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第二十話:騎士団の弱点を握れ

 アルフォンスの町を支配するための次なる標的は、騎士団だった。

 商業組合を押さえたことで、町の経済はほぼ掌握した。だが、それだけでは不十分だ。武力を持つ騎士団が独立して動いている限り、俺の支配は盤石とは言えない。

 そんな中、カリムが興味深い情報を持ち帰ってきた。

「悪行様、明日は騎士団の連中が休暇に入る前日です。大半が繁華街で遊ぶとのこと。」

「ほう……それは良い情報だな。」

「しかも、騎士団員の多くが飲食店に多額のツケを溜めており、いくつかの店では取り立てができず困っているようです。また、娼館や酒場の従業員と不倫関係にある者もいるとか。」

「それは……非常に使えるな。」

 騎士団は町の治安を維持する役目を担っているが、こうした醜聞を持っていれば世間に晒されれば立場を失いかねない。

 俺は商業組合のネットワークを駆使し、さらに詳細な情報を収集させた。

「借金、酒、女、暴力……実にわかりやすい連中だ。」

 そして、俺はスキルを駆使し、騎士団を自分の手駒にする計画を立てた。


 騎士団への罠

 夜、俺は数人の部下を引き連れて繁華街へ向かった。

 酒場や娼館が立ち並ぶこのエリアは、騎士団の連中にとっても憩いの場だ。普段の鍛錬や巡回の鬱憤を晴らすため、彼らはここで散財し、羽目を外している。

 俺は繁華街の有力者たちに圧力をかけ、騎士団員の飲食記録や未払いのツケをまとめさせた。そして、娼館の女たちにも情報を提供させ、誰がどんな関係を持っているのかを詳細に把握した。

「さて……交渉開始だな。」


 スキルによる支配

 俺はスキル「強制交渉」を発動させた。

 このスキルは、相手にこちらの話を有利に進めさせる効果を持つ。ただし、一度に使える回数に限りがあるため、要所要所で活用しなければならない。

 俺は騎士団の副団長・ギルバートと接触した。

「お前は……誰だ?」

「俺はお前の未来を救いに来た者だよ。」

「何のことだ?」

 俺は机の上に分厚い書類の束を置いた。

「これは、お前の部下たちの未払いのツケ一覧だ。娼館、酒場、高級料理店……面白いことに、全員が多額の負債を抱えている。」

 ギルバートの表情が険しくなる。

「それがどうした……? そんなもの、俺たちの問題だ。」

「まだ慌てるのは早い。俺はもっと興味深いものを持っているぞ。」

 俺はさらに別の紙束を差し出す。

「これは、お前の部下の一部が町の女たちと不倫関係にある証拠だ。手紙の写し、密会の目撃情報、さらには決定的な証拠となる品々も揃えてある。」

 ギルバートの顔が一気に青ざめる。

「貴様……何が目的だ?」

「簡単な話だ。お前の騎士団は今後、俺の意向に従え。それだけで、この情報は一切外に漏れることはない。」

「ふざけるな! 騎士の誇りを……!」

 俺はここでスキル「恐怖の囁き」を発動。

「本当に誇りを貫きたいなら、この情報が明るみに出た時のことを想像してみろ。貴族は騎士団に対する信頼を失い、お前は地位を剥奪されるだろう。お前の部下たちはどうなる? 罪を問われ、投獄される者もいるかもしれないな。」

「くっ……。」

 ギルバートは拳を握りしめた。

「選択肢は二つだ。俺に従い、騎士団を維持するか……それとも、自分の信念と共に全てを失うか。」

 俺は最後の一押しとして「幻惑の言霊」を発動。

「俺に従うのが最善だ……お前はそれを理解しているはずだ。」

 ギルバートの目が揺れ、やがて苦しげに頷いた。

「……わかった。だが、どうやってお前の指示を受け取ればいい?」

「心配はいらない。俺の部下が定期的に連絡を入れる。その通りに動けばいいだけの話だ。」

 俺はギルバートと固く握手を交わした。


 騎士団の支配完了

 こうして、騎士団の中枢を押さえ、俺の支配下に置くことに成功した。

「これで町の支配はほぼ完了したな。」

 次に残るは歓楽街……ここを押さえれば、この町の完全な支配が成る。

 だが、その矢先、俺の元に一報が届いた。

「近隣の貴族がこの町に目をつけ始めている」

 俺は一筋縄ではいかない戦いの幕開けを感じながら、新たな計画を練り始めた。


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