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5話 暗黒の森1ーもふもふしたい才女ー

ブックマークしていただきありがとうございます。


「故国の才女は存在自体がチートでした」5話になります。

お付き合いのほどよろしくお願いいたします。


25/01/09

エピソードタイトルを変更しました。


25/01/17

全体的に内容の修正を行いました。


「う、んん、ん〜?」


目が醒めた私は、寝ぼけ眼を擦りながら周りを見回した。


(私、眠っていたのね・・・)


どのくらい眠っていたのだろうか、数時間か、それとも数分か。

ちょっと休憩のつもりだっだけれど、疲労の限界に達していた私はこの樹木に背中を預けた途端に眠ってしまったようだ。

それにしても。


(痛たた・・・、このままだと、動くのもままならないわ、ね。)


慣れない姿勢で寝てしまったせいなのか、身体の節々が特にお尻のあたりが酷く痛む。


「こうやって、ん〜〜〜っと」


私は痛みの酷いところをいたわりながら、手脚をぐーっと伸ばして、慣れない姿勢で眠ったせいですっかりと凝り固まってしまった身体をほぐした。

動かしたことで痛みが少し和らいだ私は、考えを巡らせる。


この一面、黒一色の場所には日の出も日没も無い。

最初の頃は意識的に時間の経過を気にしていたけれど、まるで時間が止まっているかのように変化のない風景と溜まった疲労で途中から何時なのか曖昧になってしまった。

それに寝てしまったから、もうどのくらい経っているのか全く分からない。眠ってしまうまでの感覚では、この森の入り口に辿り着くまでに、多分二日以上経っているはずなのは確かである。


これ以上ここに留まっているわけにはいかない、私には早急に解決しなくてはならない問題があるのだ。


(早く顔を洗って、それから森に入りましょう。いい加減、本気で食料のことも考えなくてはいけないし。)


その問題とは食料である。今の今まで後回しにしていたものだから、おおよそ二日以上魔法で出した水以外は何も口にできていない。

もちろんここに来るまでに探すには探してみたのだが、食べられそうなものはおろか、そもそも何か『物』自体を見つけることができなかった。

もしも、このまま何も食べられなければ身体が根を上げるか、あるいは病気になって体調を崩すかのいずれかだ。どちらが先になったとしても近いうちに動けなくなってしまう。


そんなことは考えたくはないが、そうなってしまっては、私ごときの回復魔法では手も足も出ない。動けなくなってしまったら、そこで私の冒険は終わり。何としてもそれだけは防がねばならない。

だから、こうして森を見つけたからには何か食料になりそうなものを確保することが今の私の最優先事項なのであった。


(森の中に何か食べられるものが、望めるのなら栄養価が高くて、簡単に食べることのできる何か果物の樹木でもあればいいのだけれど。)


しかし、眼前に広がる風景を見ていると、この場所に「本当に食べられるものなんて見つかるのだろうか」そんな考えが頭をよぎる、思いたくもない不安が襲って来る。

私はすぐにそんな怯えをかぶりを振って振り払う。今は立ちすくんでいる場合ではない。


せっかく自由にはなれたのだ、私はこのままここに居たいなんて微塵も思っていない。

ましてや、こんな場所で一人ひっそりと朽ち果ててゆくなんてまっぴらごめんだ。

私は今すぐにでも出口を見つけてこんな場所から出て行きたい。そのためには最低でも生きなければならないのだ。

考えて、考えて、足掻いて、足掻いてやるだけだ。


そのためならば真っ黒なリンゴだろうが、キノコだろうが、多少見た目が悪くても食べられそうなものは食べていくまで、ではあるのだが。


(いくらなんでも土なんて食べられるわけないでしょう。それと、やっぱりキノコは、止めておきましょう、逆に寿命が短くなりそう。)


なにはともあれ、睡眠環境としては生きてきた中で一番最悪だし、まだ疲れは完全に取れてはいないけれど、十分に眠ったことで気分はだいぶ良くなった。

これならば、森の中を問題なく動けるだろう。


とにかく今は前に進もう、それしか道は残されていないのだから。

決意を新たにした私は、力強く立ち上がると、ドレスをパッパッっと軽く叩いて気合を入れなおす。


(まずは、洗顔よ。お顔も気分もさっぱりさせたいわ。本当は湯浴みでもできれば、最高なのだけれどね。)


私は早速、流水魔法フォスィトで水を出して洗顔を始めた。


~~~~~~~~~~~~


パシャパシャと手から出した水で洗顔と水分補給を終えて、気持ちを切り替え終えた私は、水の滴る顔を拭こうとドレスのポケットに手を伸ばした。


「ハンカチ、ハンカチ~、ん?」


しかし、すぐに私の注意はハンカチではなく、別の方向に持っていかれる。


(なにかしら?森の方?)


なぜなら、それはほんの一瞬だったが、森の方向から微かな物音がしたように感じたからだ。

本当に微かな音だったから、気のせいかと思ったけれど、改めて耳を澄ましてみると、今度はしっかりとカサ、カサ、ガサッという小さいけれど草木が擦れるような音が聞こえてきた。


(何かいる!?)


半ば気のせいだと思っていたものが、気のせいではないと判明した途端、私の心臓の鼓動は自分でもそれが感じられるくらいに跳ね上がった。


(ど、どうしよう。)


今の私は顔はびしょびしょで、とてもじゃないけれど準備なんてできていない。さらに都合の悪いことに草木を揺らす音はどんどん大きくなっている。


(えぇ!?なんでこっちに来るの!?こっちには何もないんだから、あっちに行きなさいよ!もう!)


私はぐっと奥歯を噛み締めた。とにかく今は隠れてやり過ごすのが最善だと判断した私は、水の滴る顔はそのままにして、近くの樹木に背中をぴったりと押し付ける。

そして、一度だけ深呼吸をしてから息をひそめると、そっと森の方を覗き込んだ。


(?? あれはなにかしら?あんなところに、白いものが浮いているなんて。)


覗き込んだ先に見えたのは真っ黒な空間に浮かんでいる白い物だった。

白い物は右に左に忙しなく動き、動くたびに形を変える。それは常に歪な形をしていて、消えたかと思えばまた姿を現し、時には複数に分かれたり、また一つ合わさったりするのだ。

冷静さを欠いていた私は、一瞬それが何なのかわからなかった。けれど、どうしてそんな風に見えているのかがわかってしまえばなんてことはない、白い物の正体はすぐにわかった。

それを裏付けように音がするのだ。白い物が動くとガサガサと葉が擦れ合うような音を立てているから間違いないだろう。


(なんだ、草も真っ黒だから茂みの隙間から見える姿が浮いているように見えたのね。見たところ人ではなさそうだけど。そうなるとあれは動物かしら?)


白い物が何かの動物であることは分かったが、どんな動物なのか見て取れる姿だけではわからない。揺れ続ける白い動物の様子を伺いながら自分の置かれた状況を整理する。

今、私の手元には護身具になりそうな物は何もない。丸腰だ。

そして、ここには私一人だけ、いつものように護衛は居ない、自分の身は己の身一つで守らなくてはならない。

とはいえ、私は皇国の貴族令嬢だ。護身の訓練は一通り受けたし自衛の手段が何もないわけではない。けれど、それは所詮は訓練であって、実戦の経験がほとんどない私が武器も持たずどこまでやれるだろうか。

正直なところ自信はなかった。


それに、この場所はあまりに異質で何があるのかわからない。

音の主は一頭だけでそれも大型の動物ではなさそうだが、私の知らない動物である可能性がある、どんな動物なの分かっていないうちはたとえ数が少なく大きくないとしても油断をするのは危険だろう。

傷でも負ってしまえば、そこから得体の知れない病気をもらう可能性もあるのだ。病気はまずい。

しかし、それ以上に最悪なのは。


(まさか・・・、魔物だなんてことないでしょうね。)


もしもあれが魔物ならば最悪だ。脅威は動物とは比較にならない。動物よりもさらに凶暴で素早く強いのだ。たった一匹の魔物に皇国の騎士ですら一瞬にして命を失うことだってある。

私一人で戦うのはただの無謀にすぎない。


無論、貴族の義務は理解しているし、必要であれば剣を取る覚悟はできている。

それも、手に取る剣があれば、の話だが。


(剣・・・樹木で剣くらいは作っておくべきだったわ・・・、魔法は、駄目ね。)


剣が無理ならば、攻撃系の魔法を使わねばならないが、魔物は魔法耐性が高いので人や動物に比べると魔法での攻撃は効果が薄いのだった。

あの白い生き物が動物であれ魔物であれ、どちらにしても何かの武器は必要だ。そう、剣を作っておくべきだった。

しかし、今更そんなことを思ったところでもう遅い、今からでもできるなにか別の方法を考えなくてはならない。


魔物である可能性を想像してしまい足がすくむ、私の額から一筋の水滴がツーっと頬を伝って落ちた。


(とにかく、まずは、相手を見極めましょう。その間にいい方法を考えるのよ。)


すぐにでも逃げ出してしまいたい気持ちを抑えて、そう自分に言い聞かせると、相手を観察するため意識を森の方向に戻した。

ところが。


(あれ?いない・・・)


しかし、私がうだうだと考えている間にうろうろとしていた白い生き物は姿を消し、茂みを揺らす音も聞こえなくなっていた。


少し拍子抜けしてしまった私は、樹木の陰から少しだけ身を乗り出して様子をうかがってみる。

ただの黒一色になってしまった森の中を魔法で探ってみることも考えたが、もしもまだ近くにいるのならば放った魔力に反応してここに戻ってきてしまうかもしれない。


(やっぱり・・・魔法を使うのはやめておきましょう。)


そうしてしばらく静かになった森の様子をうかがっていたけれど、一向に姿を見せない白い生き物。時間が経つごとに私の中で『もうここにはいない』という結論が頭の中を占め始める。


(これだけ待って何もないのだから、もうここにはいないわよね。そろそろ、出て行っても大丈夫かしら?)


私がそう結論づけた瞬間、再びガサガサという茂みの揺れる音がしたかと思うと、大きく揺れ広がった茂みの間を突き破って白い影が勢いよく飛び出してくるのが視界に入った。


「う!」

(!!!)


私はその白い影を確認するや否や、反射的に飛び上がってしまった。

それでもなんとか樹木の陰に身体を押し込むと、背中をぴったりとくっつけて先ほどよりも身体を真っ直ぐにピンと張る。

びっくりして思わず声が出てしまったけれど、気づかれていないかが心配だ。


(これで、ここから出るに出られなくなったわね。)


樹木はポツンと森の集団から飛び出ている、周りに他の樹木はなく、気づかれずにここを離れることは難しいだろう。

しかし、このままずっとこうしているわけにもいかない。こうなってしまってはここに隠れている事を気づかれるのも時間の問題だ。

幸い向こうがこちらの存在に気付いたようには思えない。であれば、今のうちにこちらから打って出る方が勝算が高い。


私は、ギュッと目とつぶって覚悟を決めた。


(こうなったら、やるしかない! 先手必勝!日ごろの訓練の成果を見せてあげるわ!)


戦う覚悟を決めた私は、攻撃と防御用の魔法を頭の中で思い浮かべると、戦えるように準備を整えた。

すぐに準備を終えた私は、力強く目を見開くと。


(待って、やっぱり怖い。)


いくら覚悟を決めたといっても、怖いことに変わりはない。結局、怖気づいてしまった私は、恐る恐る森の方を覗き込むことにした。



「!!!」


しかし、すぐに口元を手で押さえて、「はっ」っと息を飲む。


私の視線の先には、綺麗なピンク色の鼻をプスプスと鳴らしながら地面を嗅ぎまわる、積もったばかりの新雪のように真っ白で艶やかな毛で覆われた可愛らしい小動物もこもこの姿があったのだ。

そのもこもこは子犬ほどの大きさで、歩き回るそのたびに丸いおしりにちょこんとついた短い尻尾をフリフリと動かし、その仕草はまるで生きているぬいぐるみのような、何とも言えない愛らしさだった。


そしてもふもふした身体もさることながら、最も特徴的だったのは、もこもこが高価な宝石が埋め込まれているかのような、とても美しい青い瞳をしていることだ。

その美しい瞳は、可愛らしさの中にどことなく神々しさようなもを醸し出していた。


その姿に私はというと、


(きゃぁぁぁ〜 !なにあれ?!子犬じゃないの!なんて綺麗な色の瞳なのかしら!それに可愛い!抱っこしたい!)


私はとにかく、かわいい物、特に子犬に目がなかった。


気づけば私は、樹木をかじりつくように両手で掴んで、もふもふしたくて仕方がない衝動を必死に押さえ付けながら、その姿を視線で追っていた。

地面をクンクンしながら良く動き回るもこもこは何かを探しているのか、地面を掘るような仕草をする。


(あの子は本当に子犬かしら?でも、少し違うような?? そんなことより。はぁ、ほんの少しでいいから、あのふわふわの身体をもふもふさせてくれないかしら。)


そうして、私はしばらくの間、樹木の陰に隠れてもこもこの様子を見ていたが、ちょうど樹木の影で見えなくなってしまったもこもこの姿をよく見ようと一歩足を踏み出した。

そのとき、何かを踏み折るような感覚が靴底から伝わってきて、同時にパキッという乾いた音が大きく響き渡る。


「あ」

(しまった!)


私は咄嗟に足元を確認して、踏み出した脚をすぐに引っ込めた。

けれど、時すでに遅くもこもこのほうに視線を戻すと、そこには先ほどまでは垂れ気味だった耳をピンと立てたもこもこが青く美しい瞳をこちらに向けていた。

そして、二つの美しい瞳が樹木の影でコソコソと覗き込んでいる私の姿を射抜き、すぐにぴたりと動きを止める。


(わわっ、まずい!間違いなく見つかったわ。どうしよう。ええと・・・こんな時は。)


その視線に射抜かれて焦った私は、これまで受けてきた講義の知識の数々の中から最もこの場にふさわしい対処法を選択し迷うことなく実行に移した。

それは、挨拶おいでおいでである。


「お、おいで~、おいで~」


人であろうと動物あろうと第一印象が重要なのだ。

私はしゃがん見込んで、なるべくもこもこの目線に合わせると、小さく手を振りながら努めてにこやかに、おいでおいでをすることで、危害を加えるつもりはないとアピールする。

それに対して、もこもこは大きく見開いた瞳をさらに大きく開き、数回ぱちぱちさせると、ぷっくりとしたピンク色の鼻をひくひくとさせた。


「もふもふ、だめ、かしら?」


さらに、私は頬に手を当て少し首をかしげるようにして、猫なで声を出してダメ押ししてみる。


けれど、やっぱり、ダメだった。

もこもこは出てきたときよりもさらに力強く跳ねて、一目散に真っ黒な空間に消えて行ってしまった。


「あ!」

(逃げた!ちょっと、待ちなさい!)


私は思わず声を上げ、飛び出すと一寸の躊躇をすることなく、もこもこが消えたあたりの空間に飛び込んでいく。


謎のかわいい生物もこもこ捕獲もふもふ作戦が始まった。


真っ黒な森に飛び込んだ私はすぐに探信魔法を発動して常に放った状態にする。


(シンプル・プロテクション)

それと合わせて、髪や肌、ドレスが枝に引っ掛かって傷ついてしまわないように、表面保護魔法シンプル・プロテクションで全身を薄く包んだ。


飛び込むと同時に追跡準備を終えた私が見回すと、森の中はやっぱりどこもかしこも真っ黒だった。しかし、幸いなことにもこもこはそこでは一際目立っていたので、すぐに見つけることができた。


私はすぐにもこもこの後を追うため、全速力で走り出し、すぐに追いつく。

少し前を行くもこもこは時々、私のほうをちらちらを伺いながら、短い脚で生い茂る木々や茂みの間をスルスルと器用に避けながら森の奥へ奥へと走ってゆく。


私は魔法で作り出した地図を頼りに、次々と迫りくる木をひらり、ひらりと躱し、茂みを飛び越えて、前を走る白いもこもこを追いかける。


(ぜぇったいに、捕まえて、もふもふしてやるんだから!ちょこちょこと動いても、そう簡単に逃げられないわよっ!)


私のそんな意気込みが伝わったのか、もこもこはさらにスピードを上げていく。

もこもこはわざと草木の多いほうを選んで逃げているようだった、私は離されまいと必死にもこもこを追いかけた。


(・・・まずいわね、少しずつ離されてるわ。脚には少し自信があったんだけど、でも、このままだと体力がもたないわね)


もこもこを追いかけ始めて随分と森の奥まで来てしまった、そろそろ体力の限界が近づいてきている、このペースでこれ以上追いかけ続けるのは私の体力では難しい。

しかし、このまま逃げられるのは、面白くない。せめて、一度くらいは抱っこしてもふもふさせてほしいところだ。

となれば、今できる手段は決まっている。


(ちょっと、強引な方法だけれど!)


私は走る速度を少し落として、もこもことの距離を取った。

そして、安全な距離まで離れると、そのまま距離を保ちながら、視線の先のこもこに向かって右手をかざした。

そして、とある魔法を思い浮かべ、それを発動させる。


(風で飛ばす!ワールウィンド!)


風魔法、旋風ワールウィンドが発動した瞬間、もこもこの身体はふわりと浮き上がり脚が浮く。

そして次の瞬間には、地面近くからより強く発生した上昇風によって、もこもこの身体は数メーヴ(メートル)ほど、ぽーんと投げ上げられた。


軽々と投げ上げられたもこもこの身体は頂点まで達すると、今度はくるくると回りながらきりもみ状態になって落ちてくる。


落ちてくるもこもこの下に素早く回り込んだ私は、回りながら落ちてくるもこもこを両腕でキャッチするとぎゅっと抱きしめた。


「捕まえたわ!」

(わぁ、思った通りふかふかで、とってもあったかい。癒される~♪)


もこもこの身体はとても柔らかくふわふわで、そして身体はとても暖かかった、私はさらにその感触を楽しもうしたけれど。


「わっ、ちょっと、暴れないでちょうだい!」


それもつかの間、腕の中のもこもこは「きゅーきゅー」と変わった鳴き声を上げながら、バタバタと暴れだした。危うく、腕から逃げられそうになる。


「大人しくしなさい!」


少し強い口調でもこもこを諫めるが、動物に言葉が通じるはずもなく全く効果はない。

もっとも、強い口調は逆効果だったのかさらに激しく短い手足をばたばたさせて私の腕から逃れようと暴れた。


暴れたもこもこの手や脚が私の長い髪に絡みついて引っ張られる。


「い、痛い!」

(髪はやめて!)


大切にしていた髪を引っ張られたことで、頭にきた私は大きく息を吸い込んだとき。


「いいかげんにー」


それは起こった。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

面白いと思っていただけましたら、ブックマークをお願いいたします。


今年最後の投稿です、皆さまよいお年をお迎えください。

来年もよろしくお願い申し上げます。


表面保護魔法シンプル・プロテクション:Simple-Protection

旋風ワールウィンド:Whirlwind


Mvメーヴ:長さの単位 1メーヴは1メートルに相当


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