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22話 第二次百鬼夜行編〜作戦会議〜

 その場にいる俺以外の全員が絶句する。まぁ、無理もない。

 俺自身、かなりめちゃくちゃな事を言っているのは充分理解している。


「第二次百鬼夜行とは聞き捨てなりませんね……それに、盛大な茶番劇とはどういう事です?」


 月白さんが、明らかに困惑した様子でそう尋ねてきた。


「つまり、百鬼夜行の真似事で陰陽寮の注意を引き付けて、同時に少数精鋭で高天原に殴り込むって事ですよ。テキトーに理由付けて連戦で疲弊した陰陽寮の本丸を、天生の会の皆さんが無血で制圧して、全国の陰陽師に降伏を促す。その混乱に乗じて高天原に乗り込むまでの一連の流れを、とりあえず『第二次百鬼夜行』って呼んでるだけです」


 自作自演の茶番劇。人はこれを、マッチポンプという——。


「なるほど、そういう話ならば全面的に協力しましょう。何より、非殺傷での制圧であれば私の権能は適材適所ですので」

 

 それは頼もしい限りだ。とりあえず月白さんは陰陽寮本丸制圧に配置で、他の戦力配置はどうしようか?

 なんか不謹慎だが、戦略シミュレーション系のゲームをしている時のような感覚だ。

 よし、一度全員集めて作戦会議としよう。



▷▷▷


 

 ただいま作戦会議中——、


「この作戦を実現する為には、私が陰陽寮の制圧をする際に、皆さんの中から誰かが道満の足止めの為に残ってもらう必要があります。高天原への突入隊の戦力を切り詰める事にはなりますが、私と道満の戦闘能力はほぼ互角……まともにぶつかればお互いに無事では済まない」


「そこで、作戦の成功率を上げる為には足止め役が必ず必要なのです。どうかご理解ください」


 闇雲に戦力を分散するのは危険だが、月白さんが言っている事も一理ある。

 問題は、誰が残るかという事なのだが——、


「我は当然、我が従僕と共に戦うぞ」←惑楽葉


「当然私も旦那様と一緒に行きます!!!」←長門


「皆さん、誰か忘れちゃいませんかってんだ……です」←晴華


 ——現在、『誰が月白さんの護衛の為に道満を足止めするか』でめちゃくちゃ揉めております。

 長門と惑楽葉は、まぁ理解できるとして…………


「晴華、お前何をそんなにムキになってるんだ?」


「当然でしょう。この才色兼備かつ有能万能大天才の晴華ことこの私が、スタメン落ちなど…………認められるかァァァァァァァァァ!!!!!」


 ——いきなりキレた!?というか自己肯定感たけーなオイ。


「いや、別にスタメン落ちとかねーから」


「お願いしますぅぅぅぅぅぅぅ!!!!どうか汚名挽回のチャンスをくださいぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙!!!!次こそは月詠のアンチクショウをムッコロしますからァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!!!!」


 うわァ…………ガチで駄々こね始めた…………

 なんというか、本エピソードでの晴華のキャラ崩壊が著しいが、あいつなりにミオリを守れなかった事を気にしてはいるのだろう。気にするな……とは言わんが、月詠に手も足も出なかったのは俺も同じだ。

 ならば、今俺がかけるべき言葉は——、


「晴華、気持ちはわからんでもないが……今は個人のプライドよりも作戦の成功率を上げる事を考えよう。これはお前にしか頼めない事なんだ」

 

「…………お兄様✨」


 よし、あと一押しくらいすれば説得できそうだ。


「お前は俺の自慢の妹だ。引き受けてくれるな?」


「もちろんですともッ!!!(ドヤァッ!!!)」


 ……うちの妹、案外チョロいかもしれない。


「では、決まりですね」


 月白さんのその一言で、話はまとまり会議は終了する。

 こうして、正式に晴華が月白さんの護衛兼道満の足止め、長門、惑楽葉、俺が高天原への突入隊に決定した。

 作戦決行は明日、それまでしばし休むとしよう。

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― 新着の感想 ―
 まずは慢性的な経済格差によって市民の不満を溜めさせる→爆発する少し前になったら市民に武器を供与して武装デモを誘発させる→デモ隊と警備隊が睨み合い始めたら、警備隊側に被害が出るように適当に爆発を発生さ…
作戦会議の時からギャグの全力疾走ですね(ぇ まさかまさかでなごみましたわ……これで次回から適度に肩の力を抜いて読めます(`・ω・´)
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