表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忌子物語  作者: あむ
34/46

【25話】日課(午後)

お昼寝まで終わり、午後の訓練に入る。

午前と同じく柔軟体操をし、また走る。

筋トレはしない。

若干の休憩に入る。


ラークは時間ある時に作った革袋に綿をぎっしり詰めた番号が書いてあるボールを10個を取り出す。

大きさは林檎くらいだ。

ラークがボールを投げて、ルナはそれを避ける。

その間にルナは常に両足をバタバタと地団駄を踏ませる。

そして投げられたボールを避けようとする。

当たって、近くにボールが落ちたら、その場で当てたボールを口に咥えさせ、

膝と肘を地面につけず、手と足の裏のみで四つん這いさせ、ボールをラークのところに持っていく。

まるでボール遊びをする鈍い犬のようだ。

これをラークは「熊歩き」と呼んでいた。

疲弊している肉体での熊歩きは非常にしんどい。

実際に疲弊した体ではなくても熊歩きは全身を使うためかなりきつい。

戻る時も熊歩きだ。


遠くにまで飛んでしまったボールは一旦放って置く。

そしてラークの手持ちのボールがなくなったら、ルナは拾うために全速力で走らせる。

ただ拾わせるのではない。

ボールに書いてある数字の小さい方から拾わせる。

もし順番を間違えたのならそのボールはそのまま置いて小さな数字を探す。

その際に散ったボールの位置や数字をラークは教えてくれない。

ルナは避けるその瞬間にもボールの番号とどこに飛んだのか覚えなければならない。

そしてその記憶力に頼り、散ったボールを探す。


ルナは率直な子である。

嘘をついたり、騙す行為はなかった。

ボールを拾うのに遅れたり、数字に迷ったら熊歩きだ。

全部探し終わり戻って来たら休む間もなくまた投げては避ける。


もし途中でルナが果ててしまったらプランク姿勢をさせる。

そして頭に水をぶっかける。

動けないルナを動かせるための、きつい休憩ではあった。

その繰り返しを二時間程続ける。


ボール避けが終わった後、休憩の後、素手でのちょっと特殊な組手を始める。

当然、相手はラークだ。

全ての武の元は素手である。

故にラークは武器を持たせずに組手で相手をさせる。

そして、ラークはルナに一切の攻撃を禁じていた。

そしてその基本となる形を教える事はなかった。

幾度も殴られ幾度も蹴られ幾度も投げられる。

色んな方法で倒される。

その度にルナは傷つき苦しむ。

肉体が悲鳴を上げる。

筋肉や骨が軋む。

肺や心臓が酸素不足で苦痛を訴え嘔吐する。

それでも続ける。

ルナはラークの攻撃の際に、彼の動きをよく観察する。

日を重ねるごとに次第にルナ自身が最も効率的で安定的に防御できる姿勢を覚えていく。

己を護る為の姿勢だ。

完全に我流である。

ラークの目的はそれだけではなかったが、それでも十分な成果である。

それを1時間くらい続ける。


日が暮れ始めるとルナの上半身くらいの棒を一つ渡す。

それを剣の様に持たせて基本姿勢四つを教える。

疲れ果てたルナは姿勢が乱れたり、基本姿勢四つの転換の度にふらつくが、その度にラークは厳しく指導する。


その間にティアラは自分の部屋で遊んだり、ローバの手伝いをした。

またティアラは自分の部屋で魔力制御の訓練をする。

全ての自然属性と明暗を併せ持つ彼女にとって、それぞれの属性を切り替える感覚を磨く事が重要だった。

最近はルナが頑張っている事を見て刺激されたのか訓練する時間がグンと増えた。


────────


夕食の時間になったら夕食をとる。

そしてルナはラークと共に温泉に入る。

お風呂でラークはルナの体を洗ってあげる。

そして横にさせ、全身に疲労やダメージが残らない様にマッサージする。

温泉の効果とラークのマッサージが相乗作用し、効果的に疲労やダメージを取っていく。


その後にローバの指導の下、ルナとティアラは礼儀作法を学ぶ。

挨拶の仕方から社交ダンスまで。

ティアラ一人では習得する事ができなかったものを共に学ぶ。


終わって自由時間になると、ティアラはルナと遊ぶ。

疲れ果てたルナは長くは遊べなかったが、なるべくティアラと遊ぼうとした。

寝る前にルナはラーク特製の回復効果があるお茶を飲み、ティアラと一緒に寝る。


ルナとティアラが一緒に寝る事をローバは反対していた。

いくら子供でも男女であるからだ。

しかしティアラのルナに対する愛着がとても頑ななものだったので結局ローバが折れてしまう。


ティアラはローバから逃げるように困るルナの手を取って部屋に入る。

それをローバは苦笑しながら見守る。

それに慣れてしまい結局、毎日一緒に寝る事になった。


ローバは夜こっそりティアラの部屋に入る。

村にいた頃とは違い、すっかり警戒心がなくなったルナだ。

疲れているのもあるだろう。

ティアラと一緒に気持ちよくスヤスヤと眠っている。

一方は黒髪で、もう一方は白金髪。

相対なる二人の子供が気持ち良さそうに寝ていた。


それを幸せそうに微笑ましくしばらく見つめた後、布団をかけ直して静かに出るのだった。


────────


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ