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乙女ゲームの世界に転生したから悲劇を阻止しようとしたんだけど、運命の修正力が強すぎた。  作者: 仲仁へび
第十一章 ミュクゼ・アウル合同イベント

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第12話 アウル安定



 だから森の奥へとどんどん逃げるんだけど、女の人がずっと追いかけてくる。


 しつこいな。


 なんでこっちにかまうんだよ。


 俺は、嫌われ者のやっかいな吸血鬼なのに。


 そんな風に考え事をしていたせいだ。


「うわっ!」


 がむしゃらに走っていたら崖から落ちそうになった。


 危ない、と思ったら女の人が手を掴んで引っ張ってくれた。


 けど、子供一人をささえるだけの力はないみたいだ。


 ずるずると女の人まで落ちそうになってしまう。


「お前まで落ちるぞ!」


 手をはなせばいいのに、「見捨てる事なんてできません!」と言ってくる。


 馬鹿なんだ。


 きっとそうに違いない。


 だから「吸血鬼でも助けるのか!」とそう言ってやった。


 それなら、きっとこの手をはなすはずだ。


 このつないだ手を「だから、何ですか。大切な命である事に変わりはありません。吸血鬼でも獣人でも、エルフでもハーフエルフでも、人間でも、みんな同じ命です。大切な命なんです」離さなかった。


 きっとこの女の人は、自分が落ちる瞬間になっても、この手を離さないだろう。


 事実、もう落ちるところだった。


 かけつけてくれる奴らがいなかったら。


「うわっとっと、マリンちゃん、大丈夫か?」

「ふぅー、ギリギリセーフ。とさか君その手を離さないでよ。僕がまとめてひっぱりあげるから」


 俺は崖の上に引っ張り上げられた。


 助かったのだ。


 自分も危なかったのに。


 助けてくれた奴らがいたから。


 変なやつだった。


 でも、不思議と嫌いにはなれない。


 なんでか、力になってやりたいと思ってしまう。


 そう思うと、頭の中に不思議な光景が蘇った。


 それはあり得るはずのない光景だ。


 なかなか懐かないうさぎの散歩で困っていた時。

 優しそうな女の人とか、頼りなさそうな男の人とか、アホそうな男の人とかが集まって、手伝ってくれる光景。


 皆やさしい顔をこっちに向けていた。


 信じられる人達は、確かにいるんだとそう思えてきた。


 あいつはきっと、どんな奴がピンチになっても助けるんだろうな。


 獣人でもエルフでも、吸血鬼でもかんけいなく。


 そう思ったら、なぜか胸のつかえがとれたような気がした。



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