表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/32

【第十五話:新たなる支配】

 ギルド支部長・グルドを支配下に置いたことで、俺はこの町を手中に収めるための第一歩を踏み出した。

 だが、ここからが本番だ。

 ギルド支部があるこの町は、単なる小さな町ではない。

 交易の要所であり、多くの冒険者や商人が行き交う重要拠点だ。

 そのため、支配するには慎重な計画が必要になる。

 さらに、この町にはまだ俺に敵対する勢力がいる。

 ギルド内部の反対派、元々の統治者である町長、そして俺の支配に不満を持つ住民たち……。

 すべての勢力をねじ伏せなければ、完全なる支配は果たせない。

 だが、だからこそやりがいがある。

 俺はゆっくりと笑みを浮かべながら、次の一手を練り始めた。


 第一段階:ギルド支部の掌握

「──では、これよりギルドの新たな方針について話し合う」

 ギルド支部の会議室に、幹部たちが集められた。

 俺はその場に姿を見せず、グルドを通して指示を出す。

「これまでのギルドのやり方は通用しない。新たな体制を整え、より効率的なギルド運営を目指す」

 会議室がざわつく。

 幹部の中には、当然この方針に不満を持つ者もいる。

「支部長、それはどういう意味ですか?」

「まさか、魔王軍に屈するというのですか?」

「我々の誇りを捨てるのか!?」

 俺はその様子を隠し部屋で観察しながら、グルドがどんな対応をするのか見極めていた。

 すると──

「黙れ!!!」

 グルドが机を叩きつけ、大声を張り上げた。

「これ以上の抵抗は、町の未来を危うくする! 我々は町を守るために最善の選択をしなければならん!」

 その表情には、かつての気迫が微かに残っていた。

 だが、俺が仕込んだ呪詛の影響で、彼は自分の意志を持つことができない。

「よし、いいぞ……」

 俺はニヤリと笑い、さらに策を練った。


 第二段階:町長との交渉

 ギルドを掌握しても、町全体を支配するには町長を従わせる必要がある。

 この町の町長は、エリック・バルフォード。

 堅物な性格で、正義感が強いが、保守的な考えの持ち主でもある。

 俺は、彼を従わせるための策を考えた。

「……強引にやるのは得策じゃないな」

 町長を無理やり脅しても、周囲の住民たちが反発するだけだ。

 そのため、まずは周囲からじわじわと締め上げていくことにした。


  第三段階:町の経済の掌握

 俺はギルドの交易記録を調べ、町の経済を支えている主要な商人たちをリストアップした。

 その中でも特に重要なのは──

 ・穀物を仕入れる商人

 ・鉱石を流通させる商人

 ・武器を卸す鍛冶屋

 この三者が町の経済の中心だ。

 彼らを俺の側に引き込めば、町長の力を削ぐことができる。

「さて、どう料理してやるか……」

 俺は、各商人に刺客を送り、徹底的に交渉を仕掛けた。


 第四段階:思わぬ反撃

 だが、俺の計画はここで一つの誤算にぶつかった。

「お断りします」

 俺の使いを通じて取引を持ちかけた商人の一人、グスタフが、あっさりと拒絶したのだ。

「……ほう」

「私はこの町を愛している。貴様のようなならず者に協力するつもりはない」

「なら……お前の家族はどうなるかな?」

 俺が脅しをかけると、グスタフは眉をひそめたが、怯えなかった。

「私の家族を狙うのか? ならば、ギルドに報告しよう」

「……フッ、ならば報告してみろ」

 俺はすでにギルドを掌握している。

 報告したところで、何も変わらない。

 だが──

「町長はそうはいかないだろうな」

 グスタフは町長と密接な関係にあり、俺のやり方が広まれば、町長が本格的に動き出す可能性がある。

(……面倒なことになったな)

 俺は冷静に対策を練った。


 第五段階:計画の修正

 俺は即座に計画を修正し、グスタフの信用を失墜させる策を実行することにした。

「簡単なことだ……奴を『裏切り者』に仕立て上げればいい」

 ギルドに、グスタフが敵国と密通しているという偽の情報を流す。

 さらには、彼の商店にこっそりと魔王軍の紋章を仕込む。

 そして、その証拠を町長に送りつけるのだ。

 数日後──

「グスタフが裏切り者だという証拠が出た!」

 町中にその噂が広がり、グスタフは窮地に立たされた。

 町長もすぐに動き、グスタフは監視下に置かれた。

「ハハハハ……これで一歩前進だな」


 まとめ:支配の足掛かり

 ・ギルドは完全に掌握

 ・町の経済の中心人物を追い詰めることに成功

 ・次のターゲットは町長そのもの

 俺は支配への道を着実に進んでいる。

 だが、まだ苦戦は続く。

(町長の動きが予想以上に早い……)

 油断はできない。

 俺はさらなる策を考えながら、次なる一手を打つ準備を始めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ