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第二話:軍神河治

家に帰った僕は親に今日の出来事を話した。


化け物の事、魔方陣の事、女の子の事……


でも親は授業中に居眠りして夢でも見てたんじゃないかと言う。


でもあれは違う。あれは本当にあったことだ!居眠りなんてしていないし、記憶もはっきりしている!


どんなに説得しても聞いてくれない…僕は諦めるしかなかった


翌日、僕は何事もなかったかのように登校する。圭太君と一也君もいた。


「おはよう!ハジメ!」


「ハジメ君、おはようございます。」


「…おはよう…」


「んー?いっつも馬鹿みたいに元気なお前がそんなテンション低いなんて珍しいな?」


圭太君がそう言ってくる。やっぱり僕は昨日の事が気になるんだ……


「悩みとかあんなら話せ!何でも聞いてやる!」


「僕も、何かあれば相談にのります。」


「ありがとう。でも大丈夫。教室に行こう。」


圭太君と一也君に話そうとも思ったけど…信じてくれるか自信がなかった…


そんなことを思っていると…


「ハジメ君!おはよう!」


僕の憧れのクラスメイト、桃野ミナコ(ももの みなこ)ちゃんだ!


「ミナコちゃん!おはよう!」


「早く教室いこ?あんまりのんびりしてると遅刻になっちゃうよ?」


「あ…うん!」


ミナコちゃんはそのまま教室へ向かう。


「何だぁ?ミナコと話した途端元気になりやがって!」


圭太君がからかってきた…


「え…そ…それより教室行こう!!」


とりあえず教室に行くことにした。


教室、どうやら今日は特別教師が来てくれるみたいだ。


どんな人なんだろうとわくわくしながら待っていると、教室のドアが開く。


黒髪で前髪がない、おでこがはっきり見えていて眼鏡をかけているおじさんだ。


「皆さんおはようございます。私はこのクラスの特別教師を務めさせていただくことになりました。河治博成(かわじ ひろなり)です。」


その名前を聞いた途端、一也君が急に立ち上がる。


「えっ!?河治博成って…あの煉城美晴(れんじょう よしはる)やミロ・アインザッツと並ぶ三大軍神の!?」


「おや、知っていたとは…」


「やっぱり!!会えるなんて夢みたいだ!!」


一也君が大はしゃぎしている。僕はちょうど隣の席だったのでちょっとこっそり聞いてみた。


「一也君、あの人って?」


「知らないのですか?河治博成氏はかつて人類を蹂躙しようとした悪い貴族が起こした戦争において一つの軍隊を率いてその戦争を勝利に導いた軍師です。今は共に軍を率いた煉城美晴氏、ミロ・アインザッツ氏と共に三大軍神と呼ばれています。」


…まだよく分かってはいないけど、とにかく凄い人っていうのは分かった。


その後、自己紹介も早々に少しの自由時間の後に授業が始まる。


そして給食も終わってお昼休み…


「ハジメ君。」


僕は突然河治先生に呼ばれる。


「河治先生、何ですか?」


「すまないけどちょっと来てくれないかね?」


「はい。」


何故か僕は河治先生に相談室に連れてこられる。


「あの…河治先生、何の用ですか?」


「ハジメ君、突然だが応えてくれ。君、得体の知れない怪物に襲われたことはないかね?」


その時、僕は昨日の事を思い出した。確かにあの時、怪物に襲われた。


「…はい、学校の帰りに…」


「そうか……」


もしかして河治先生が何か知ってるんじゃないか…?僕はそう思った。


「河治先生?信じてくれるんですか?親は信じてくれなかったのに…」


「ああ……これから私のする話は子供である君には理解し難いと思うが…聞いてくれるか?」


理解し難い事ならもう起こっている…あの怪物の事とか…もうそんなことは愚問だった。


「はい、聞かせてください。僕にできる事があれば力になります。」


そう言うと河治先生が話を始める。


「そうか…では話そう。

世界政府…この世界で一番偉い立場にいる者が自身の欲望の為に多くの市民を苦しめている。この町はまだ被害こそ出ていないが…いつやられてもおかしくはない…」


「えっと…つまりは悪者退治ってことですか?」


まずそう思ったので…


「簡単にいえばそうだな…君が襲われたあの怪物は政府に反抗する者を排除する為に政府の者が作ったものだ。」


そこで疑問ができた。僕は政府に対して反抗なんてしていない。


「ちょっと待ってください!僕政府に悪いことした覚えないんですけど!?」


「それについては今話そうとしていた。実は君には不思議な力が備わっている。怪物に追い詰められた時、白い魔方陣のようなものが現れなかったか?」


「…あ、はい。でもそれが何なんですか?」


確かに怪物に襲われた時、白い魔方陣は出てきた。でもそれが何なのか…まだ分からない…僕はそれも河治先生に聞いてみた。


「君に備わった力…それは「始まりの力」だ。この世界を作り出した大いなる力が君には隠されている。」


…実際の所何を言っているのか分からない…何でそんなことを話すのか…


「えっと…何を言ってるのか全然分かんないんですけど…」


「そうだろうな。私自身も何を言っているのか理解し難い。私が聞く立場だとしたら話したがりのちょっとした小話程度にしか受け止めんだろう。」


河治先生もちょっと困ったような表情でそう言う。


「とにかく、僕には不思議な力があって、悪者はそれを恐れているということですか?」


僕は僕なりに簡単にまとめてみた。


「そうだな。だから私達は君を守りたい。」


「…そうですか…まだ分からないところもありますが…分かりました!」


そういって僕は出口の方へ向かう。


「失礼します!」


僕が相談室を出る。すると…


「話は全て聞かせてもらいました。ハジメ君。」


入口の所に圭太君と一也君、更にはミナコちゃんまで!


「皆…どうして?」


「わりーな。どうしても気になったから俺が一也とミナコも呼んでここで聞いてたんだ。」


圭太君がそう言うと一也君とミナコちゃんは首を縦に振る。


「君が怪物に襲われたという話…にわかには信じられませんが、河治先生が言うのでそれは真実なのでしょう。」


「私も…ハジメ君が危ない目に会うのは嫌だから…」


そんなことを話していると、河治先生が僕の後ろにいた。


「君達…これは最悪命にかかわるぞ…いいのか?」


3人は首を縦に振った。


「…そうか…良いだろう。ただし、私の言うことは聞くようにしろ。」


3人ははいと返事をした。


放課後、僕達4人は河治先生によって秘密基地へと連れてこられた。家族には河治先生が知らせてくれたみたいだ。


「ここが私達が拠点としている場所だ。」


4人は秘密基地へ入る。


「玄郎太、戻ったぞ。」


「…ああ。」


リビングらしき部屋の椅子には黒い学生服を来たいかにも恐そうな人がいた…


「あ…あれは…この町で一番の不良として知られている黒盛玄郎太(くろもり げんろうた)では?どうして彼がここに?」


「ああ、彼も私と同じ、政府の闇を知っているものだ。それに反感をもつ者としてここにいる。」


僕はとりあえず挨拶に行った。


「あ…初めまして…僕、夢野ハジメと言います。」


「…ああ、俺は黒盛玄郎太。」


玄郎太さんは顔色一つ変えずに挨拶を返す。

それに続くように圭太君や一也君、ミナコちゃんも挨拶に行った。


「圭太だ。よろしくな。」


「一也と言います。よろしくお願いいたします。」


「えっと…ミナコ…です…」


ミナコちゃんは玄郎太さんを見て恐がっている…やっぱり不良だから?


「玄郎太、ハジメ君は始まりの力を持つために政府に狙われている、どうか守ってやってくれ。」


「ああ。」


そんなこんなで、僕は河治先生や玄郎太さんに悪い奴らから守られることになった。


これから僕の生活はどうなるんだろう?


もしかしたら明日死ぬかもしれない…それが心配だった…

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