表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/22

14話 天生同盟

リタside


 ヤコと一時的に別行動する事となった私は、空を飛びながらもう一人の陰陽師と御織女之神(みおりめのかみ)を探す。

 何を隠そう私は魂魄のみで時空を漂流し、独力で転生を繰り返した過程で得た力を全て自分の物として使う事が出来る!!(ドヤァ✨)

 この飛行能力もその一つ。

 簡単に言えば、今まで蓄積した他の世界線における自分自身の経験や技術を、いつでもどの世界線でも使えるって事。

 要するに経験値の引き継ぎや、俗に言う『強くてニューゲーム』ってやつ〜……

 まぁ、転生先の世界線における法則などの影響で多少のデバフ受ける事もあるけど。


「見つけた〜……って、なんかピンチっぽい?」


 やはりと言うべきか、御織女之神(みおりめのかみ)は既に連れ去られた後。

 そしてもう一人の方も既に陰陽師連中に包囲されていた。

 とりあえず、今助けられる方だけでもなんとかしようか——。


雪崩早葬(なだそうそう)!!!」


 魔法で招来した雪崩の質量攻撃による氷属性と物理属性の私オリジナル魔法。

 さらにダメ押し!!!


暴風狂嵐の(ゲイルストリーム•)蒼翼(オーバードライブ)!!!」


 辺りの環境を一瞬で吹雪に塗り替えて、サクッと陰陽師連中を制圧〜……


「う……あなたは……?」


 って、しまったァァァァ!?

 辺り一帯吹雪にしたから救出対象のコも凍えてるぅ!?


「とりあえず私は味方だけど、話は後!!あなたの兄さんの所に急ぐよ!!」


     ↓


「というのが事の顛末でございます…………ハイ……」


 ヤコ達と合流後、私は吹雪で凍えた晴華さんの応急処置をしながらヤコに無言で頬を引っ張られている。

 あれ?私また何かやっちゃいました?(反省)


リタside 終



▷▷▷



 天生(転生)同盟の2人目、リタの活躍により晴華が無事に戻ってきた。

 どうやらまだ、俺達の戦いは終わらないようだ。


「助けてくれてありがとうな」


 一応、俺は2人に礼を言っておく。こいつら天生(転生)同盟の目的はまだはっきりとわからないが、ひとまずは協力してくれるようだからその厚意には素直に甘えておこう。

 それに、この2人の協力がなければ俺達は誰一人として助からなかった事もまた事実だ。

 だが、経絡を既に失った今、どうすればいい?

俺は生まれつき経絡に異常があるようで、神々から授かった擬似経絡無しでは陰陽道を使えない。

 なんでも、『先天性経絡異常症』という病名が付いてて安倍家の陰陽師には時々見られる症状らしい。

 今まで俺が落ちこぼれ扱いだったのも主にこの病のせいだ。

 この病があった故に晴華が生まれた時点で両親から見放され、ロクに期待されず、常に劣った存在として扱われた。

 そして今や、擬似経絡すら失った。ミオリを救う事を諦めるつもりは微塵もないが、もうどうすればいいのかわからない——。


「ちょいと失礼〜……」


 唐突にリタが俺の額に手を当ててきた。


「やっぱりね〜……病気というか血統に由来する呪いのような物か、経絡がマトモに機能してないね〜……こりゃあ、ちゃんとした霊媒治療受けないと」


「っ!?」


 こいつ、今ので俺の病を見抜いたのか!!!


「流石だなリタ…………治せるのか…………」


 ヤコが無表情でそう呟いた。狐耳のようなアホ毛が揺れ動く。


「いや?治せないけど〜……?でも治せる存在(ヒト)を知ってる」


 ……………………はい?


「そうか…………残念だ………………」


 心なしか、ヤコがリタに向ける視線が冷たくなった気がする。


「もうやめて!!私のライフはとっくにゼロよ!?」


 なんかリタが勝手にオーバーキルされてるが、それはさておき…………


「さっき、治せるやつを知ってるって言ったよな?そいつはどこにいる?」


 俺はそう尋ねる。正直、こいつらはどこまで信用していいのかわからないけど、それでも目の前の情報に飛びつくしかなかった。


「そのヒトの名は、『九重 十六夜(ここのえ いざよい)』……妖怪の隠れ里に住んでる。詳しくは直接会って確かめるといい」


「そして一番肝心の、妖怪の隠れ里に行く方法だけども『まず案内人を探す事』、その後に『亰都の伏見稲荷大社の千本鳥居を時速120キロ以上で走り抜ける事』、いいかい?先に必ず案内人を探すんだよ?」


 リタはそれだけ伝えると、ヤコと共にその場を去っていった。

 『案内人』、『時速120キロ以上で千本鳥居を走り抜ける』……

 なんだろう?なんか既に、少しだけ心当たりがあるんだが?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 案内人が必要なのは、案内人がいないと地形そのものが絶えず変化する、もしくは幻術によって惑わされるから必ず迷うのは分かるとして。  時速120km以上って数字だけやけに具体的なのが怪しいところです。
某カンフーでハッスルな映画の主人公みたいな、荒療治も同然な超暴力を受けて偶然すべてが繋がって無双同然……そんな結末がふと浮かんだぜ(ォィ まぁどっちにしろただで無双できるなんて事はないでしょうがさて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ