表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
phantom&fake  作者: 磨騎 蛇朔
5/8

〈小さな家の持ち主は〉

 家に着いたボクらは庭を見ていた。庭には畑があり何か生えている。


「誰の家なんだ?」


 赤い屋根に白い壁。扉にはRとだけ書かれた立て札がかけてあった。アンナは白ウサギかも!と楽しそうに言うが、そんなまさかと思い立て札を見つめた。


「こんにちはー!」


 扉を3回ノックしあいさつをする。すると扉はゆっくりと相手を確かめるように開いた。そこにはさっきボクが見た白銀の髪に赤い目の少年が立っている。先程のフードはかぶってない。


「やぁ、君たちは?」


 出てきた少年はさっきの奴とは似ているようで似ていない。見た目はさっきの少年のまんまなのに雰囲気が違う。別人みたいだ。


「わたしはアンナ!あなたは・・・白ウサギさん?」


 彼についている耳を見てアンナは言う。ボクが見た時、フード越しでもあんな耳はなかったはずだ。

こいつは本当にさっきの奴じゃないのか・・・?


「アンリ?アンリ、どうしたの?」


「え?」


「怖い顔してるよ?」


 アンナに言われ我に返る。こいつが何者かなんてどうでもいいじゃないか。


「あ、ごめんアンナ。ちょっと考え事しててさ・・・それで君は?」


「ボクは白ウサギ。これから急いで女王様の所へ行かなきゃならないんだ」


「女王様!」


 アリスだよアンリ!その声が聞こえてきそうなアンナの目にボクは笑顔を向ける。


「ん、待てよ、ここでたしか小さくなるクッキーがあって、小さくなったら青虫さんに会うんだよね・・・。ううっ!わたし青虫苦手なのにぃ~!」


 アンナはまだ先のことに対して身震いする。ボクだったらきっと飛ばしてしまう。

・・・そうだよ。飛ばしてしまえばいいじゃないか。


「! アンリ?」


「?どうかした?アンナ」


「あの、いいかな。ボク急いでるんだけど・・・それとアンナ。ボクハ小さくなるクッキーは持ってないよ」


「そうなの!? ・・・あれ。どうして・・・?」


 アンナが考えている。それを見て困る白ウサギ。あぁ進まない。


「アンナ、白ウサギは急いでいるみたいだしまた今度お邪魔しよう!」


「え、でもアンリ」


「お邪魔しました!」


 先に進まない。進めなきゃ。君は立ち止まらないで。これは君の夢なんだから。

ボクはアンナの手を掴みここから出ていく。それを見て白ウサギはキョトンとしていた。






「あれ?進ませたの?アンヌ」


「白ウサギだよ。・・・話を飛ばされた。青虫に会わずに花たちのところに行くみたい」


「白ウサギを追わなくなったんだね。・・・うん。分かったよ白ウサギ。後はオレに任せて」


「・・・頼むよチェシャネコ」


「ハイハイ」


 白ウサギはそう言うと消えてしまった。それをみたチェシャネコは伸びを一つし、スルリと消えていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ