第13話 道をならしてから「1万円」を稼ごう 解説つき
【まとめ】情報を吹き込め!
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母の信頼する情報源を探し、そこから理解できる形で伝える。
そう考えたケンタだが実行に移そうとして途方に暮れてしまった。
母は一体、どこから情報を仕入れているのか。
一つ一つ具体的に挙げてみる。(※1)
ママ友からの口コミ。
TVや新聞、ラジオ、チラシ。
週刊誌や通販紙。
父や自分など家族。
このうち、自分が影響力を発揮することのできるメディアはあるだろうか。
庶民の高校生であるケンタには荷が重い。
だが、やり方次第ではあることに気が付いた。
TVや新聞では、インターネット通販の安さやスマフォのアプリ特集などの
特集や情報がよく掲載されている。
これまでは、自分も含めて母のアンテナに引っかかっていなかっただけなのだ。
それにネットの情報には疎くても、印刷されたものであれば読んでいることを
ケンタは知っていた。
サークルの打ち合わせ場所までの地図などを印刷させられていたからだ。
これでケンタの方針は固まった。
ネット節約術や、ネット通販の特集記事を見えるところに置いておく、
TVやラジオで話題になったときは、具体的に安くなる理由や事例を話すなどの
家庭内広報活動を行ってネット利用に対する心理的ハードルを下げること。
そして、よく使う化粧品の購入価格を、ネット通販の価格と比較した紙を
プリントアウトして見せられるように持っておくことである。
さらに加えて、父からもプッシュしてもらえると完璧だろうが、
父には別の作戦案を考える必要もある。
いける、とケンタは、自分の作戦の細かさと具体性に手応えを感じ
強く拳を握りしめた。(※2)
ただ、これだけ考えるなら素直にバイトした方が楽じゃないのか、という
考えがチラッと頭をよぎったのは否めない。
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【解説】
※1)お客さんにどのようにコンタクトするか。ビジネス用語では
「コミュニケーションプラン」といいます。
※2)ケンタは、どのように伝えるかについては詳細な計画を立てることが
できました。しかし、母からケンタがどのように映るのかについては
計画が不十分なようです。
別の言い方をすると、ケンタのブランドイメージを作ることに無計画
な点が気がかりです。
情報は「どんな情報を伝えるか」も大事ですが、それ以上に「誰が伝える
か」が重要なのです。