表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/32

【第三話:闇の取引と賭博場の支配】

スキルポイントを使い「盗み」と「言いくるめ」を取得した俺は、さらにこの町を食い物にするための策を練っていた。

(この町の秩序を崩し、俺に都合のいい環境を作る……そのためには、裏社会に入り込むのが手っ取り早い)

市場での盗みが成功し、手元には金貨の入った小袋がある。だが、これだけでは長くは持たない。金を継続的に手に入れられる仕組みが必要だ。

そんなことを考えながら町を歩いていると、裏路地で怪しげな取引をしている男たちの姿が目に入った。筋骨隆々の大男と、細身の商人風の男。どうやら闇取引らしい。

(いい機会だ……こいつらに潜り込めば、裏社会の情報が手に入るかもしれない)

俺はすかさず「言いくるめ」のスキルを発動させ、商人風の男に近づいた。

「おい、こんなところで取引とは、なかなかやるな」

男は驚き、警戒の色を浮かべた。

「……何者だ?」

「ただの通りすがりさ。でも、そんなに焦るな。俺はお前にとって悪い話を持ってきたわけじゃない。むしろ儲け話をな」

俺はすぐに話を作り上げた。例えば、偽造金貨の流通ルートを知っている、盗品を高値で売れる場所がある、などと適当にでっち上げる。スキルの効果か、男の表情が少しずつ和らいでいく。

「……面白い話だな。お前、名前は?」

鬼頭悪行きとう あくゆきだ」

「俺はクランツ。闇で取引をしてる者さ。お前みたいな奴とは気が合いそうだな」

こうして、俺は闇取引の世界に足を踏み入れた。


クランツを通じて、俺は町の地下賭博場の情報を手に入れた。この賭博場は町の貧民たちが集まる場所で、そこそこな金が動いている。胴元は地元のチンピラ崩れの男たちだが、彼らは所詮小物だ。

「この賭博場を俺の支配下に置けば、金も情報も手に入る……」

俺は賭博場に入り込み、まずは客として振る舞った。サイコロやカードを使ったギャンブルが行われていたが、ここで俺は「詐欺」のスキルを活用し、イカサマで大勝ちを重ねた。

──ピロン♪ 【詐欺Lv2にアップグレード】

勝ちすぎれば当然目をつけられる。案の定、チンピラ風の男たちが俺を取り囲んだ。

「おい、お前……ちょっと話がある」

「おや? 俺は正当に勝っただけだが?」

「ふざけんな! こっちがイカサマしてるのに負けるわけねぇんだよ!」

自らイカサマを認めるあたり、やはり頭の悪い連中だ。

「なら交渉しようぜ」

俺は笑みを浮かべながら提案した。

「俺をこの賭博場の仕切り役にしろ。そうすりゃ、お前らの稼ぎを倍にしてやる」

男たちは顔を見合わせた。

「……証拠は?」

俺は先ほどのイカサマを逆手に取り、賭博場の運営に組み込むことで利益を最大化する手段を提示した。奴らにとって、金になる話は魅力的だったらしい。

「……いいだろう」

こうして、俺は賭博場の支配権を手に入れた。


その夜、俺は手に入れた金貨を確認しながら、今後の計画を練っていた。

(この町での俺の立場は固まりつつある……次は、さらに上を目指すか)

そして、さらなる悪行への準備を始めるのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ