私は大商会の会長で創設者よ 『リリーナ』
次の日の朝
朝食をとりながら会話をしているのはシーンとリリーナの二人
話題は昨晩のウェンバリーズから依頼されたカナル商会への報復についてだった。
「それで?どうするの?」
紅茶を飲みながらシーンはリリーナに今後の方針について聞いた。
「相手は真っ当な商会の振りをしているの。剣を持って乗り込めばこちらの評判が悪くなるわ。」
「僕らの出番は無しかい?」
「いいえ、あなた達には裏稼業の方を叩いてほしいの。」
「でも見当たらないんだろ?」
「そうね、でも一つ心当たりがあるわ」
そう言ったリリーナは周囲の地図を取り出し朝食の乗ったテーブルに広げる。地図のある場所を指さすと、そこには町の外れにある村がある。
「ここは?」
「今は廃村になってる村があるわ、ここでは盗賊の出現頻度が多くなっていて人が寄り付かない…多分ここは違法薬の原材料の栽培と製造をするにはちょうどいい環境になってるはずよ」
「ウェンバリーズ卿も当然調べたんだろう?なんで証拠が出ない?」
「叔父様の部下は優秀だけど、ならず者たちをあまり理解できていないわ。ああいった手合いの連中は乱暴だけど狡猾よ」
「わかってるような事を言うね」
「これでも結構相手してきたのよ、いろんな所でね。つまりはこの村の周囲に秘密がある。森と廃鉱山に何かあるはずよ。」
「確かに怪しいね、探ってみよう」
シーンが立ち上がり、部屋を出るときにリリーナは声をかける。
「証拠なんていらないわ、盗賊達を捕縛か殲滅して違法薬の原材料を焼き払いなさい。あと奴隷がもし見つかれば連絡をちょうだい、迎えを手配するわ。裏稼業を潰せばこちらの勝ちよ」
堂々とした対応策に、少々不安を覚えたシーンがリリーナに質問する。
「相当な自信だけど大丈夫かい?相手は表の商売もしてて相当な蓄えもあるんだろ?最悪逃げられるんじゃない?」
するとリリーナは手をつけなかった少し冷めた自分の紅茶を一気飲みして、こう返した。
「私は大商会の会長で創設者よ。あんな小物に商売で負けるわけないじゃない」
頼もしい返答にシーンは少し驚いた表情をした後
ニカッと笑い言った。
「なら僕らは僕らの仕事をしよう。」




