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4話 編集中です

バレットとキョシは、ひょんなことから出会った少女メイカを救うため

TKCと恐ろしい巨人ジャントを止めるため

ただただ走っていた



しかししばらく走っていると前方に壁三面の行き止まりが見え

同時にTKCとジャント、恐らく気絶してるであろうメイカが倒れていた


TKC「ちぃ、手遅れって奴か…こりゃケツをやられたな

    こんな目立たない場所を待ち合わせに使うとはなぁ

    奴らにバレたか?俺達の存在が」


バレット「おい!何してんだ!!メイカに何した!」


TKC「おっ!?どうしたバレットこんなところまで!

    この女に金でも貸してたのか?」


TKCはジャントを引っ込ませた

どうやら敵意はないようだ…


バレット「なんで俺の名をしってんだ!」


TKC「何故って…お前と俺は同じクラスだろ?」


相手の素性すら何も知らず

どんな答えが返ってくるのかと体を強張(こわば)らせていたバレットであったが

意外な答えが返ってきたものだから、一瞬まぬけな顔をしてしまった


TKC「まぁ俺は入学式以来はクラスにあまり顔見せてなかったから仕方ないか

    それより聞いたぜ?バレットよう、お前高校の第1位を一捻りしたらしいじゃないか」


バレット「なんでそれを…」


TKC「だがどうしてお前は1位の座を欲しがらない?

    ウィクトルナンバーのリストを見てもランクは一切変わってなかったぞ?」


バレット「興味ないんだよそんなのは…あんまり目立ちたくもないしな

     俺の話はいいからお前らの事を教えろよ

     一体何をしてるんだ」


TKC「世界を守る為…なんて言ったら笑うか?」


バレット「なんだと?」


TKC「見ろ、彼女、カバンを持っていないだろう

    彼女はとある組織の下請けとして働かされていたんだろう

    カバンにはきっと運搬する極秘資材でも入ってたんだろうぜ」


バレット「じゃあ…なんだってメイカは気絶してるんだよ」


TKC「運搬の最終作業は幹部の役目だ

    下請けは皆幹部以上の顔を知らないし知る事は許されない

    スタンガンやらなんやらでケツをやられて気絶させられたんだろう…」


キョシ「…なんで彼女はそんな事をさせられてるんですか…」


TKC「簡単に言うと…」

キョシからの質問に親切に簡潔に説明しようとしたTKCだったが

自分を覗いたメイカ、バレット、キョシ以外の人間の気配が向こうからしたのだ

とは言ってもここは壁三面を囲われた薄暗い道

人が入ってくるのは後ろの道しかないのだが



???「彼女が何故下請けなどに属してるのか、それは、救われた子羊であるから」


キョシ「子羊…?」


バレット「誰だお前」


???「私は誰か、ならば言おう私はこの世界の恵まれぬ人間を救える神だ

   何故か、それは私の能力が神の右腕と言えるからだ」


TKC「はっ…よく言うぜ…しっかし悪徳組織の総括が顔見せとは…一体なんの風の吹き回しかな?」


バレット「な、なんだよ知り合いか?」


TKC「いやぁ、こいつはなかなかの有名人でな

    名前は"ロッシ・ヒークローズ"

    表は"国境無き医師団"だの言われてる団体のトップなわけなんだが

    裏は様々な悪徳金融や秘密機関のエーススポンサーって所だな」


ロッシ「だが私の功績はその細かな悪事をはね除ける程素晴らしいィ、それは何故か

    君らは知っているかね、目にしたことがあるか?何を

    恵まれぬ不運に(さいな)まれた哀れな人間をォ

    目が見えず、耳が聞こえない、顔が(ただ)れ、腕脚が無い、身体が動かない

    様々な不運を引いてしまった彼らに、私は救いを与えられるぅ、一体何で

    無論、この能力"等価的治癒(ヒーリンジュリィ)"でな」


バレット「な、なんだ?よく分からないけど良い事してるじゃないか」


TKC「あぁ、奴の能力は治癒系能力の中では最も効果の高い部類だろう…

    発動条件さえマトモなら俺もこいつには関わらないんだけどな」


キョシ「発動条件…って、なんですか?」


TKC「誰かの不自由を無くすのに、他の人間の自由が必要…ってところかな」


ロッシ「その点については、私が説明しよう!何故か

    もうここまで知られているのでは生かして帰す事は無いのでなぁ

    私の能力はクセがあってな

    回復力を得るには誰か別の人間の犠牲が必要なんだ

    誰かの視力を奪って初めて、別の誰かの視力を治せる訳だぁ

    私の組織"ゴッドイヤー"に下請けとして居る人間は皆、私が不自由から救ってやった者なのだ

    そこに居るメイカもかつては目が見えないいたいけな子羊だったのだ

    彼らは如何に過酷で危険な仕事を任せようとも嫌がりはしない、何故か

    それ以上に、幸福となれた喜びが大きく!そして再び不自由な身となる現実に戻されるのが怖い!!

    私は思う!何を、希望と絶望の絶妙なバランスこそが!!人間に与えられる最大の幸福なのだと!!」


キョシ「…メイカさんの、目が見えない…?」


TKC「人を(もてあそ)んで何が幸福だ、このケツ野郎が…ジャント!出番だ!」


するとTKCは紫の巨人ジャントを呼び出した


TKC「あのケツ野郎を死なない程度にぶっ飛ばしてやれ!」


ジャントは命令のままロッシに向かって巨体をズンズンと前に向かわせ

拳を振るった



だがその瞬間、ジャントは真後ろに吹き飛んだ


TKC「!?」


ロッシ「やれやれ…組織も物騒な物を作り出した物だな…何を

    空気中の水分を凝縮し瞬間膨張による衝撃波を撃ち出す武具を…」


彼等が戦いを繰り広げる中、気絶していたメイカは目を覚ました


メイカ「うーん…こ、ここは…?」


キョシ「あっ!メイカさん、大丈夫ですか?」


メイカ「あ、はい、私は大丈夫…」


周りの状況を認識するより先に

ロッシの声が耳に響いた


ロッシ「運搬が完了した今、そこのメイカという女も最早不要!!何故か

    道中で君らのような屑と(たわむ)れられてるようでは困るのだよ…ゆえに

    今後の仕事はまかせられん…」


メイカ「そ、そんな…私また暗闇に…」


キョシ「そんなこと無いですよ!

    見てくださいよ、バレットさんは、メイカさんを助けるためにここまで来たんです

    能力者に襲われても、怖い巨人に会っても

    それでもメイカさんを助けに来る人が居るんですよ?暗闇なんて、あるわけないじゃないですか!」


メイカ「バ、バレット…さんが…」


二人はうち解け合い メイカの顔にも笑顔が見えた


一方、バレットの炎、ジャントの格闘攻撃

ロッシはそのどちらも先程の"武具"で無効化していた

どころか、段々と距離を詰められて行き

背後は壁となっていく…


ロッシ「たかが水分の爆発と侮ってはいけないぞ?何故か

    それはコイツには充分な殺傷能力があるからだぁ。それ故に

    誰から死にたいか選びたまえ…」


TKC「…ちぃ…ジャントも体力が限界だ…」


バレット「くっそ…ふざけんな!」


やけになりバレットは大きな火炎を撃ち出す


ロッシ「ハハハハ!無駄だとわかって…ん!?」


再び"武具"を使用しようとしたロッシであったが

何故だか作動しなかった


ロッシ「なにっ…!?」


そして炎を食らいのけ反るロッシ

体勢を立て直すより先にTKCが凄い速さで迫り

そのまま胸板辺りに強烈な蹴りをお見舞いした


ロッシ「ぐあああぁぁ!!」

真後ろに吹き飛び気絶した

その背後で声がした


タクリ「うわっ、危ないってんだよ」


バレット「お前は…!!」


TKC「おぅタクリ、さっきは助かったぜ。小細工をどうも」


バレット「え?何が?」


TKC「要はロッシのケツ、つまり背後から空気中の水分ってやつを奪ったわけだな

    あんな小道具よりはタクリの方が水分を使うからな」


バレット「無駄遣いのプロか」


タクリ「黙ってろ」


TKC「まぁいいさホラ、それより彼女の保護だ

    それとバレット、お前にはちょっと付き合って貰いたいんだがいいか?」


バレット「あ、あぁいいぜ」



その後彼らは人気の無い裏道を脱出した

ロッシという男はTKCがとある上層の警察に差し渡すそうだ

やがてあの組織も総括を失い風化して解体されるだろうとのこと


メイカはと言うともう安全であるから家に帰そうとしたんだが「み、みなさんの役にたちたいんです!手伝わせてください!」と言い付いてきて

キョシは「私も付いていきますね」となんの躊躇(ためら)いもなく普通に付いてきた


結局全員でTKC達の居るとあるグループに入ることになったのだ



バレット「って!なんで勝手にお前らの仲間にされてんだよ!!」


TKC「いいじゃないか、俺たちはあらゆる事件を解決する能力者軍団ってわけさ

    う~ん、まあ今は他のメンバーは席をはずしてるがな」


タクリ「まぁコイツが仲間になればそこそこ戦力が充実しますしね」


TKC「あぁ、俺は氷の能力者って言うから冷静な奴かと思ってエースに任命したんだが

    まさか手柄を急いで公衆の面前で引ったくりするようなケツだとは思わなかったぜ」


タクリ「うっ…」


TKC「よって、バレット!お前が今日から俺たちチームのエースだ!」


キョシ「すごいじゃないですか!」

メイカ「え、エースと言えば凄く偉いですよ!」


バレット「あ…はい」


TKC「さぁメンバーも増えたし明日から大忙しだな!」


新たに加わったメンバーも含め5人には結束が見られた

さっさと帰りたそうな表情バレットと不満丸出しの表情のタクリを除けば彼らは正真正銘のチームだ!




次の日 ~サブリミナ第一刑務所~


ロッシ「ぐうぅ…私が何故こんな目に…くっ…くくく…

    ならば"組織"のことも洗いざらい吐いて奴等も道連れだ…」


???「なぁにそれぇ」


気づくとロッシの背後には少女が立っていた


ロッシ「なっ…誰だ貴様!一体どこから…」


???「武具をわざわざ貸し出してやったのにおじゃんにするしぃ

   素人能力者にボコられてムショぶちこまれるなんてぇ

   挙げ句私らのことをチクろうとするとはねぇ」


ロッシ「貴様…組織の人間か…!わ、悪かったって、許せ

    そ、そうだ、私から奴らスパイ共の情報を提供するから…」


組織の冷酷さを知っているロッシは

彼女が組織の人間だと分かると

助けを求め始めた


その声は看守たちにも響いた


看守A「なんだぁ?なんか騒がしいぞ」


看守B「おいどうしたぁ…えーと、ロッシ…ヒークロー…」


「ぎっぎゃあああああああああ!!」


その瞬間、巨大な爆発音と発光が起きた ロッシの叫び声も



看守A「ッ…なんだおい!」


看守B「おいお前何を…

    …うッ…これは…」



次の瞬間、看守2人が見たものは

多分"人間だったもの"であろう肉片だけであった

少女の姿も、そこにはなかった

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