第10話 救出の一手
直登はジーダより貰った剣を握り左の戦場へ走る。
「あそこか?」
敵の兵士が群がる場所がある。
そこには何人もの倒れ込んだ敵兵とそこに血だらけで立つジーダの姿があった。
「なんだこいつは..鬼か?」
ジーダはふっふっ、と荒い息を吹きながら敵を切り倒していく。
「ジーダさん大丈夫ですか!?」
「ナオトか..?なぜここにいる」
「役に立つかわかりませんが助けに来ました。」
「そうか。ならむこうにミリス達がいる。そこへ行ってくれ。」
ジーダが指差す先にも敵が集まっている場所があった。
そこには座り込むミリスとそれに迫る敵兵の姿があった。
(走っていって間に合うか?)
ミリスは直登達が到着するまでの間、ジーダやその他の団員と共に敵兵を後退させていたが、あまりの数の敵兵にジーダとも分断され、周りの仲間も倒れていってしまっていた。
なんとか魔術を使い対抗していたが、その魔力も底をつき、座り込んでしまったのだ。
「女、よくも抵抗してくれたなぁ」
敵兵がミリスに近づいていく。
直登はネックレスを強く握る。
(ここでやらなきゃ来た意味がない。)
「躁魔・承炎之煌..」
直登は呪文を呟き、フィルス神との繋がりを感じる。
(余所者の俺だが、今回はフィルス教の人を助けるために使うんだ、力を貸せフィルス神)
直登は練習時よりも大きな炎の玉を作り出す。
「火炎弾!!」
ミリスに迫った敵兵は剣を振りかぶる。
ミリスは目を瞑り身構える。
その時、大きな炎の玉が敵兵を吹き飛ばし焼き尽くす。
「うわっ!あぢぃ!」
「え?」
ミリスは驚き火炎弾の飛んできた方を見る。
「ナオト!」
直登はミリスの前に立ち、剣を構える。
「ミリス、大丈夫か?」
「なんでここに..」
「話は後!立てるか?」
「うん、なんとか」
「少しずつ後ろに下がるぞ!」
だが、敵兵も直登に向かって剣を構え飛び出してくる。直登はジーダに教わった剣術を思い出しながら、なんとか攻撃を捌き、後退していく。
「くそ!キリがない。」
「ナオトはまだ魔力ある?」
「うん、まだ、あるけど、」
直登は敵の攻撃を受けながらミリスの言葉に答える。
「アリダラ様も言っていたけど魔術はそのイメージによって形を変えるの」
「それが、どうした?」
「炎の形を変えて相手の動きを封じれれば..」
「なるほど..ミリス、少し離れてて」
直登は敵の最前線を横一線に切り付けるのと同時にバックステップにて距離を取る。
「躁魔・承炎之煌」
(炎の形をイメージする..)
直登は地面に手をつける。
すると、あたりの地面から火が出始める。
「あちっ!」「これじゃ進めないぞ」
敵兵は地面から燃えたぎる炎に足止めされ、追撃ができない。
「すごい!」
「よし上手くいった!〈魔術:焼け野原〉だ!」
そのまま2人は後方に脱出する。
「よしこのままジーダさんとアリダラさんと合流するぞ。ミリス歩けるか?」
「うん。ありがとうナオト」
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