誘惑の8パーセント
いたって平凡な月末のスーパー
埋めつくされたパーキングエリア
なにか安売りでもやっているのか
既に売り切れた18ロールの
トイレットペーパーシングル
時間がたつにつれ焦り出す人々
何をそんなに焦っているのか
たしかに時間はかけがえのないもの
しかし時間は僕らを待ってくれない
引き上げられる消費税率
3パーセントのわずかな変化は
僕らの明日を大きく変えるのだろうか
僕の価値観も変わってゆくのだろうか
車が列をつくる月末のガソスタ
満タンに満たされる給油タンク
何をそんなに不安がるのか
並ぶことを諦めて通りすぎていく
不機嫌な顔の軽トラおじさん
日が沈むのを気にする人々
何をそんなに焦っているのか
たしかに今日は夕陽が美しい
しかし夕陽は僕らを待ってくれない
引き上げられる消費税率
8パーセントという半端な数字は
明日までどれだけ売上を伸ばすだろうか
明日まで何台の車を満タンにできるだろうか
明日からあがる消費税率
八パーセントというわずかな数字は
どれだけの人を衝動買いに導くのだろうか
どれだけのものを消費させるのだろうか
世の中数字が支配している
人は数字の変化に踊らされる
金も時間も順位もみんな
人を支配し人を争わせ
幸福に導いては
絶望に突き落とす
明日は4月1日
消費税率引き上げは実は真っ赤な嘘
国が国民をからかった大迷惑な嘘でした
そんな夢をみて迎えた朝
既に税率はあがっていた