きっとなんとかなるわ『リリーナ』
作戦会議!
「では、改めて作戦を立てましょう」
リリーナは、先ほどとは違う凛とした表情でテーブルに地図を広げた
するとシーンと、側近のムーロン、ミローネが卓を囲み地図に目をやる
「まず、我々の目指す目標は帝国と公国の国境越え、それさえ出来ればあとはなんとでもなります」
ミローネが補足する
「商会本部には現状を伝えてあります、国境付近には商会の私兵が待機しているはずです」
シーンが軽く頷き、そのままミローネが説明を続けた
「その前の段階、、、この町を出たところが第一の難所です」
するともう一人の側近でガタイのいい男ムーロンが口を開く
「何度申し出をしてもこの町の町長は頑なに兵を出さない、自分の町が盗賊どもに囲まれてるのに」
気付けばムーロンは拳を握りしめて、額に青筋を立てていた
そんなムーロンを宥めるように、リリーナはムーロンの拳に手を添えて言った
「恐らく町長はこの件に関わっているか、ゼル帝国内の有力者圧力をかけられているのでしょう」
少女のように華奢な側近のミローネが震えながら言った
「傭兵達もなぜか、、、誰も相手をしてくれませんでした、、、やっぱり何者かの息がかかっていたのでしょうか」
ミローネは目に涙を溜めながらリリーナに向かって続けた
「ひ、ひ、ひめさま、ごっ、ごべんなざい、うっ、うっ」
謝罪の言葉をミローネが口にした瞬間、ミローネは自分の不甲斐なさと仲間達への罪悪感で涙腺が決壊してしまう
リリーナは途中からミローネが泣くのがわかっていたのか、用意したハンカチで優しくミローネの涙と鼻水を拭きとると
ミローネをそっと抱きしめて言った
「泣かないでミローネ、ミローネのせいではないわ、元々は私の計画が甘かったのよ」
よしよしとミローネを慰めながらそっと椅子に座らせた
まだ嗚咽止まらないミローネに、リリーナは微笑みながら言った
「それに、ミローネはちゃんと傭兵をつれてきたじゃない、きっとなんとかなるわ」
「ひめざまぁ~」
ミローネは優しいリリーナの言葉に、今度は感激の涙を流した
それをまたよしよしとリリーナが慰めてようやく泣き止む頃に
また一人、卓を囲む者が増えていた
その者は妖艶な雰囲気をまとい、露出が多いドレスのようなものを着たかなり背の高い美しい女性
そして、腰にミローネの背の丈ほどある長剣をぶら下げてたっていた
あまりにも突然の登場と、その風貌の強烈さに
リリーナ達は、目を点にして動かなくなっていた
するとシーンは口を開く
「ああ、ごめんうちの団員だよこれ」
「ひどいわぁ団長」
「紹介するよ、うちの団員にして今回の作戦に欠かせない切り札の一つ、剣豪クララ・バルバトスだ」