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第13話 界級魔術


「ミリス行こう、敵が来る前に、ジーダさんの死を無駄死してはいけない。」

「うん。」


放心状態のミリスを連れ、アリダラとの合流の為、移動をする。

その途中で、馬を連れ、クレインがやってくる。

「ナオト!左の状況は!」

「生き残ったのはミリスだけだ。ジーダさんも..」

「なに!?」


「とりあえず、馬に乗れ!アリダラ様と合流する。」

馬に乗り、移動する最中に、クレインにジーダの最期を伝えた。

クレインは唇を噛みしめ悔しがっている様子だった。


「右はほぼ全滅だったが、数人生き残った者をヤクモが救出した。

押し寄せる敵は何とかアリダラ様が押さえているが、脱出できるかどうか..」


そうして直登たちはアリダラと合流する。ヤクモも戻ってきており、馬車を準備し、怪我人を運び入れ、脱出の準備を行っていた。

「アリダラ様、準備はできましたがいかがいたしましょうか。」

「ふむ。この目の前の敵をどうにかしなければ脱出はできない。

今からわしが〈界〉の魔術を使い、敵を殲滅する。その隙に後方へ脱出するのじゃ。」

「アリダラ様、しかし、それは..」

「なに、上位魔術の使用のリスクはわしが一番よくわかっている。構わず準備せよ!」

「はっ」


アリダラが敵の足止めをしている間に直登たちもヤクモの準備した馬車に乗る。

「アリダラさんが言う〈界〉とは界級の魔術のことですか?」

直登はヤクモに尋ねる。

「そうだ、〈天〉より強い魔術が〈界〉、さらに強い魔術が〈豪〉だが、実際には〈豪〉の魔術は言い伝えレベルで、魔術自体が存在していたとしても扱える術師がいないため、実質、最高レベルの魔術は〈界〉と言ってもおかしくない。」


「アリダラさんは天級の術師ですが、界級の魔術が扱えるのですか?」

「アリダラ様ほどになれば、界の魔術を使える。だが、リスクがないわけではない。」

「リスク?」

「加護の範囲を超える魔術の使用は術者の命を削る。」

「命を..」

「それだけじゃない。その他にも魔術が使えなくなったり弱くなったりすることもある。それらの代償を神罰という」

「神罰...アリダラさんは大丈夫なんでしょうか。」

「俺たちはアリダラ様を信じるしかない。」


「これから魔術を行う、ぬしらは下がっておれ。」

「はっ」


アリダラは目を閉じ、杖を構える。

「界魔・承炎之煌 」


アリダラが詠唱を行うと、アリダラの元に大量の魔力が集まっていくのが肌で感じた。

そして、アリダラを中心に大地が震えだす。


「界級魔術: 業火滅却!!」

すると、その瞬間、視界の全てを埋め尽くす程の大炎が地面から上がる。

余りに広範囲かつ、巨大な炎に、規模の全体を捉えることができないが、目の前にいた軍隊のほぼ全てを焼き尽くす程の大魔術だ。

右も左も見渡す限りの炎である。


「すごい..」

「これが界級魔術」


アリダラはフラフラとよろけた後、その場で膝をつく。

「アリダラ様!」

ヤクモとクレインがアリダラの元へ行き、馬車まで連れてくる。

「よし全員乗ったな!出るぞ!」


こうして残ったヘリオサマナのメンバーはこのアルバポリスを後にした。

一行は脱出に成功はしたものの、多くの仲間を亡くした彼らの表情は暗く、唇を噛み締めながら、マージ・アリアへ向かうのであった。


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