表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

異世界転生物のステータスは大体意味をなさないもの

 異世界転生物でステータスは大体意味をなさないもの


「マスター、起きてくださいマスター」

ゆさゆさと俺の体が揺すられる

おかしい、俺は一人暮らしだし、部屋に侵入してくるような関係の女性もいない、ということはこれは夢だな

「マスター、起きてください、早く町を探さないと野宿になっちゃいますよー」

人違いです、俺のことマスターと呼ぶ存在はいません

俺はゴロンと寝返りをうって抵抗する、その時、強く草の匂いを感じた

……草の匂い?

思わずゆっくりと目を開ける

そこは青々とした草が生えそろった地面だった……



「は? いやなんで外で寝てるの俺?」

間違いなく部屋の中にいたはずだし、夢遊病は患っていないはずなんだが……

「おはようございます、マスター、お加減はいかがですか?」

声をかけられて振り返るとそこには、緑色の髪を背中くらいまで伸ばした童顔の女性がこちらの顔をのぞき込んでいた

その際、かがんでいるために視線の高さにあった豊かな双子山に目が行ったのは仕方がないことだと弁解しておく



「どこか具合が悪いのでしょうか、ヒールをおかけしますか?」

こちらが返事をしないことにどこか調子が悪いと判断したのか、目の前の女性は俺の額に仄かに緑色に発行した手のひらをあてる

……状況が全く理解できないが、この女性が敵ではないとなんとなく理解できる、なので

「大丈夫だ、どこも悪くない、と思う状況が理解できなくてな」

「私もつい先ほど、目が覚めたらここにいて、マスターが目の前に居たので思わず声をかけてしまいました」



そういって、少しだけ照れたような表情を見せる女性

何この子可愛い、いやまて、今は考えることはそれじゃない、なので俺は自分の≪直感≫を信じて

「もしかして、風か?」

そう、背中まで伸びた緑色の髪も可愛らしい顔も、AWで育てていた精霊の風にそっくりだ

違うことと言えば背の高さと胸のサイズくらいだが…

「びっくりしました、私のことわかるんですか?」

「長い付き合いだしね、確信があったわけじゃない、がっ?!」

俺が最後までいう前に女性、改め風が俺へと飛びかかってきた

…いや、この場合胸に飛び込んできたというべきなのか

とにかく、女性と触れることのほとんどなかった、年齢=彼女いない歴の俺には今の状況はフリーズさせるには十分すぎた



「マスター、やっとお話できますね!」

ぐりぐりと俺の胸に額を押し付けてくる風に思わず、お前はネコか何かかな? とそんなことを思うが、言葉にはできない

しかし、ゲーム時代の記憶はどうにかあるようだが、もともとはAIのはずだがその頃の記憶はどうなっているのか? と


聞いたところ

「あの頃の思い出はなんとなく夢のような感じで覚えてます、でも、とても大事な思い出です!」

とのことらしい

「そうか、なら、改めてこれからもよろしくな、風」

俺の胸でゴロゴロとしている風の頭を撫でながら、心強い相棒がいることに心から安堵する

小説の主人公たちと違い、俺はそんなに心が強いほうではない

もしも、風がここにいなくて一人だったなら、今頃発狂していたかもしれない



「任せてくださいマスター、お背中は私が必ず守ります!」

ぐっとガッツポーズをする風に俺は深い安心を覚える



「それはそうとマスター、本日の宿はどうしましょう?」

言われて俺は周囲を確認する

宿どころか人の姿すら確認できない…

「やばいな、野宿はできれば避けたいが、そもそもに俺達は今の自分の状況がわからなすぎる」

転送される前にコウのゲームデータがコンバートされたとアナウンスが流れたが…



「とりあえず、ステータス位確認したいな、ゲームと同じように確認できないだろうか、≪ステータスオープン≫」

ブゥンという音と共に目の前の空間にステータスがオープンされる


愛称 コウ

職業 超越者 レベル317

MP 1240000/1240000

身体能力 EX 魔力 EX 運勢 E

戦闘技術 EX 魔道技術 EX


スキル

アイテムボックス

直観 Lvマスター

冷静沈着 Lvマスター

他多数


装備

パジャマ(上下) 防御力E



…何これ怖い

ちなみに能力の横に振ってあるアルファベットについてはヘルプによると以下の通りらしい

上から EX(測定不能) S(人類や魔族、竜族の最高峰」 A B C D E

となるらしい、つまり俺は運勢以外最大値で運勢は最低値となる


ちなみに風はこうだ

愛称 風

職業 精霊女帝 Lv213

MP 796000/796000

身体能力 C 魔力 EX 運勢 A

戦闘技術 A 魔力制御 EX


スキル

精霊を統べる者

魔力制御

他多数


装備

精霊の衣 防御力E


…おそらくだが、説明を見る限り俺たちの戦闘能力は異常と言えるだろう

さすがに測定不可能と説明にあるEXがそこらへんにいくらでもいるとは思えないし

後はアイテムボックスの中身だがこれはゲーム中で倉庫に入れておいたアイテムも含めて全て収納されていた

なのでまずは、アイテムボックスの中から簡単に羽織れるものを取り出して羽織ることにする

俺のパジャマも風の服もとりあえず体を覆っている程度の性能しかないようだし



俺は見た目はただのマントである黒狼のマントを 風には精霊のマントをそれぞれ取り出し装備する

どちらも見た目は地味だが性能はレアである

「もっと優秀な装備はあるけど、見た目があからさまだからな…」

防御力や耐性だけで見ればさらに上位の装備はあるのだが、そんなのつけて町に行って貴族やらなにやらに目を付けられて


は面倒だ

町があって人が住んでいるという前提での話だが…



「とりあえず、飛んで周囲を確認しよう。あとは町があったらそこに向かえばいい」

幸いなことにアイテムボックスの中にわずかだがこの世界のお金が入っていた

またお金の価値についてもヘルプで確認したのだがこれはのちほど改めて確認しようとおもう

少なくとも宿に泊まるには十分すぎるお金が入っていたのは確認できたしな

「マスター、私の浮上速度では誰かの目に留まる可能性がありますが… 待機しましょうか?」

風がこちらを上目づかいで見上げながら聞いてくる

その手は俺の服の袖をつかんで、おいて行かれたくないことを言外に言っている

「…わかった俺の手につかまっていればいい、一緒に飛ぼう」

「はい、マスター!」

風は嬉しそうに俺の腕にぴったりとくっつく

腕にふにふにとした柔らかい感触が、感触がですね?



「ふ、風さん、それは何か違うんじゃないでしょうか?!」

確かにつかまれとは言った、言ったがそうじゃない、手をつなごう、つまり握手的な感じでイメージしていたのだ

そこにこの不意打ちである、思わず死ぬかと思った

「…だめですか?」

風も恥ずかしいのであろう、顔を真っ赤にして上目づかいでこちらを見上げてくる

何この子可愛い、可愛い(大事なことなので2回言いました)

「わかったそのままでいい、離すなよ?」

なるべく腕に当たる柔らかな感触を意識しないように俺は魔力を纏うと、何度か感覚をつかむためにわずかに飛び上がった


後に、一気に高度を上げて空へと舞い上がった

ちょっぴり長いので、詳しい用語に興味がない人は読み飛ばしてください

本編で書くには長かったので

ステータスについて

純粋なパラメーターが身体能力と魔力(ゲームでいうSTRやAGI、MAG等)

スキルや経験値よって、それを使いこなすのが戦闘技術と魔力制御

(スキル剣術や、魔力制御等)

スキルについて

ゲーム中では主にパラメーターを上げるもの

ただし、この異世界では主にフレーバーテキストのほうが優遇される

冷静沈着はゲームだとDEXに補正だったが、この世界ではフレーバーテキストである精神を落ち着かせ、冷静に判断をすることができるようになるが適用されている

ほかのスキルについても大体同じ

直感

ゲーム中だと回避に+補正、この世界では、感が鋭くなる

精霊を統べるもの

ゲーム中では魔法関係に+補正

この世界ではそのまま精霊の女王様

アイテムボックス

そのまま、武器、防具、回復アイテム、素材アイテムが膨大な量入っている

お金はなぜか、わずかにしか入っていない


この話では主人公が直感と冷静沈着をフル稼働させています

初対面の女性を風を見抜いたのは直感の力ですし、異世界転生でも、そこそこ冷静に動けてるのは冷静沈着のおかげです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ