14話 神の罰
荒野を抜けると、壁に囲われた大きな街が見えてきた。
「あれが西の最大都市マージ・アリア...」
一行はマージ・アリアに入った。街には多くの住人がおり、高さのある建物や多くの商店などでにぎわっている街だった。
馬車から降りると、クレインの先導の元、裏路地ヘ進み、彼らの拠点と思われる建物に到着した。
建物前には先にマージ・アリアに入っていた帰還組が出迎える。
「アリダラ様!よくぞご無事で、さぁどうぞ、中で横になってください。」
「わしのことより怪我人の具合を見てやってくれ。」
「はっ」
生き残ったメンバーは帰還組に状況の説明をした。
帰還組も失った仲間のことを聞き、悔しがっていた。
その日は怪我人の手当てをし、しばしの休息を取り、休息後に今後の打ち合わせをすることを決めた。
翌日、生き残った者たちが集まり、会議を行うこととなった。
アリダラも昨日からずっと眠っており、団員たちは皆心配していたが、今は体を起こし、ベッドに腰かけている。
「この戦士団も少なくなってしまったの。」
アリダラのその言葉に皆は俯く。
20人以上いたメンバーは、アリダラ・クレイン・ヤクモ・ガルム・ミリス・躁級剣士のクラムとソルシャ、魔術師(見習い)が二名と、保護されているイリナとルミナのみとなっていた。
「よしでは、会議を始める。これがヘリオサマナとして最後の会議になるかもしれん。」
「なっ!?」「なぜです?」
「現在、事務局より戦争報告の招集が掛かっている。わしはこのような状態じゃ。代理でヤクモ、ぬしの方でいってもらえるか?」
「はっ、もちろんです。」
「そこで我々ヘリオサマナはおそらく解散を通達されるじゃろう。」
「!?」
「戦士団の資格条件として、躁級以上の資格を持った剣士又は魔術師が7名以上必要なのじゃ、人員が減った今のわしらでは戦士団の存続は不可」
「そうですか..」
「じゃが、そんなことは大したことではない。戦士団は作りたければまた作ることができる。」
「・・・確かにそうですね。」
「大事なのは今後ぬしたちがどうしていくか。じゃ。」
「もちろんヘリオサマナ復活にご協力します。」
「いや、わしには戦士団を再び率いることができないじゃろう。」
「!?」
「なぜですか!」
「わしの体は界級魔術を使用したことによる神罰によって、加護の気配が全くない。どうやら魔術の使えぬ体になったようじゃ。」
「なっ!?」
「な..なんということだ。」
「アリダラ様...申し訳ありません。俺がお役に立てないばかりに」
皆、声を震わせながらその事実に悲しんだ。
直登は他の者たち程、アリダラとの関係は深くはないが、とても悲しく、そして憤りを感じていた。アリダラは素晴らしい魔術師だった。そして彼女はフィルス教の人たちを守るため大きな力を使った。その代償である神の罰が〈加護の没収〉だとするならばひどく馬鹿馬鹿しい話だ、とさえ思った。
「アリダラさん...」
「なんじゃナオト」
「自身の許容範囲を超える魔術の使用を 人々を守るために使ったことの代償が魔術を奪うものだとしたら、神はなぜ最初から、そんな力を私たちに与えたのですか?」
「ナオト、わしの為に言ってくれることはありがたいが、フィルス神を悪く言ってはならん。それが我らフィルス教の誇りなのじゃから。」
「・・・はい。」
いつも読んでいただきありがとうございます。
もう少しで序章が終わりになります。
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