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絶対
この世は、不平等だ。
絶対と言えることはない。
絶対、誰にも負けない。
絶対、遅刻しない。
絶対、強くなる。
こんな言葉は、聞き飽きた。
どうせ、誰も守ってくれない。
そういう人ほど、絶対と保証できないのだ。
だって絶対守ると言ってくれた人が原因で私がイジメられてるから。
何でも完璧な姉、兄が四人いる。
美貌、カリスマ性、人気、権力、武力、統率力などなど。
数え切れないほどの特技や才能をもつ姉、兄達は、けして私を見下さなかったし、助けてもしてくれた。
ただ、私は地味で暗い女だから姉妹、兄妹なのはおかしい。
あんたは、拾われた子だ。
神様は、不平等だ。
そんなことは、小学校、中学校で散々言われた。
近所のおばさん達にも比較された。
親戚ですらしてきた。
だけど、両親共に愛してくれたし、姉、兄達はシスコンと言われてもおかしくないぐらい可愛がってくれた。
だからこの世で大切なのは、家族の6人だけ。
あとは皆、どうなろうが知ったことではない。
そう思っていた。
つい四ヶ月前までは・・・。
7番目の君へ