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DNA異常者。

作者: 鈴露

私の名前は・・いや語る物でもないだろう私はごく普通の男性会社員だ。

そしてごく普通の日常で過ごしている。空は青く鳥も静かに鳴いている。


私の趣味は写真を撮る事だ。

だから会社に行くときも常に愛用の「一眼レフ」を首に下げている。


だが・・今日は少しいつもと違うようだ。

ふと私はいつも通る大通りではなく違う道を通ることにした。

裏通りだ。大通りとはあまり変わらない場所だが八百屋さんやらが建ち並ぶ商店街風だ。


「それでねぇ・・向かいの田中さんがねぇ」

「そうなんですかぁ」


等とお年寄り達やらの会話もチラホラ聞こえてくる。

そして私は十字路の前にきた一歩踏み出し向こう側へ渡ろうとした。


そのとき・・


後ろから一台の黒い乗用車が私の背中めがけて突っ込んできた。

当然のごとく私は後ろから跳ねられ地面に倒れた。

私は気づいてなかったがその際もう一人若い青年も一緒に私の後ろにいたことに気づいた。


その青年は気絶しているのか体にいたって外傷はなくただ膝立ちで頭を下に向けていた。

私がその青年に「大丈夫か?」と声をかける間もなく車からごく普通のいや・・少し不自然な黒いスーツをきた男が出てきて[DNA]の文字を消すように大きく斜めに線を引いた白に青のデザインのカード青年の前に置いた。


そして一言。


「そのカードの意味がわかるか?」


私は意味がわからなくその場に立ち尽くしていた。

そして男は青年からの返事がない事を数分待ち確認すると。

冷静な声でまた一言。


「DNA異常者に送られるカードだ。よって彼方あなたは異常者と見做し(みなし)た為この場で排除します」


そういうと車の中から数人、同じ服をきた男達が現れ青年を抱えこの町一番のクレーンのある場所へ連れて行ってしまった。


私は好奇心で面白そうだと男達についていき、クレーンがよく見える位置まで歩いた。

すると、青年はクレーンにつるされていた。

そしてシャッターをきった次の瞬間。


青年の体がはじけ飛び赤黒い大量の液体が下に雪崩落ちた私はカメラを抱え大通りの方へ走って逃げたが

間に合わず。

黒い波は大通りの方へ津波のように向かって着た。

私は流される前に標識につかまった。


私と同じく逃げていた人は助かったのだろうか。。そしてあの液体は何だったのか。。

考える間もなく私の意識は飛んだ。


次に目を覚ますと同じ場所だった。

いや、正確に言うと私は大通りの曲がる直前の場所に立っていた。


あの青年は?あの男は?波は?


私は流されたはずだ。

青年の体から出たあの赤黒い液体に。あの波に。

夢だったのだろうか?

皆何事もなかったかのように歩いている・・もし立ったまま夢を見ていたのならば悪い夢だ。。

今日はちゃんとこの道を通っていこう。。

私は大通りをいつもどおり歩いた。


だが、道の端の雑貨屋のお年寄りとその娘の言葉に耳を疑うことになるだろう。。


「黒い津波は何処にいったのかしら?」

「何行ってるのお母さん、黒い津波なんてなかったでしょ?」


夢ではなかったのか・・?

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