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【第十六話:停滞と打開策】

 ギルドを掌握し、商人の一部を追い詰めたものの、俺の計画は完全に順調というわけではなかった。

 町全体を支配するには、まだ障害が多すぎる。

 最大の問題は──町長・エリック・バルフォードの存在。

 ギルドは俺の手中にあるが、町の行政を担う町長の権力はまだ健在で、俺の支配を本格的に進めるには彼をどうにかする必要がある。

 だが、町長を正面から屈服させるのは難しい。

 ・民衆からの支持が厚い

 ・近隣の町や貴族とコネクションがある

 ・強力な護衛を抱えている

 暗殺という手も考えたが、町長が死ねば即座に町全体が警戒態勢に入る。

 そうなれば、俺の支配計画は完全に狂う。

(……ならば、スキルを活用して何とかするしかないか)

 俺は自分のステータス画面を開き、スキルの一覧を確認した。


 現在のスキル

【基本スキル】

 ・《悪行収集》──悪事を働くと経験値を獲得

 ・《欺瞞》──嘘をつく際、相手の警戒心を低下させる

【取得済みスキル】

 ・《服従強制》──特定の条件を満たすと相手を意のままに操る

 ・《呪詛の契約》──相手に強制契約を結ばせる

 ・《恐怖支配》──相手に極度の恐怖を植え付け、命令に従わせる

 スキルをどう使えば、この状況を打破できるか……?

 俺はしばらく考えたが、いくつかの問題が浮かび上がった。


 問題点

 1.町長にはスキルが効かない可能性が高い

 町長のような権力者は、基本的に精神耐性や特殊な防御手段を持っている。

 《服従強制》や《恐怖支配》が通じるかは未知数だ。

 2.町の人々の支持を奪うのが難しい

 俺がギルドを掌握しても、住民が町長を信頼し続ける限り、支配は不完全なものになる。

 3.近隣の勢力の介入リスク

 もし俺の動きが大きくなりすぎれば、近隣の町や貴族が介入してくるかもしれない。

(……これは厄介だな)

 俺はスキルをどう活かせばいいか、頭を抱えた。


 スキルの活用法を模索する

「……やはり、スキルの強化が必要か?」

 現在のスキルでは限界がある。

 しかし、スキルポイント(SP)を振り分けることで、新たなスキルを習得できる。

 俺はこれまで溜め込んでいたスキルポイントを確認した。

【現在のSP】

 ▷ 8ポイント

(……8か。決して多くはないが、何か有用なものを習得できるかもしれん)

 俺はスキル習得画面を開き、新たなスキルをチェックした。


【新規スキル一覧】

 •《影の囁き(4SP)》──相手の潜在的な不安を増幅し、疑心暗鬼にさせる

 •《精神撹乱(6SP)》──対象の思考を歪め、混乱を引き起こす

 •《絶対服従(10SP)》──スキル対象を完全に支配する(ただしポイントが足りない)

(……この中なら、《影の囁き》と《精神撹乱》の組み合わせが使えそうだな)

 俺は合計10SPを消費し、新たなスキルを習得した。


  新たな作戦を考える

 《影の囁き》と《精神撹乱》を組み合わせれば、町長を直接操るのは無理でも、周囲の信頼を崩すことができるはずだ。

 俺は町の住民たちに、少しずつ情報を流し始めた。

「町長が最近、商人と密会しているらしい……」

「ギルドが町長の支配に不満を持ってるとか……」

 このような噂を意図的に広めることで、住民たちの疑心暗鬼を煽るのだ。

 さらに、《影の囁き》を使い、町長の部下たちの間でも不信感を植え付けた。

「……最近、町長は妙に落ち着いている。何か裏があるのでは?」

「ギルドを掌握した魔王軍と密約を結んでいるのかもしれない……」

 こうして、少しずつ町長の信用を崩壊させていく。


 しかし、事態は思わぬ方向へ

 俺の計画は順調に進むかに見えた。

 だが、思わぬ形で問題が発生した。


 町長が自ら動き出したのだ。

「ギルド支部の動向が不穏である。今後、さらなる監視を強化する!」

 町長はギルドに対して圧力をかけ始め、俺の動きをけん制し始めた。

「……チッ、なかなかやるじゃねぇか」

 俺の策がまだ町長には通じていない。

 このままでは俺の支配計画が遅れてしまう……。

(次の一手が必要だな……)

 俺は更なるスキルの活用と、新たな作戦を考え始めた。

 支配はまだ終わらない


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