いただきます
お久しぶりです。
少ないですが、楽しんで頂ければ幸いです。
誤字や脱字がありましたら訂正します。
思案を開始し始めてから少しして何となく落ち着いてきた彼は頭もクリアになり、まともな事も考えられるようになった。
そして、丁度彼女も戻って来た。
だが、その手には何かを持っていた。
「まだ君は何も食べてないだろうから持ってきたよ。」
彼女が手に持っていたのはコーンだったようだ。
俺のための飯か…嬉しいな………。
彼は喜びをあらわにする。
しかし、次の瞬間には周りの鶏達が集まってくるじゃないか。
「だめだめ、君たちのご飯じゃないよ。」
鶏が空腹を主張するように鳴く。
「コッコッコッココケー」
バサバサと鶏は彼女に飛び掛かりコーンを奪わんとする。
「あう」
彼女は後ろに転けてコーンの入った小さい箱を落とす。
その拍子に箱の中身が飛び散る。
「ああ、ダメだよ食べちゃ」
鶏は目を細めてうまそうにうれしそうにコーンを啄む。
そして箱にコーンを何とか戻そうと床に落ちたコーンを広い集めようとする。
しかし、鶏達は許さない。
「ココココケー!」
「クケー!」
彼女の後ろから鶏がのし掛かった。
というか鶏でかくないか?
彼女の体の大きさの3分の1くらいの大きさの鶏がいる。
足の太ももくらいの大きさだぞ、でかいよな?
なんとかんだこうそでも与えたというのか…
とにかくそんな鶏が彼女を襲っているわけですよ。
大量の巨大鶏に呑まれてあうあうともがいているんですね。
俺ですか?何もできませんよ。だってヒヨコだもの。
ヒヨヒヨとでも鳴いてやりましょうか?
やるだけ無駄な気がするけどね。
それくらい壮観でした。鯉のエサやりみたい。
しばらくして鶏達が彼女の上から降りた後。
彼女は自身に付いた塵や埃や干し草なんかを叩き、疲れ顔でこちらを見た。
「ごめんなさい。あなたにご飯をあげられなかったね。」
などと謝罪してくる。
俺としては―あなたが謝る必要なんてありませんよ。―なんて言いたいもんだが、それが出来ないから無念だ。
というかあの鶏ども、飯食った後はすぐに寝てやがんだ。喰ってやろうか?
「あぁっ、そうか!」
いきなり彼女は叫ぶ。いきなりだな。
「最初からこうすれば良かったんだ。」
と言って俺のことを掬い上げたのであった。
本日もありがとうございました。
またのお越しを楽しみにしています。