第9話 危機的状況
直登は来た道を戻るが、一つ問題があった。
それは..直登は馬に乗ったことがないということだ。
直登は馬をうまく操れず、ふらふらと進んでいく。
「うおっ」
当然と言えば当然だ、元の世界で馬に乗る機会など大人になってもまずないだろう。
「ナオト!」
すると、後ろから声が聞こえる。
それはナオトの後を追ってきたヤクモだった。
「ヤクモさん」
「ヤクモでいい。って..おい!」
直登は馬を制御できずにフラフラしている。
「・・おまえなにやってんだ?」
「馬に乗ったことなくて..」
「そんなことだろうと思ってたが・・
いいか、まずそんなに縮こまるな。背筋を伸ばせ。」
「こう..ですか?」
「そうだ。そしたら鎧をしっかり踏め!」
「あぶみ?」
「足掛けのことだ。そうしたら、しっかり前を向いて..鞭を打て!」
直登はヤクモに言われた通りに鞭を打つ、するとまるで空を飛んでいるかのような。風邪を追い越すように馬が走る。
「はやい..!」
ヤクモもそれに続く。
「どうだ気持ちいいだろう?」
「はい!」
「ヤクモはなぜ戻ったんです?」
「いや、対したことはない。馬鹿な同期と、余所者の言葉に動かされただけさ。」
「なるほどです。」
「このままクレインに追いつくぞ!ついてこい!」
「はい!」
直登とヤクモはその後馬を走らせた。すると、丘の上に馬に乗った人影がある。
「クレインか?」
直登とヤクモはそこまでいくと、丘の上で呆然と何かを眺めるクレインの姿があった。
「クレイン!」
「お前ら...なんで来た!」
「ふっお前だけに格好はつけさせないさ。」
「何を見ていた?」
「見てみろ」
その丘の向こうは戦場だった荒野が広がっていた。
見ると国軍革新派の軍勢が押し寄せており、フィルス教保守派は既に壊滅状態であった。
「これは..もう、前方の戦士団が少し残っているだけだぞ..」
「いや、」
「?」
「残っているあそこが後方の戦士団だ。」
「!?」
「そしてヘリオサマナは天級の戦士団だ。早々やられはしない。きっとみんなまだあそこにいる。」
「急ぐぞ!」
「おう!」
クレイン、ヤクモ、直登の3人はそれぞれ剣を握り
戦地に向かって突撃する。
戦地に入ると、各所から爆発音や叫び声などが聞こえる。
そして前方に大きな爆炎が上がる。
「あれは魔術..?あそこだ!」
爆炎の方向へ進むと、アリダラが広範囲の魔術で敵を後退させていた。
「アリダラ様!!」
「む、ぬしら、なぜ戻ってきた。」
「すみません。放っておけませんでした。状況は?」
「見ての通り、最悪じゃ。撤退すら..もう」
そんな話をしている間に敵兵がさらに押し寄せてきていた。
「奇魔・承雷之煌
奇級魔術: 雷落閃遷」
アリダラが呪文を唱えると右から左に順次落雷が起きる。
「ぐわぁぁ」
飛び出してきた敵の前線はアリダラの魔術によって吹き飛ぶ
「アリダラ様!ヘリオサマナの他のメンバーは?」
「わしの後方に見習いの魔術師がおるが、左右に展開した団員がどうなっているか..。
左にはジーダがおるからまだ耐えているかとは思うが。」
「ナオト!お前は左の状況を見てきてくれ。俺は右に行く。クレインはアリダラ様の補助と後方の確認を頼む!」
「わかりました。」「了解!」




