という作業は自分に意外と合っているのではないか。
ケンタは、諦めの悪い自分の脳みそに少し感謝するようになった。(※4)
これは、数学の初めての証明を解いている時の感覚に少し似ている。
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【解説】
※1)交渉力のことを、ゲーム理論では「バーゲニング・パワー」といいます。
※2)契約にいたる交渉の流れを、ビジネス用語では「クロージング」
といいます。
※3)失敗だと感じたら、それまでのコストは忘れることが重要です。
ゲーム理論では「サンク・コスト」といいます。
※4)諦めの悪さは、起業家の重要な資質です。行動力においてはイマイチ
だったケンタですがトライアンドエラーへの執拗な姿勢は合格ライン
と言えそうです。




