第11話 金髪の男
「あんなボヤごときで動けなくなるなんて、こっちの奴らはたいしたことないね。」
「!?」
敵兵だろうか?若い金髪の男が、直登の炎魔術を突破し迫ってきていた。
「何者だ?」
「悪いね。あんた達に恨みはないんだけど、俺も雇われの身なんだ。」
「ミリス離れてろ。躁魔・承炎之煌 火炎弾!」
直登は火炎弾を金髪の男向けて放つ。
「おっと、」
男は迫り来る炎の玉に動じることなく前に進む。
そして、直撃の瞬間、腕で弾くように炎をかき消す。
「なっ!」
「いやー俺に魔術は効かねぇみたいなんだわ。」
そういうと男は、踏み込みと同時に、瞬間的な速さで直登の懐まで潜り込み剣を振るう。
「ナオト!」
直登は間一髪のところで剣で受け止める。
「おっ、あんた、俺の剣に反応できるなんて、勘がいいね。」
「離れろ!」
直登は金髪の男に向かって剣を振るうが簡単に避けられてしまう。
「攻撃は遅いな。あんた名前は?」
「・・・ナオト」
「ナオト?ふーんいい名前だね。俺の名前に似てる。」
「お前の?」
「俺の名前はユウトだ!」
ユウトは名乗ると同時にまたも一気に距離を詰め、剣での連撃を与える。
「くはっ」
直登は剣でガードするが、速すぎる太刀筋に防御しきれず血飛沫が舞う。
「はは、本当に勘がいいな。致命症になり得る部分はしっかり守ってくる。」
(くそ。剣での戦いじゃ勝ち目がない、だけど魔術も効かない。どうする)
「よし、そろそろおわりにするかな。」
余裕の表情を浮かべながらユウトは直登に近づく。
直登の脳裏に柚希の顔が浮かぶ
「俺はまだ死ねないんだよ!
躁魔・承炎之煌」
直登は瞬時に火の玉を作り至近距離でユウトに放つ。
「だから俺に魔術は効かないって」
ユウトは軽々とその火の玉を左手でかき消す。
すると、そこにいたはずの直登の姿がユウトの視界から消える。
「なっ」
直登は炎の玉を目くらましにし、その隙にユウトの後ろに回り込んでいた。
直登は一気に踏み込み、剣を振り下ろす。
「おらっ」
しかし、
ユウトはすぐに反転し、体勢を崩しながらも剣で受ける。
ユウトはそのまま、後ろにはじかれ体勢を立て直す。
「いや、今のは危なかったね。実際。」
「っくそ」
「君はよくやったけど、今ので俺を本気にさせた。」
そういうと、ユウトは直登に勢いよく近づき、渾身の力で降ろした剣を一気に振り上げる。
「がっ」
ユウトが振り上げた剣は直登の剣を弾き飛ばす。
剣を失った直登にユウトは剣を振りかぶる。
「さようなら。同胞よ」
直登はなすすべなく目をつむり身構える。




