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【天竺】の王

 『天竺(てんじく)』。全反社会を率いる、【王】。


 それは一人の少女から、始まった。少女の存在そのものを『天竺』と為す組織。


 少女は(ひと)りだ。だからこそ、他の誰をも追随させない力がある。数多の人間を従属させるだけの格がある。


 一般家庭に『生』を受けてなお、特異点として異彩を放つ少女の名を白扖(しらいり) (おり)よいう。


 (よわい)五歳、織。地元の道場破り制覇。まだ『人間』の知識を吸収途中である為数多くの重傷者を出した。


 筋肉密度数は人間を超越し、既に筋肉細胞の可視化を可能とする『()』を持っている。


 (よわい)六歳、織。近所の暴走族を半殺しにし、壊滅。夜中の騒音を理由に、素手一つで必要以上に殴打を繰り返す。


 数百とある人数相手に己の皮が剥がれ肉が見えるまで続けた。一歩踏み間違えれば殴殺である。


 『人間』の理解を深める上で医学を極め、殺さないギリギリを確かめる実験材料に喜々(きき)踊らせた。


 (よわい)七歳、織。極道空木(からき)組と協定を結ぶ。


 界隈で名前の上がるようになった為、正統な順で手続きを踏み組長空木 克朗と取引を行い、断続でありながらも仮初の『平和』を約束させた。


 この極道らしいやり方は克朗に称賛され、ある程度の面倒事を片付けてやる程のお気に入りに認定される。これはある意味織しか当てはまらない格別の存在であるとの表明だ。


 (よわい)八歳、織。人間との『同化』完了の一歩手前で飽きを回した。


 順調に人間への同化を進めていた織も、途中あまりにしつこく襲撃が行われた為人間の惰弱性、愚鈍さ、軟弱さを知ったのが要因とされる。


 だがまだ人間としての有効性が残っていたのか『化け物』にはならないよう自力でセーブしている。ちなみに克郎の十八番の老舗料食店に行き気に入った。


 (よわい)九歳、織。『天竺』の主軸を築き上げる。主力の幹部らを傍らに置いたところ面倒事が丸きり解決したので味を占めた織は適当に餌を与えつつ暴政をしかないよう躾けた。


 バレンタインチョコで小さなチョコを渡したら原価価格何億倍の最高級品なって返ってきた。まさしく鶴の恩返し。もちろん放置。


 (よわい)十歳、織。『天竺』の金銭的支援の為株式会社を立ち上げる。ただ面倒は嫌だった為基本的なプログラムだけデータに残して後は放置。主力幹部に加え全構成員が三徹してなんとか押しきった。


 上手く軌道に乗った後はうなぎ登りの売り上げグラフを見て「へぇー…」と視線を向けることなく褒めてあげた(本人曰く)。


 (よわい)十一歳、織。『天竺』の襲撃を受け、報復として敵組織を単体で崩壊させた。


 思い入れや未練など微塵もなかったが三時のおやつに用意されていたチョコケーキとマカロンが床に散乱していた為。


 ちょうど五年生で委員会決めがあったのでいつもお世話になっている図書室の為図書委員になって一日中本を読んだ(六法全書・ウイルス抗生物質の論文等…。持ち込み)。


 (よわい)十二歳、織。実質的なボスとして空木組と業務提携で領土・組織を拡げる。


 老舗のテーブルで織から提案し、克郎もその気があったことなので障害なく事業を拡大することができた。なお一部文句を言った空木組の幹部補佐は克郎の手によって上手く処理された。


 小学校卒業、と同時に『天竺』の私有地である山の一角にある屋敷にお引っ越し。どうも義務教育は体質的に合わなかった為中学は行かないことにした。


 それにあたって今まで実の両親の代わりに後見人であった克郎からゴーサインが出た為今は外国に留学したことによって世間から名前を消している。


 そして現在…。織、十三歳の年頃である。

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