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第六話:あの子にプレゼント

「む?ハジメ君?どうしたのかね?」


休日、散歩中に僕は誰かに呼びかけられた。その声の方を向くとそこには河治先生と玄郎太さんがいた。


「あ、河治先生。玄郎太さん。こんにちわ。」


「ああ。」


玄郎太さんはこっちを向かずにそれだけで返した。


「僕、これからミナコちゃんへのプレゼントを買いに行くんです!」


「プレゼント?ああ、明日はミナコ君の誕生日だったね。」


「はい!」


そう、明日はミナコちゃんの誕生日。それで僕は町にあるデパート、美影(みかげ)デパートにミナコちゃんへのプレゼントを買いに行くことにした。


「そうだね…玄郎太。私達もミナコ君に何かプレゼントを買おうではないか。」


「…ああ、どの道暇だしな。」


「ありがとうございます!」


そんなことで、僕は河治先生、玄郎太さんと一緒に美影デパートに行くことになった。


そんなに遠くなかったので、すぐに着いた。


まずは帽子が置いてあるコーナーに行ってみる。


「これなんかどうですか?」


僕が選んだのは麦わら帽子。


「うむ、なかなか。」


河治先生はそう言ってくれた。


「さてと、私も選んでおくか。あまりにも人が多いな…」


確かに…何か今日は凄く混んでいる…


「うわっ!」


人の波に押され、僕はその波の方向へ行ってしまう。


しばらくたってやっと波から解放されると…


「あれ?河治先生?玄郎太さん?」


二人ともいない…これってもしかして…


「河治先生ー!!玄郎太さーん!!」


やっぱり迷子だ!どうしよう…


「どうしよう…とりあえず二人を探さないと…」


そう思ってしばらく二人を探して歩いてみる。


「うわっ!」


本が置いてある場所を歩いていると僕は本を読んでいる男の人にぶつかった。


「っつ…」


「ご…ごめんなさい!」


僕が謝ってすぐに走りだすと男の人は僕を呼びとめた。そして本を戻す。


「…小僧、そんなに急いでどうした?」


「…僕迷子なんです。」


ここは見栄を張らずに正直に言った。


「…そんなことか。迷子センターに連れてってやるよ。」


「ほんとですか?ありがとうございます!」


僕はお言葉に甘えて男の人について行くことにした。


「あの…僕、夢野ハジメって言います。」


歩きながら僕は自己紹介をした。


「ハジメか…俺はシュガー、ジークフリート・リ・シュガーだ。」


男の人はシュガーと名乗った。そんなことを言っている間に迷子センターに着いた。


「ハジメ、お前は誰とこのデパートに来た?」


「えっと…河治博成さんと黒盛玄郎太さんです。」


…その名前を聞いた時、シュガーさんは顎に手を当てて上を向いた。何か考えているのかな?


「…ひとつ教えてやる。その河路と黒盛はあるものを探しているそうだ。それが何かは知らんが…」


探しているもの…何なのか気になる…


「探しているものですか?僕も分かりません…」


「ただひとつ分かっている事がある。」


「えっ?何ですか?」


そこだけでも聞ければ何か分かるかも。


「あの二人が探しているものは、別に大した価値の無いものだ。」


「…え?そうなんですか?」


「ああ、見つけたところで何も変わらん。」


河治先生と玄郎太さんが特に意味もないものを探している…?それより僕には気になっている事があった。


「シュガーさん。河治先生と玄郎太さんとは知り合いなんですか?」


「ああ、少し話をした程度だがな。」


そうだったんだ…もしかしたらこの人も何か悪いたくらみをする政府と戦っているのかもしれない…


そんなこんなで迷子センターの人に河治先生と玄郎太さんを呼んでもらった。


「俺はまだやっておきたいことがある。じゃあな。」


「あ、はい。ありがとうございました。」


シュガーさんはそのままどこかに行った。しばらく待っていると河治先生と玄郎太さんが来た。


「ハジメ君!」


「河治先生!玄郎太さん!」


「すまないね…あのような人込みでハジメ君がいなくなったことに気がつかなかった…」


河治先生は人込みから抜け出すのに苦労したのかちょっと息が上がってるように見えた。


「まあとりあえず大事にはならずに済んでよかった。」


ふとした時、僕はあることを思い出した。


「あ!そういえば!」


「どうした?」


「えっと…シュガーさんって人から聞いたんですけど…河治先生と玄郎太さんって何か探してるんですか?」


それを聞いた時、河治先生はちょっと怖い顔になった…


「…シュガー?誰かなそれは?」


「え?」


確かシュガーさんは河治先生と玄郎太さんと少しだけ話したことがあるって…


「知りませんか?紫色の髪で目がピンク色の…」


そこまで聞いた時、河治先生の顔がさらに強張る…


「…すまない…本当に知らんのだ…」


「ええ…」


探しているものについても言いたいのに…怖くて言えない…


「それより、我々もミナコ君へのプレゼントを買わなくては。」


「あ!そうでした!!」


そうだった…僕たちはミナコちゃんの誕生日に向けてプレゼントを買いに来たのだった…


僕たちはまたデパートを歩くことになった。


僕はさっき選んだいい感じの麦わら帽子をまだ持ってるのでそれにする。


河治先生は本のある場所でこの本がいいと言ってちょっと面白そうな本を選んだ。


玄郎太さんは…綺麗な押し花を選んだ。


「うむ、これで3人ともプレゼントは買ったな。」


「はい!」


3人はデパートを出た。プレゼントは買った。後は明日ミナコちゃんに渡そう。


「では、もう帰るとしよう。」


そして僕たちは家に帰ることにした。


「我々の基地はこちらだ。」


途中で河治先生は僕の家とは違う道へ進もうとする。


「…俺はハジメについていく。政府の送り出す化け物が来たら困るからな。」


玄郎太さんが僕を守るために家までついていくことになった。


「そうか、では頼む。」


河治先生はそのまま基地まで行った。玄郎太さんは家まで僕のそばにいた。


そして家に着く。


「ここまでだ。じゃあな、ハジメ…」


「はい、玄郎太さん!ありがとうございます!」


玄郎太さんを見送った後、僕はただいまと言って家に入った。


翌日…僕は放課後、ミナコちゃんにプレゼントの麦わら帽子を渡すことにしたけど…ミナコちゃんは学校を休んでいた…


いや、ミナコちゃんだけじゃない…僕のクラス…いや、学校自体のほとんどの女子が学校を休んでいた…


「なあハジメ……」


「圭太君…」


「なんかおかしくねえか?このクラスだけじゃなく学校自体の女子がほとんど休みなんてよ…」


圭太君もおかしいと思っていたみたいだ…


「確かに…これは忌々しき事態ですね…」


一也君も来た。


「一体どうしたんだろう…?」


僕はその時近くにいた先生に話を聞いてみた。でもほとんどの先生は風邪で休みとしか言わない…


学校に来ていた男子や少ない女子にも気にするなと言われる…


どうして?学校の女子だけが一気に休みなんておかしいよ…


それでも学校はいつも通り授業が進む…後、先生のほうも女の先生が皆学校を休んでいるようだった…


放課後、この事態を河治先生に話した。


「うむ、確かにおかしな事だ…私も他の教師に聞いてみたが風邪としか言わん。」


「そうですか…」


河治先生もこれをおかしいと思ってたみたいだ…


「一体どうして…」


「だが、大体の見当は付いている。」


「えっ?」


まさか、河治先生は何か知っているのかな?


「今朝新聞を見たのだが、世界評議会議長ジニアス・ソルウェイがある制度を導入したようだ。」


世界評議会?急にわからなくなった…


「少々難しい話になるな……」


「いえ、僕が聞きますのでどうぞ。」


一也君が話を聞いてくれるみたいだ。確かに一也君は僕と比べて頭はいい。


「そうか、では話そう。」


河治先生がその次に口にした言葉は……

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