返事が早くて助かるわ 『クララ』
盗賊団の陣地前
盗賊達の前に現れた妖艶な女が口を開いく
「こんにちは、盗賊の皆さん」
ふっと笑った女に一瞬驚いたあと笑い声が上がる
「おいおい、こんなとこにいると悪い男に剥かれちまうぜねーちゃん!」
「なんの用だ?ここではドレスなんか売っちゃいねーぞ!」
男達の下卑た笑い声がしばらく続き、沈黙すると
一人の男が顔に青筋を浮かばせ前出た
「てめえ、タブラんところの女だな」
「ええ、話があってきたの」
クララはいつもの調子で答えて更に盗賊の表情は険しくなった
「なんだ」
クララは笑顔を崩さずこう告げた
「ここで解散するか、死ぬか選びなさい」
「…」
前に出た男が剣を抜き始めた、すると前列の盗賊たちも剣を抜き
男が剣を向けながらクララに向かって言った
「今晩てめえは俺達の玩具にしてやる」
「あら、返事が早くて助かるわ」
男とクララの会話、わずかに一言を交わした直後
クララの剣が男の両の手をはね飛ばした
「あっ?う、うぁぁあ"あ"あ"あ"ぁあ」
発狂して尻餅をつく男を無視してクララは、盗賊団に対して手を口に添えて山びこでもするかのように叫んだ
「あなたたちではまともな相手にならないからまとめてかかってきなさーい!」
何が起きたのか、理解した前衛の盗賊たちが一斉に雄叫びを上げてクララに襲いかかっていった
クララの前に先にたどり着いた盗賊4人が剣で襲いかかる
するとクララは一太刀で4人をなぎ払い次に向かってきた盗賊を突き刺してつぶやく
「やっぱり雑魚を切ってもつまんないわね」
長剣に突き刺した盗賊を向かってくる盗賊に降り投げ
そのまま次にきた盗賊を一太刀で3人ほど真っ二つにした
ものの数分で、20人ほどの死体が積み上がったところで
馬に乗った騎士のような風貌の男が掛けてきた
「バルバトス!貴様かぁ!」
「あらー?だーれー?」
少し離れたところから話す二人、男は顔を強ばらせてクララを睨んでいた
「俺は元帝国軍準騎士!カウロスだ!貴様なぜきたぁ!!」
「おしごとよー!お姫様を助けるねー!」
「貴様がなぜ皇国の姫を助ける!!」
「団員が決めたんだものー!盗賊よりはましでしょー?」
クララの最後の一言で強ばらせていたカウロスの表情が一気に怒りにかわる、するとカウロスは盗賊達に怒鳴りながら言った
「弓隊だ!弓隊をよべ!それとアレをだせ!」
「は、はいぃ!」
「槍隊!柵越しに奴を牽制しろ!今の距離を保たせろ!」
カウロスが盗賊に指示を出して、クララを牽制
すると前列に弓兵が並び始めた事を確認すると、再び指示を出した
「弓隊!統制射撃用意!………放てぇ!」
20人ほどではあるが、一人を射殺すには十分な人数であった
しかしクララは射撃と同時に積み上がった死体の山から一体を持ち上げ盾とした
そんな攻防を繰り返していると、カウロスの正面には
盗賊陣営のバリスタの一基が据えられていた
「これで終わりだバルバトス、この売国奴め」