特等席を用意するよ『シーン』
「お初に御目にかかりますリリーナ様、クララ・バルバトスと申します」
美しい女性は丁寧に自己紹介して、リリーナに頭をさげた
「はじめまして、リリーナです」
リリーナはクララに手を差しのべた、そしてクララはリリーナの手を見ると頭をあげてその手を握り握手した
「失礼ですが、あなたが噂の剣豪バルバトスで?」
リリーナは戸惑いつつも疑問をクララにぶつけた
「ええ、そう呼ばれておりますわ」
ミローネが不思議そうにムーロンに言った
「剣豪?あの方は有名人なのですか?」
ミローネがムーロンの顔を覗き込む、その顔は強ばっており
じんわりと汗を滲ませていた、そして口を開く
「剣豪バルバトス…その名は帝国どころか、皇国の兵士でも知らぬ者がいない程の有名人だ」
そうしてムーロンによって剣豪バルバトスについて語られた
クララ・バルバトス、戦争末期に活躍した剣士
彼の剣士は国境戦線で傭兵達と共に戦線を支えていた
初陣で攻めてきた皇国の千人将を打ち取り、その後も幾度となく公国軍を苦しめた
たった百人で一時的にではあるが皇国の国境内の砦を2ヶ月もの間我が者顔で占領していたのだが、なぜか手放し国境の戦線へと帰って行くなどの、かなり突飛な行動をしたりすることで注目を集めていた武人であった
彼女はかなり戦略家であると同時に、剣技の達人で
ある戦闘で、皇国の首都近くまで遠征した帝国正規軍の殿を任された時
皇国の追撃隊を一人で撃退しており、切った兵は二百人を越えるとされており
帝国の英雄、皇国の悪夢とも言われ恐れ敬われた
「そんな、おとぎ話みたいな…」
「だからやべぇんだよ、剣豪バルバトス」
そんな会話をしている二人にシーンが話しかけた
「まずクララの力を見てもらおうか、町の外壁で特等席を用意するよ」