【第四話:悪行の拡大と影の支配】
賭博場の支配権を手に入れたことで、俺はこの町の裏社会にしっかりと足を踏み入れた。ここで得た金と影響力を利用し、次なる悪行へと進む時が来た。
賭博場の経営を軌道に乗せるため、まずはシステムの見直しを行った。イカサマを徹底し、客に小さく勝たせて大きく負けさせる仕組みを強化。そして、負けが込んだ客には借金を背負わせ、取り立て業務を強化する。
そのために新たな手駒が必要だった。
「おい、お前ら。俺の手足となって働け」
元々賭博場を仕切っていたチンピラどもを俺は傘下に置いた。彼らには取り立てや用心棒、さらには新たな事業のための駒として働かせる。
──ピロン♪ 【恐喝Lv2にアップグレード】
さらに、金を貸し付ける高利貸し業も開始。利息を倍々に増やし、返済不能に陥らせては財産を奪い、借金を理由に手下として雇い入れる。こうして、俺の支配網は着々と広がっていった。
さらに、賭博場の売上をもっと確実に俺の懐に流し込むために、内部の監視を強化した。場内にスパイを潜り込ませ、従業員が不正に金を着服していないかを厳しく管理する。これにより、俺の取り分を減らそうとする不届き者はすぐに排除できる仕組みが完成した。
次に目をつけたのは、武力の強化だ。戦闘能力を持たない俺が生き延びるには、強い奴を従えるしかない。
情報を集めた結果、町の外れに流れ者の傭兵たちが溜まる酒場があると聞いた。ならば、そこに乗り込んで優秀な戦力を確保するしかない。
酒場に入ると、屈強な男たちが酒を飲み交わし、荒々しい笑い声が響いていた。その中で、特に異彩を放つ男がいた。片目に傷のある大男、剣を背負い、腕には無数の古傷がある。
(こいつは使えるかもしれんな)
俺は「言いくるめ」のスキルを発動し、男の隣に腰を下ろした。
「よぉ、強そうな奴じゃねぇか」
男は俺を一瞥し、鼻で笑った。
「小僧が何の用だ?」
「お前、強いんだろ? だったら儲け話を持ってきた」
「ほう?」
俺は賭博場の警護、取り立て、さらには裏の仕事を任せるという名目で男を勧誘した。金と仕事をちらつかせ、スキルの効果も相まって、男の興味を引くことに成功。
「……悪くねぇ。俺の名はガルザ。お前の話、乗ってやる」
こうして、俺は初めての実力者を配下に迎えた。
戦力を得たことで、さらに悪行を拡大する準備が整った。俺は町の裏社会のバランスを崩し、より大きな権力を握るために次なる一手を考え始めた。
「次は……役人どもに食い込むか」
俺は役人たちの弱みを探り、賄賂や脅迫を用いて彼らを支配下に置く計画を立てた。この町の行政を牛耳ることができれば、裏社会の頂点へと上り詰める足掛かりになる。
まずは役所に潜り込み、金の流れを調査する。公金横領、不正契約、権力の私物化──役人どもがやっている汚職を探し出し、それを握って奴らを従わせるのだ。
「お前ら、役人に詳しい情報を持っている奴を探し出せ。ついでに、連中が隠してる悪事を暴くぞ」
俺の命令により、部下たちは動き出した。金と脅しを駆使すれば、どんな情報も手に入る。町の支配はもう目前だった。
俺の悪の支配は、まだ始まったばかりだった。