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設定回

設定厨による設定説明会


「Cランクおめでとう、依頼についてはそこの真ん中にある掲示板がCとBランクようだ」

あの戦いの後、ギルドへと戻った俺達は現在ハンターカードを受け取っている

ちらっと見たところCランクの依頼を一つこなせば、大体銀貨1枚程度になるらしい

「依頼には大きく分けて2種類ある、常時と一般だ、常時の場合依頼をこなした後に受けてもいいが、一般はそれができないから注意しろよ」


常時というのは、ゴブリン討伐などである

ゴブリンは繁殖力が高くある程度からないと、近隣の村へと被害が出るだけでなく、ゴブリン内で共食いし、時にはキングと呼ばれるゴブリンまで進化する

そうなると、近隣のゴブリンたちをまとめて、集団で進軍を開始し、村や時には町にまで被害が出ることがあり、危険度が跳ね上がってしまう

そういった、危険のある集団で行動する魔物は常時依頼を出されている


一般というのは誰かがギルドに依頼して、ハンターを求めるものだ

薬の材料集めだとか、村の近くに危険なモンスターが発見されたから倒してほしいなどである

当然だがそういった依頼は早い者勝ちなので、ギルドで依頼を受けてから行くのだ

そうしなければ、依頼の報酬などでもめるからである


「Cランクの常時依頼はオークのオスだな」

「メスは?」

「オークのメスは肉がまずいし、メスを狩りすぎるとオスが村を襲って人間の女を奪いにくるからな」

オークの性欲は同族のメスに基本的に向くらしい

ただ、メスが足りなくなれば、その旺盛な性欲をもてあまし、人間へと矛先を向ける

なので、オークは基本的にオスのみを狩り、メスや集落に手を出さないというのが一般的になる

オークを全滅させてしまうと、肉の確保が難しくなり、食糧問題が起きかねないというのが集落をつぶさない理由だ


「オークの肉ってうまいのか…」

ファンタジー小説の基本的な食糧ではあるが、実際口にするとなると、躊躇してしまう

「町の入口近くにある人気屋台の串焼き屋はオークの肉を使ってるぜ。なんでも秘伝のタレと仕込み法があるらしいが、その辺の豚や鳥より、よっぽど上手くて名物になってるぞ」

「マスター、そのお店って…」

俺らが町に来て最初に寄った屋台だった…Oh


「後はCランクになると護衛依頼や、指名依頼なども出てくるが、お前らは護衛依頼は受けないほうがいい、護衛対象が貴族の時に問題起こしそうだからな」

言われるまでもなく受ける気はないが、そう断言されるのもしゃくである

まるで俺たちが問題児のようではないか!

「なんだ自覚ないのか?」

あ、はい、すいません


「指名依頼は職員などからどうしても急ぎで確実に解決してほしい依頼が出た時に頼むものだ、基本懇意にしている受付からくるものだな」

普通ならCランクに上がるまで何年もかかるため、その間にある程度実力や人柄をギルドの受付に覚えられるものらしい

「実力は十分とこの目で判断しているから、俺から何か依頼を頼むかもしれん」

「その時にはできるだけ討伐依頼で頼む」

「安心しろ、俺だって給料を減らしたくねえ」

曰く、指名依頼を出して失敗すると職員も減給になるらしい、ハンターの能力を適格に判断するというのも職員の仕事の一つだとか


「それと、Bランクへのランクアップ試験はしばらく受けられないからな」

「それはなぜに?」

「討伐、採取、護衛の全てを一定回数以上こなさないといけないからだ、討伐はすぐだろうが、それ以外がな」

護衛は一度受けると数日から、長ければ半月以上拘束されて1回とカウントされる、採取についてはランクに応じたものを採取しないといけないので、Cランクだと、山の奥などにあるものになるためこれも、時間がかかるらしい

一般的にだが、俺達なら飛んでいけばすぐである


「素材の買取りは、ここではなく右手の奥にあるところで行う、まぁ、こんなもんかね?」

「ありがとう、また何かあったら暇なときにでも聞きに来るさ」

「そういうのはハンター同士でやってくれと言いたいところなんだが、まぁ、暇なときにな」

苦笑しながらも、受け入れてくれた職員さんの目には、きっとこいつら他のハンターと仲良くできないんだろうなみたいな、可哀想な子を見る優しさがあった


解せぬ


「そういや、名前を名乗ってなかったな、俺の名前はセシルだ」

「ああ、改めて、コウ、相棒は風だ」

「よろしくお願いします」

風が深々と頭を下げ、俺とセシルは握手をし、席を立つ

この後は職員さん、改めセシルに教えられた図書館に行き、この世界について色々と知識を集める予定だ


「それじゃあ、コウ君、リンクをつなげようか!」

突然、さっきまで後ろでニコニコと俺達のやり取りを眺めていたレイオスが俺にハンターカードを抜けてくる

実はまだいたのである、あの戦いの後俺達に続いてギルドへと入ってきて、ずっと後ろで眺めていたのだ

「そのリンクってなんだ?」

「リンクっていうのはねハンターカードに相手のハンターカードを登録することで連絡を取り合える機能だよ」

ああ、携帯のアドレス交換みたいなものか


「そんな説明受けてないんだが」

「本来Aランク以上から教えられる機能だからな、そもそも魔力の消費が大きすぎて誰でも使えるものでもないし」

1分程度話すだけでMP換算10,000ほど取られるらしい

余談だが、この世界ではMPという明確な数字化がなく、上級魔法何回分などで示す

この1万という数字は上級魔法10回分だとか、俺達の場合≪魔術改造≫のせいでその辺は幾らでも変えられるが


「君たちなら問題なく使えるでしょう?」

「レイオスさんのおかげでCランクになれたわけですし、その程度のお願いなら」

疑問形をとっているが、どうせ使えると確信を持っているんだろうし

レイオスは味方につけておいたほうがいいと、≪直感≫もつげている


「それじゃあ、僕はいくよ、僕の手におえそうにないときとか手伝ってね!」

レイオスがそう言って、手をブンブン振りながら走っていく

子供か、あいつは

「随分と見込まれたものだな、Sランクの手に負えないこととか、さすがにお前さん達でも… いやなんでもない」

「いや、さすがに無理だと思いますよ、うん」

そこで、やっぱりやれるかもみたいな表情するのやめてくれませんかねセシル殿

「それじゃあ、セシルさん、俺達はそろそろ図書館へと向かうよ」

「おう、お前達は面白いことを起こしてくれそうだ、期待してるぜ」

「期待に応えれるかはわかりませんがね」

苦笑を返すも、セシルはニヤニヤとこちらを眺めるだけだった




「やってきました図書館」

「大きいですねマスター」

セシルさんに教えられてやってきた図書館はとても大きかった

この世界では紙はそこまで高価なものではないらしいがそれでも庶民が娯楽として月に何冊も買える額でもないらしい

なんでも、400年ほど前に帝国という国に≪天からの御使い≫が降りてきた時に製紙技術とそれにかかわる魔道機械を開発したとか


「俺達みたいな異世界人なのかねえ?」

「わかりませんが、その辺は調べておきたいところですね」

俺達は主にこの大陸の地図を調べるつもりだった

レイオスの所属する連合国、御使いの降りてきた帝国、それに俺達がいるこの王国と呼ばれる国

どの国が過ごしやすいかを調べるためである


「それじゃあ、調べるか」

「はい、マスター!」

俺と風はそれぞれ、帝国、王国、連合国とこの世界の歴史に関する本を机の上に並べる


「俺達が今いる大陸は、中央から北部にかけて、大陸最大の国帝国が収め、その南を今俺達がいる王国が、東側をレイオスの言っていた連合国が、そして西側には、迷いの森とか世界樹の森と呼ばれる森が広がっていて、そこにエルフが住んでるのか」

「連合国は、普人族、獣人族。竜人族の3つの国が集まったものみたいですね」

「元々は帝国は中央にある小国の一つで他にも沢山の国があり、群雄割拠していたが、天の御使いが降りたことで技術チートを受けて、その技術力で他国からの移民が殺到したと」

人間楽に流される生き物である、技術革命を起こした帝国に周辺国から移民が殺到し、本来ならそれによってパンクするはずだった帝国は、技術チートを生かして、全てを受け入れ、さらに発展していった


「天の御使いが死に、その時の王が死んで、息子が王となると、周辺国の王に帝国へと下ることを強要した、逆らう国は武力によって無理やりに傘下へと収めた」

武力による統一を天の御使いは好まなかった、また先代帝王も天の御使いと仲が良かったため、先代の時代では武力による統一は行われなかった

しかし、天の御使いが死ねば邪魔するものはいない、これにより帝国は中央一帯を治める大国になる


「その後、南に逃げた王国の先祖が王国を作り、東に逃げた普人族が獣人、竜人と共に連合国を作って現在に至ると」

帝国がその2国の樹立を阻めなかったのは内乱だとか色々あるらしいがその辺は割愛である

機会があればまた語るとしよう


「結局よくわかりませんでしたね」

歴史はわかった、地理もわかった、だがそれぞれの国についてはいまいちわからない

「俺としては、ここの国の貴族が腐ってるとか、そういうのが知りたかったんだけどなぁ」

さすがにそういうことを書くのは認められないらしい

「それでも地図がわかりましたし、何かあれば移動することくらいはできますね」

「そうだな、普通なら馬車で一か月とか書かれてる場所も俺達なら3日もあればいけそうだし」

武空術様様である


「とにかく、明日からは依頼を受けてお金をためてるわけだし、今日はもう帰って寝るか」

「そうですね、そういえば、マスター宿にお風呂があったみたいですけど、お背中流しましょうか?」

お風呂も紙と同じく帝国の御使いが早いうちに作り出した技術で、400年かけて普及し、今では大きな町の宿なら大体どこでもはいれるらしい

「結構でござる」

「残念です」


宿へと戻り、夕食にオーク定食を食べ(一度食べると抵抗は薄れていた、まだ現物みてないしね)お風呂へと入り、ベットに横になる

「いいかね、風君、そこの壁よりこちらは夜は俺の領地である、それを超えるのは領土侵犯であり、行われた場合、遺憾の意を示すものである」

「マスター、知ってますか、遺憾の意を示されたくらいでは、反省しないですよ?」

「それでも行われる場合、スキルを駆使してかくれんぼをすることをここに誓う」

「迎撃ではないんですね、安心してください、マスターがその気になるまでこちらから手は出しませんので」

それではお休みなさいというと風はベットに横になり、あっというまに眠りにつく

なんだかんだで疲れていたのだろう、俺もベットに横になると、すぐに睡魔がやってきて、抗うことなく意識を手放した


ちょっとだけ帝国について補足興味のない方は読み飛ばしてください

中央を統一した帝国は、連合国と王国も侵略しようとするも、皇帝が体調を崩し、健康に不安を持った皇帝は隠居を決意

しかし、長男が若くして没していたため、誰に譲るか考えているうちに兄妹ないでの暗殺合戦が始まる

結局4男が2男3男を殺して帝位につくものの、それは認められないと、長女、次女、5男がそれぞれの収めていた地域を中心に反抗作戦を開始

ここで不幸だったのは、全員が同盟などを結ぶことなく個別に動いたため、結局鎮圧されるものの、それに国力は大きく疲弊

さらに今でも、決起を起こした地域は中央の皇帝へと反感を持ち、帝国は一つにまとまっていない


そんなドロドロの国です


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